猫の身体能力の秘密は身体の構造にあり!人間よりも圧倒的に高い運動能力

猫の身体能力の秘密は身体の構造にあり!人間よりも圧倒的に高い運動能力

普段は体を丸くして寝ていたり、ゴロゴロしている可愛いイメージがある猫ですが、実は圧倒的なジャンプ力や瞬発力をもっているなど身体能力が高い動物なのです。猫の身体能力が高い理由には体の構造に関係しており、どんな秘密が隠されているのでしょうか。誰もが驚く猫の身体能力について動画も交えてお話ししたいと思います。

猫の身体能力は動物全体で見ても驚異的に高い!

ジャンプする猫

ネズミや小鳥などの小動物を狩りする肉食動物である猫は、とても高い運動能力をもっています。犬の方がアジリティやフリスビードッグなどの大会もあり身体能力が高いイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、猫も獲物を確実に捕まえる俊敏な動きや、ジャンプ力、細いところを歩けたり体勢を常に保つバランス力など、たくさん猫の不思議な能力が備わっているのです。

ちなみに同じネコ科のチーターでは動物界の中で1番地上最速といわれております。猫の高い身体能力も私たち人間を含め、動物全体からでも圧倒的に高いといわれています。

動画で見る!おそるべし猫の身体能力エピソード

走る茶トラ猫

猫の走るスピードは時速48km

猫は犬のように長い距離を走ることができませんが、一瞬で速いスピードを走ることができる身体能力が備わっています。ある研究では猫が走るスピードはおよそ時速48kmといわれています。

時速48kmの速さは車で街中を走る速度に近く、人間の100m走で最高速度といわれているウサイン・ボルト選手のタイムは9秒58ですが時速に換算すると約37.6kmなので、いかに猫の足が速いということが分かります。

驚異的な瞬発力

猫の特徴的な技といえば、素早い「猫パンチ」ではないでしょうか。猫は高い瞬発力をもっており、目に見えぬ速さで猫パンチを繰り広げます。

個体差が多少ありますが、猫パンチの速さはなんと秒速0.009秒程といわれています。ちなみにその素早い猫パンチの威力も高く、喧嘩や獲物を狩るなど本気で猫パンチをした場合、鶏が気絶するぐらい強いようです。

圧倒的なジャンプ力

猫はキャットタワーなど高いところを軽々と飛び上がることができる圧倒的なジャンプ力ももっています。身体能力に優れた猫のジャンプ力は、助走なしでも高くジャンプすることができます。体長の約5倍ものの高さを飛び上がることができ、1.5〜2m程は楽々にジャンプすることができます。

この猫のジャンプ力は人間に換算すると7〜8mくらいの高さに匹敵するため、いかにジャンプ力がとても優れているということが分かります。

高い柔軟性

猫は「液体」と呼ばれているように身体能力の1つでもある高い柔軟性をもっています。そのためピーンと体を伸ばすことができたり、狭いところに入ることができます。とてつもなく柔らかい体はおよそ体長の2倍まで伸ばすことが可能といわれています。

すごい能力の1つでもある猫の高い柔軟性の秘密は、椎間板や靭帯のしなやかで柔らかく、骨の数も私たち人間より40個程多い、約240個の骨格から成り立っています。また内臓も動きやすいようになっているため、体を長く伸ばすことができます。

猫の身体能力である高い柔軟性や狭いところを好む理由には、単独動物でもあるため外敵や狙っている獲物に気づかれないように隠れるためだと考えられています。

骨の数が多いだけではなく、猫の鎖骨は他の動物と比較すると小さく、他の骨とつながっていないため、猫は狭いところを難なくと潜り抜けることが可能なのです。

体型にもよりますが、猫が頭部が入れば胴体でもすり抜けることができるといわれています。そのため猫はわずかな隙間でも簡単に侵入することができるのです。

帰巣本能がある

猫は見知らぬ遠い場所でも自分の家に帰ることができる帰巣本能があるといわれています。実際に新しい家から前に住んでいた家に戻っていたり、行方不明になって数年後にお家に帰ったことがあったそうです。中にはおよそ3000kmという長距離から帰ってきた猫もあります。

猫をはじめ動物の帰巣本能は嗅覚や方向感覚だけではなく、太陽の位置から家の方向を割り出していたり、磁場から方向を分かることができるともいわれています。

なぜ猫はこれほどまでに身体能力が高いのか?

公園のベンチで伸びをする猫

優れた瞬発力やジャンプ力など身体能力が高い理由は、猫の祖先から受け継がれている本能と大きく関係しています。

今はそれぞれ異なる犬と猫ですが、実は祖先は同じ「ミアキス」という生き物でした。しかし後に平原で集団行動をする犬と、森で単独で行動する猫と別れるようになりました。

単独動物の道を選択した猫は自分で獲物を捕獲したり、外敵から身を守らなければいけなくなりました。

そのため確実に獲物を捕らえるために素早い瞬発力や、木に登ったり、飛び降りるジャンプ力などの身体能力が備わっていったと推測されています。猫にとっての高い身体能力は生きていくために欠かせない能力だった訳であります。

現在「イエネコ」と呼ばれている猫は、その祖先の名残りが残っているため今も変わらず身体能力が高いのです。そのため猫はキャットタワーなど上下運動ができる飼育環境にすると良いといわれています。

猫はどれくらいの高さまでなら無事に生還できるの?

木から飛び降りる猫

猫はとても優れたバランス力をもっている身体能力の持ち主で、どんな体勢から落ちても瞬時に4つ足で着地することができます。その時間はわずか0.125〜0.5秒という速さで体勢を整えることできるので、高いところから飛び降りたとしても着地することができるのです。

実際にビルやマンションから落ちたとしても無傷で済んだ猫もいます。一般的に猫はビルやマンションの2〜3階程度の高さなら怪我をしないといわれています。ですが3階以上などの高さの場合は単に軽い怪我だけではなく骨折や内臓破裂など命を落とす危険性があります。

飼い猫の多くが完全室内飼いですが、よくマンションや階段の手すりからの転落事故も増えてきています。高さが低くくても、体勢を戻すことができず着地に失敗して怪我を負うケージも少なくありません。

時間帯や個体差などによって異なりますが、落下事故を防ぐためにもわざと突き落とすことは絶対にしてはいけません。またベランダに出さない、留守中にドアや窓を閉めて鍵をかけるなど対策も必要です。

身体能力が優れている猫種っているの?

何かを見つめるベンガル猫

祖先の名残りを受け継がれている「イエネコ」と呼ばれている現在いる猫たちは、種類問わず身体能力に差はさほどないといわれています。

ですが中でもワイルドで野生的な猫種は身体能力が高い傾向があるといわれており、7種類の猫があげられます。

  • サバンナ
  • ベンガル
  • トイガー
  • オシキャット
  • チャウシー
  • チートー
  • セレンゲティ

運動神経が悪い猫っているの?

横になっている太った猫

動画や動物番組のテレビ特集でジャンプが下手だったり、動きが素早いオモチャをなかなか捕まえられなかったりなど、猫の中には運動神経が悪く鈍感な子がいます。

猫の性格や生活環境などによって異なる傾向があります。猫じゃらしやレーザーポインターなどのオモチャでよく遊んでいたり、キャットタワーなどの上下運動ができるなど、刺激を受けやすい環境下では行動が活発化になる傾向があります。

しかし肥満の猫では運動することを避けてしまい動こうとしなかったり、ジャンプを失敗しやすくなり怪我を負う原因にもつながります。

また高齢猫でも年齢に伴い筋力の低下などにより、若い頃よりも動きが鈍感になります。他にも身体的な要因を抱えている猫も身体能力が衰えていることもあります。

まとめ

遊んでいる2匹の子猫のメインクーン

猫は一瞬で速いスピードを走ることができたり、優れた瞬発力や助走なしでも自分の体長の5倍程の高さを飛べるジャンプ力など、身体能力がとても高いです。

その理由には私たち人間よりも骨の数が多い骨格や柔軟性による体の構造が関係していると考えられています。また外敵から身を守ったり獲物を確実に捕らえるなど生きるために欠かせない能力でもあり、現在の「イエネコ」と呼ばれている猫もその名残りが今も残っているのです。

しかしどんなに身体能力が高い猫でも、高いところから飛び降りた時に着地に失敗することがあります。実際に最近ではマンションからの転落事故が増えており、2〜3階の高さであれば軽傷で済むことが多いですが、打ち当たりが悪かったり3階以上など高いところからの落下した場合は骨折など大怪我を負う可能性が高く、死亡率も高くなります。

種類によっては運動量が高く適度な遊びが必要な猫もいますが、筋力が低下する高齢猫や生活環境、性格、体型などによっては動きが鈍感だったり、運動自体を制限する必要もあります。痛みがあっても習性で隠してしまう傾向があるため、気をつけながら過ごしてあげましょう。

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