落ちる高さによって違う
一般的に、猫は高い所から飛び降りても無事だと考えられていますが、もちろんケガをしたり、命を落としてしまったりする危険はあります。そこは誤解なきよう、お願い致します。
ある統計によると、6階の高さまでは、高さが低い方がケガの程度が軽かったそうです。これは頷ける結果です。
ただ不思議なのが、7階以上の高さから落ちた猫は高さに関わらず、ケガの程度がほとんど変わらない点です。これは、猫が落ちる高さによって選択する、着地方法に関係していると考えられます。
また、死亡率も7階前後から落ちた場合が一番高く、それ以上の高さになると逆に低くなるのも、不思議な点です。
本能的に着地方法を選んでいる
2~6階までの高さでは、猫は足から着地しますが、7階以上になると手足をムササビのように広げて、お腹から着地するようです。なぜ猫が、落ちる高さによって着地方法を変えるかと言うと、それには落下速度が関係しています。
猫は、終端速度が時速約100km程度です。終端速度とは、落下した時にそれ以上上がらなくなるスピードの事で、人は時速約200kmと言われています。
この終端速度に達すると猫は、本能的に着地方法を、お腹からにするようなのです。6階までの高さでは終端速度に達しない為、足で着地しようとする訳ですね。
ただいくら猫が本能的に一番安全だと思われる着地方法で着地したとしても、ケガをする可能性は高いです。足で着地した場合、骨折することがありますし、お腹から着地した時は肺が潰れてしまったり、肋骨を骨折したりすることも。もちろん命を落とす可能性もあります。
三半規管がすごい
猫は、三半規管という耳の中にあるバランスをつかさどっている器官がとりわけ敏感、かつ高性能です。故に、高い所から落ちたとしても、すぐに体勢を整えることができ、着地できる訳です。この働きを、「空中立位反射」と言います。
猫が高い所から、シュタッと足で着地できるのは、この反射があるからなのです。生後3週間程度になるとこの反射が現れ始めるので、まだよちよち歩きの子猫でも、それなりに着地できるでしょう。
中耳炎や内耳炎になるとバランス感覚が崩れ、猫がフラフラと歩いたり、首を傾げたりする原因になりますので、早めに動物病院に行き治療して貰いましょう。
体の柔軟性がすごい
猫の体がまるで半固体のようにくにゃくにゃなのはご周知の通りですが、この柔軟性が高所からの落下時にも有効に働きます。着地した時、しなやかな猫の体が衝撃を和らげているのは間違いありません。
まとめ
猫の身体能力の高さには驚かされるばかりですが、間違っても猫をわざと高い所から落とすのは、ヤメてくださいね。
ケガや最悪の場合、命を落としてしまうことがありますので、面白半分に落とすのは、言うまでもありませんがNGです。