1.周囲からの視線を遮りたい
猫の先祖は砂漠や草原という開けた場所に生息していて、外敵から狙われやすい環境でした。そのため猫の祖先は木があればその上で生活するようになっまので、現代の猫も木登りを上手に行います。
この自分の身を危険性が少ない場所に置きたいという感情は、人間と一緒に生活を行って外敵などいなくなっても失われるものではありません。
猫は箱の中に入るとよく寝てしまうのは安全だと認識したからであり、上の部分が開いていても四方が囲まれているので、自分の姿が相手からは見えていないと認識している表れです。
2.猫が待っている狩猟本能の名残り
猫は小動物を捕獲する狩猟動物であり、高い確率で狩猟を成功させる方法で自分の姿を隠し、相手が近寄るのを待つという方法を使うことがあります。その証拠として、猫は箱に穴が開いていて、何かが近寄ると前足を出して掴もうとします。
猫は相手に自分の存在が見つかって逃げられた場合、すぐに捕まえられればいいのですが、体力的に持久力がないので時間がかかると逃げられる可能性が高くなります。
野生では獲物と遭遇する確率はとても低いので、少しでも捕獲を成功する可能性を上げるために、待ち伏せという戦法を行うのです。待ち伏せをするために猫は自分の体臭を少なくすることにも努めていて、これが何度も自分の体を舐めている習性に由来しています。
3.温かい
猫は一般的に寒さには弱く、先祖が寒冷地で生息していれば体質的に寒さに強くなりますが、これは寒さ対策で長毛になったり、体内の機能が寒さに耐えられるようになっているからです。
猫は自分にとって最適な環境を探しだす名人であり、猫がいる場所は人間にとっても過ごしやすくなっています。そのような場所が無ければ、猫は他の仲間や人間に見して温もりを得ようとしますが、それも無ければ自分自身で温かくなる方法を実行します。
猫が丸まっているいわゆる「アンモニャイト」と呼ばれる姿がこのためであり、狭くて自分の体が固定されても同じ効果が得られます。気温が高い時に行う場合は違う意味合いになりますが、寒い時には体温を維持するという理由が考えられます。
4.猫が自分の体格を認識していない
猫は成猫になると肥満体になるのを除いて体格にはあまり変化が起きませんが、子猫から成猫になる段階では急激に成長して体格が大きくなります。産まれて間がない頃は自分を認識する能力も低くなっていますが、時間の経過と共に自分というものを感じるようになります。
そのために自分自身を知るようになった時の体格が現在もそうであると判断してしまい、どう見ても収まらないような形状であっても、入ると考えてしまうのです。
猫が物に入る時は、中の状態や大きさについて確認しています。そこで入るとわかれば体を入れるのですが、この時に自分の体格が大きくなっていることを認識していません。
そのために四苦八苦しながら無理やり体をねじ込もうとしますが、これは大きさからすると入るはずなのにどうして?と疑問を持ちながらも、体格が小さい頃の印象しか持っていないからだと考えられます。
5.猫は安定した状態で寝たい
猫にとって不安定な体勢で寝ていると、高い場所であれば落下したり、物に体がぶつかって安眠を妨げる可能性があります。
そのような状況にならずに眠るには、体が固定化されて動かなくなればいいのです。大き過ぎればその物自体に足などをぶつけて目が覚めてしまうため、少し窮屈なくらいが安心して眠るためには丁度いいということです。
まとめ
猫は体がすっぽりと入るはずなのにところがとても好きであり、男性が胡座の体勢で座っていると足の間に入って寝てしまい、立てなくて困ったという経験をした人は少なくないでしょう。
動物は祖先が経験したことから本能になって現在でも残っているので、狩猟をしなくても毎日美味しいご飯が食べられる生活を獲得しても、猫の箱好きは無くならないでしょう。