猫に上手に薬を飲んでもらうコツと種類別の方法

猫に上手に薬を飲んでもらうコツと種類別の方法

愛猫に薬を飲ませるとなったら、慣れない人なら拒否してしまうものです。しかし、薬の飲ませ方さえ伝授すれば簡単に出来ると思います。その為には、猫がストレスにならないようにコツを知っておくと便利です。愛猫にスムーズに薬を飲んでもらえる方法を紹介してみたいと思います。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

愛猫に薬を飲ませるコツ

猫に薬を飲ませようとする人

自発的に飲むのは不可能

愛猫に薬を飲ませるのは、飼い主さんのお仕事です。「薬置いとくから飲んでね」と言う言葉は、猫には通じません。どんなタイプの薬であろうと、飼い主さんが猫の口に運ぶ必要があります。

自発的に飲むのが不可能なので、薬をご飯に混ぜて飲ませようと考えがちですが、実はこれも猫には無理なようです。猫は苦い味や匂いに敏感なので「これは危険な食べ物」と判断して、避けてしまいます。薬はそのまま薬として飲ませる方が良いのかも知れません。

嫌な記憶をすり込まない

薬は1回で済めば良いのですが、数日間~何ヶ月と継続する事も多々あります。猫が薬に苦手意識を持ってしまうと、薬をあげるタイミングさえ読まれてしまいます。薬に対して恐怖やトラウマを覚えてしまうと、ご飯の後すぐ何処かに逃げ込んでしまったり、飲ませるために抱かれた瞬間に引っ掻いたり暴れたりと、1回ずつの投与がおおごとになってしまう可能性もあります。

できるだけ薬を嫌な事と記憶させない為に、ご飯の後のお楽しみデザートとして、おやつ感覚であげられるのが理想です。

素早く終わらせる

猫に薬を飲ませるには、体を固定したり口を開けたりと、猫が嫌がることをしなくてはいけません。もちろん猫は拘束されることにストレスを感じてしまうでしょう。

薬の飲ませ方に慣れないでもたついた手つきになったり、おたおたと時間をかけてしまうと、嫌な記憶になりやすくなってしまいます。猫に薬を飲ませるには、なによりスムーズに行う事が大切です。

薬の味に気づかれないこと

スムーズに行う事の次に大切なのが、味に気づかれない事。

猫が薬に強く反応するのは、味に気づいたからという場合がほとんどです。薬=苦いもの=嫌い!と認識してしまわないように、味と匂いを隠すようにしましょう。そして素早く飲み込ませるのが、苦いと感じさせないポイントです。

薬のタイプも様々ですが、投薬補助おやつに薬を包み込むと飲ませやすいでしょう。錠剤、カプセル、粉薬には、それぞれタイプ別の投薬補助おやつを使用するのがおすすめ。嘘のように、一瞬で「ペロリ」と飲み込んでくれるそうです。

愛猫に薬を飲ませる手順

薬を飲む猫

では、どのようにしたら猫が上手に薬を飲んでくれるのかを、薬のタイプ別に分けてご紹介します。

錠剤、カプセルの場合

薬を見る猫

猫に薬を見せないようにしておきます。

猫をリラックスさせるように、優しく撫でながらゆっくりと顔を上に持ち上げます。両あごか頬骨を同時に持ちあげるようにしましょう。

上を向いた時に口を開ければ、そのまま薬を喉の奥に投げます。上を向くと口が開きやすくなるので、力強くする必要はありません。片手でそっと口の中を開いてあげられると思います。

薬が入ったのを確認したら、そのまま口を閉じた状態で、喉を何回かさするようにします。猫が舌を出したら、飲み込んだと言う合図になります。後で薬だけを吐き出す恐れもあるので、しっかりと上を向かせて奥まで流すようにしましょう。

粉薬の場合

シリンジで薬を飲む猫

粉薬やシロップなどの液体は、スポイトやシリンジ(針のついていない注射器)を使うと飲ませやすいでしょう。

粉薬は常温のお水で溶かしてあげます。水の量が多ければその分、薬の時間と苦痛が長くなります。極力水の量は少なくしておいた方が良いでしょう。

溶かした薬やシロップをシリンジに吸い込ませて、口の端の隙間から飲ませるようにします。顔を動かしたり、逃げてしまわないように優しくそっと押さえながらやりましょう。

口の脇にはに少し隙間がありますので、犬歯の後ろにシリンジを差し込むようにするとスムーズにいきます。一気に流し込まずに、少しずつ飲み込むのを確認しながら飲ませましょう。

まとめ

薬を乗せた人の手と猫

愛猫に上手に薬を飲んでもらう方法についてご紹介していきました。皆さんは、愛猫に薬をあげる際どんな方法をとりますか?

私の場合は、何度も経験がありますが、おやつに混ぜ込んで飲ませたり、そのまま薬を口に投げ込む方法など、それぞれの猫に合わせたやり方でしています。

やはり、猫も警戒心が出て来るもので同じ方法よりも、やり方を変えた方がバレないのかも知れません。薬は猫も好きなものではないので、なるべく苦痛やストレスにならない方法を考えたいですね。

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