猫にお薬を飲ませるには?どうしても飲んでくれない時の対処法

猫にお薬を飲ませるには?どうしても飲んでくれない時の対処法

猫へ薬を飲ませる時に大変な思いをした飼い主は多いと思います猫は素直に薬を飲もうとはしません。無理に飲ませようとすると引っかかれたり噛まれたりしてしまいます。しかし、無理にでも飲ませないと病気を克服する事は出来ません。今回は猫への薬の飲ませ方について述べていきます。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

簡単に薬を飲ませる3ステップ

薬の匂いを嗅いでいる茶トラ猫

最も手軽に猫に薬を飲ませる方法は、キャットフードの中に細かく砕いた薬を混ぜる手段です。

しかし、この方法ではご飯全体に薬の苦味が広がってしまうため猫が嫌がってご飯を食べようとしなくなることも多いです。なので、猫に確実に薬を飲ませる方法は直接人間の手で飲ませることです。

手で猫に直接薬を飲ませるのは、大変なように思えますがコツさえ掴めば猫はあっという間に薬を飲んでくれるようになります。

①まず、猫に大きく口を開けてもらう必要があるためリラックスしてもらいます。

②背中をゆっくり優しくさすってあげましょう。次に、片方の手で猫の頭を後から固定します。

③最後にもう片方の手で猫の口を開けて喉の奥に薬を落としてあげましょう。その後すぐに口を閉じさせて、顔を少し上に向けさせ、喉をさすってあげます。

この方法で飲ませると猫は、薬の苦味を感じるすきもなく素直に薬を飲み込んでくれます。

粉薬の場合は、キャットフードと混ぜる方法が最も簡単な方法です。しかし、この方法では錠剤と同様に苦味を強く感じて猫が薬を飲んでくれない事も多いです。

そんな時はシリンジを使って薬を飲ませましょう。水で薬を溶かした後にシリンジを用いて、猫の唇を横から少し持ち上げ、犬歯の後のすきまに薬を垂らしてあげましょう。すると、素直に猫は薬を飲んでくれます。

どうしても猫が薬を飲んでくれない時は?

緑色のタオルに包まれた猫

いくら飼い主が落ち着かせようとしても、薬を見た途端嫌がり興奮してしまう猫も少なくありません。

タオルでおくるみ作戦

猫が暴れてどうしても押さえる事が出来なくなったら、タオルで猫の手足を押さえると良いでしょう。タオルだけでは暴れてしまう猫ちゃんでは、洗濯ネットに入れてからタオルでくるんでも良いでしょう。

濃い味のフードを与える

しかし、それでも猫が薬を飲んでくれない場合もあります。そのような時は、キャットフードより香りの強い食べ物の中に薬を混ぜると効果的です。

例えば、とろみを付けた鶏ガラスープや野菜スープに砕いた薬を混ぜると素直に食べてくれる子もいます。スープ自体に強い香りがあるため、キャットフードに混ぜるより好む猫もいます。

また、動物用の服薬ゼリーや服薬タブレットを利用するのも良いでしょう。

猫に薬を飲ませる時の注意点

薬を飲ませようとして猫の顔を抑える飼い主

猫を支える手は優しく

薬を飲ませようとして無理矢理猫を押さえつけると、更に強い抵抗をされるだけです。なので、猫に薬を飲ませる時は強い力で押さえすぎないようにして下さい。猫の体を押さえる場合、正しいポイントさえおさえれば力は必要ありません。獣医さんに教えてもらうと良いでしょう。

怒らない!

また、薬を中々飲んでくれない時は飼い主もイライラしてしまうものです。なので、つい怒鳴ってしまう場合もあると思います。しかし、猫は怒鳴られると余計に薬を飲んでくれません。

したがって、猫に薬を飲ませる時は大きな音を立てずにする事と強い力で押さえつけないようにしましょう。

まとめ

錠剤の薬を飲もうとする猫

薬が苦い場合、猫は服薬する事を特に強く嫌がります。しかし、飲んでもらわないと病気を治す事が出来ないので何としてでも飲ませる必要があります。

最も簡単に飲ませる方法は、飼い主が落ち着いて猫とコミュニケーションを取りながら薬を猫の口に落とす方法です。この方法なら、飼い主の負担が最も軽く猫もリラックスした状態で薬を飲めます。

しかし、必ず猫が飲んでくれる方法ではないので万が一猫が飲んでくれなかった時に備えてスープや服薬ゼリーを用意しておく必要があります。

注意して欲しいのは、薬を飲ませる時に猫に恐怖心を与える行動を取らないようにする事です。トラウマを植え付けると、猫が必要以上に薬に対してマイナスの感情を持ってしまうためイライラした時は一旦薬を飲ませるのを中断しましょう。

そして、飼い主の気持ちが落ち着いてから猫に薬を飲んでもらいましょう。

監修獣医師による補足

錠剤には、割ったりつぶしたりしても良い物とそのまま飲ませたい物があります。

カプセルにはそのまま飲ませないといけない物が多くあります。薬の味だけではなく、どうやって飲ませるかで、効き方が変わってくる薬もありますので、もらった薬をどのように飲ませて良いか、獣医師に相談して下さい。

嫌がる猫ちゃんに薬を飲ませるのは、猫ちゃんにとっても飼い主さんにとっても大きなストレスになります。特に投薬が長期にわたる場合には、できるだけストレスの少ない方法を見つける必要がありますし、また、無理やり飲ませて誤嚥させることも防がなければいけません。

本記事で紹介されている方法の他にも、投薬器を使用する方法があります。

投薬器や猫ちゃんの投薬用ゼリーやタブレットを用意している病院も多いですので、飲ませ方の練習を含めて、猫ちゃんと飼い主さんの両方にとって良い方法が見つかるまで、獣医師に相談して下さい。

本記事の説明されている薬の飲ませ方が、写真つきで以下のサイトに紹介されています。 ≪一般社団法人 日本小動物獣医師会 薬の飲ませ方 猫編≫

錠剤を飲ませた場合には、シリンジやスポイトで水を少し飲ませて下さい。これによって、薬がのどや食道にはりつくことを防ぎます。

獣医師:木下 明紀子

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