事件の概要と判決内容
動物愛護法違反と銃刀法違反の疑いで千葉市の49歳の男が逮捕されました。被告は2018年11月~2020年12月のおよそ3年の間に、千葉市美浜区の稲毛海浜公園などで80~100匹もの猫に向けて空気銃を発射したとされています。
被害にあった猫のうち4匹がケガをし、2匹は死亡しました。被告はもともとは猫が好きで、自ら野良猫のエサやりをしていた過去もあります。
犯行の理由
ある日、野良猫へのエサやりを通りがかりの男女に注意されました。そのことをきっかけに、被告は「男女に復讐しようという気持ちがわいた」と語ります。
相手に言い返すことが怖くてできなかったという被告は、怒りの矛先を猫に向け空気銃を発射しました。
犯行を重ねるうちに恨みは消えていったものの、猫を虐待することで「何か征服したような気持ちになった」「猫を撃つときの高揚感が忘れられなかった」という理由から猫への虐待をやめられなかったと述べています。
空気銃で撃つ以外にも猫への虐待をしていたことが法廷で明らかになっており、千葉地裁は懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
増加する猫への虐待
猫をはじめとする動物への虐待が後を絶ちません。特に猫の命を軽視して虐待する事件が増加しており、虐待や殺害の様子を動画で撮影してSNSに投稿するケースも目立ちます。
動物愛護関係者や専門家は、個人的な怒りや自分の中の攻撃性を弱い立場の猫に向ける虐待の犯人は、反省しない場合も多いと懸念しています。
また猫への悪意や攻撃性がいずれは人間に向けられるようになるという可能性もあると危惧しており、猫が虐待されない社会を目指すことの重要性が提言されています。