猫の親離れについて
猫の親離れは子猫が生後3か月ほどになると始まります。母猫は子猫をそばに寄せ付けなくなるなどの行動をするようになり、次第に子猫も1匹で行動をするようになっていくのです。子猫はまだまだ母猫のそばにいたいので、突き放されてもしばらくはついて歩いていますが、生後4か月から6か月頃には親離れが完了し独り立ちします。
親離れをする理由は、生後6か月ほどになると親子や兄弟という感覚がなくなってしまうことが挙げられます。そのため縄張りを意識して母猫が子猫に対し威嚇をするのです。また、近親での繁殖を防ぐためともいわれています。その他に、猫の数が増えることで餌を確保できなくなるため追い出すというのも理由の一つです。
猫の親離れに関する問題
母猫が親離れまでの子育てを行えればいいのですが、親離れが早すぎると子猫が問題行動を起こしてしまうことがあります。子猫は母猫からお乳や食べ物を与えられるだけではなく、毛繕いのやり方、狩りの仕方など社会的なことを見て学んでいるのです。
さらに、きちんと親離れができず母猫と離れてしまったことで分離不安による問題行動が出ることがあります。飼い主と離れることが寂しく不安に感じるため常に後をついてきたり、お乳を吸ったりするような行動が残ります。このお乳を吸う行動は、「ウールサッキング」と呼ばれるもので、布を吸う姿が見られることがあります。ウールサッキングは布を飲み込み腸閉塞を起こしてしまう危険もあります。
猫の親離れに関するあれこれ
親離れはオスとメスで違う
子猫の性別によって親離れが少し違う場合があります。子猫がオスの場合は母猫の縄張りよりも遠くに縄張りを持ち、メスの場合は母猫の近くに縄張りを持つことが多いそうです。オスの子猫が母猫から遠い場所に行くのは、繁殖の関係やオスの方がケンカなどのトラブルが多いからだと言われています。
親離れしないこともある
野良猫で餌をもらっている場合や、飼育されている場合は、餌の確保の心配がないため親離れせず親子で一緒にいることがあります。3歳になってもお乳を吸っているなんてこともあるのです。
親子で飼育したい
母猫も子猫も一緒に飼育したいのに、母猫が子猫に攻撃的で困っているという飼い主は多いようです。親離れを促すために母猫は攻撃的になりますが、成長とともに親子の認識がなくなってしまうので、猫同士の相性や縄張りを意識するようになります。繁殖を望まないのであれば去勢避妊手術を受けさせましょう。縄張りへの執着心が緩くなることが望めます。どうしても相性が合わないときは、それぞれが落ち着ける場所や逃げられる場所を用意するなどの対策が必要です。
まとめ
猫の親離れについて調べてみました。猫の親離れは、繁殖や餌の確保、縄張りが理由となっていますが、餌がもらえるなど環境によっては親離れをしないこともあります。親離れをするまでは様々なことを母猫から教わる大切な時期です。そのため、早い時期に親離れをさせてしまうと、不安分離による問題行動が出てしまいます。親離れは、子猫を精神的に成長させる作用があります。母猫から子猫を取り上げるときは、親離れに適した時期なのか確認が必要です。