猫の『暑さ対策』は人間と同じで大丈夫?

猫の『暑さ対策』は人間と同じで大丈夫?

暑い夏が近づいてくると、嬉しい半面またあのうだるような暑さがやってくるのか、と思うと憂鬱にもなりますね。人も猫も気をつけないと熱中症になってしまいますし、しっかりと暑さ対策をして行かなければいけません。でも、猫の暑さ対策は、飼い主さんと同じ方法で大丈夫なのでしょうか?

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

エアコンは微妙…

エアコンの上の猫

ムシムシと暑い夏は、エアコン!これに限るという飼い主さんも、多いでしょう。気温も湿度も下がるし、猫もさぞ快適に過ごしてくれてる…と思いきや、あれ?いない!と思ったら、暑そうな窓際にいた、なんて。

そう猫にも、あまりエアコンを得意としない子がいます。もちろん個体差はありますが、飼い主さんがエアコンをつけると、そそくさと他の部屋に移動することは、良くある光景です。その猫ちゃんにとって涼しすぎたり、風の音や風があたる感触が好きではなかったり、エアコンが苦手な猫ちゃんにも、その理由は様々なようです。

キンキンに冷やすのが好きな飼い主さんもいらっしゃるでしょうが、猫の様子はどうですか?猫がいる部屋でエアコンをつけるなら、温度設定は高めか、もしくはドライのみ程度の方が良いかもしれません。

もしそれだと、どうしても耐えられない!という場合は、猫が冷えすぎないよう、温かく過ごせるベッドなどを、用意してあげましょう。モコモコのベッドなら、エアコンが効いている部屋でも、猫も快適に過ごせそうです。

閉め切りは止めよう

ドアの前の猫

猫は自分で、快適に過ごせる場所を探します。良くそんな場所、見つけたね、と感心するくらい、猫は上手です。

でも、もし部屋を閉め切ってしまったら、どうでしょう?その閉じ込められた部屋に、猫が快適に過ごせる場所が、なかったら?ストレスを感じてしまうかもしれません。

エアコンをつけていても、猫が通れるスキマくらいは開けておくと、猫が自由に移動することができます。もし可能なら、キャットドアを取り付けると、猫も飼い主さんもお互い、快適に過ごすことができます。

扇風機は空気の循環に

扇風機の前の猫

扇風機も、飼い主さんにとって夏は欠かせないアイテムですが、猫にはあまり評判が良くないことがあります。風に吹かれるのが、さほど好きではないようです。ですので、猫の暑さ対策には、扇風機が良い手段にならないことがあります。

ですが扇風機には、部屋の空気を循環させるというサーキュレーターとしての効果もあります。エアコンの設定温度が高めでも、扇風機で空気を循環させれば、冷房効果が上がるでしょう。猫に直接風を当てるのではなく、空気の循環をするのに、扇風機を活用しましょう。猫がいる場所で扇風機を使う場合には、猫が手をつっこんで遊ばないようにカバーをかけましょう。

カーテンは閉める

カーテンからのぞく猫

カーテンを閉めっぱなしにしていると、薄暗い家になってしまいますが、猫がいる場合はそれでも、良いでしょう。

窓から入ってくる太陽光で室温が上がるのを多少防げるので、暑さ対策になります。薄暗いのが嫌でなければ、飼い主さんにとっても室温を上げない為の対策に、なるでしょう。一部はカーテンを閉めておき、一部はカーテンを開けてレースカーテン越しに猫が日光浴を出来るようにしておくのも良いかもしれません。

汗対策は必要なし

椅子の上の猫

人間は、暑い夏は汗を大量にかき、すぐに服がベチャベチャになってしまいます。そのままでエアコンの効いている部屋に入れば、今度は汗が冷えて体調を崩す原因に…。

被毛に覆われている猫はさぞ、多くの汗をかくだろうと思いますが、実は猫はほとんど汗をかきません。緊張した時に肉球で汗をかく程度です。また、鼻の毛がない部分にも汗腺があります。

ですから、猫が飼い主さんのように汗でベチャベチャに…という心配はする必要がありません。むしろ、汗をかかない事で上昇しやすい体温を、上がりすぎないようにしてあげる工夫が必要不可欠です。

まとめ

茘枝(らいち)

猫と人では、平熱の違いや汗腺の種類の違いから、暑さの感じる具合や汗のかき方などが違います。また猫は、毛づくろいをすることで毛が唾液で濡れ、その唾液が乾く際の気化熱で体温を下げている、とも言われています。全く同じ暑さ対策をしていたのでは、ちょっとズレが生じることがお判り頂けたかと思います。本格的に暑くなる前に、快適に過ごせる用意を、しておきましょう!

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