野良猫と飼い猫の寿命が違う4つの理由

野良猫と飼い猫の寿命が違う4つの理由

野良猫の寿命は5年、飼い猫の寿命は15年などと言われ同じ猫なのに野良猫と飼い猫はずいぶんと寿命に差がありますよね。それは一体どうしてなのでしょうか?そんな野良猫と飼い猫の平均寿命についてや、寿命が異なる理由などについてご紹介させていただきます。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

野良猫と飼い猫の平均寿命

撫でられる野良猫

野良猫と飼い猫は随分と平均寿命に差があるようです。

その平均寿命についてですが、野良猫の場合の寿命はわずか「3〜4歳」となっており無事に成長して成猫となれてもわずか数年で命が終わってしまうことが多く、長く生きることができても「5歳くらいまで」だと言われています。

一方で、室内で飼われている飼い猫の場合の平均寿命は「13〜16歳」と言われており人間の年齢では「90歳」、健康的な猫だと18歳以上の長寿になることもあると言われています。

野良猫と飼い猫の寿命の違う点4つ

振り返る野良猫

同じ猫なのに、ここまでも平均寿命に差があるのはどうしてなのでしょうか?

猫の平均寿命に違いがでてしまう点についてご紹介させていただきます。

1.事故の確率

野良猫の平均寿命を短くしている一番の原因として考えられるのが「事故」です。

外の世界で暮らしている野良猫は、悲しいことに車にひかれてしまうことがあります。特にまだ子猫のうちに道路に飛び出してしまう野良猫も多く、そのため平均寿命が伸びないのです。

一方で飼い猫の場合は、室内飼育であれば車にひかれてしまうような大きな事故にはあいません。この違いが一番平均寿命に差をつけているのです。

2.感染症の確率

野良猫の場合、多くの猫が何らかの「感染症」にかかっています。その中でも特に多いのが猫パルボウイルスや猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群)です。

猫免疫不全ウイルスが原因で起こる症状は「猫エイズ」とも呼ばれていますが、このウイルスに感染してしまった猫が発症すると免疫機能が徐々に低下し、下痢、腫瘍、貧血など様々な病態を引き起こします。発症してしまった場合最終的には「ほぼ100%の確率」で亡くなってしまいます。

野良猫たちは交尾や喧嘩での咬傷などを通して、猫パルボウイルスや猫エイズに感染します。

一方で飼い猫の場合は、生まれてすぐにワクチン接種を受けていることや他の猫との接触が少ないことなどの理由で感染症になるリスクが低くなります。この違いで寿命に差がついてしまうのでしょう。

3.食べること

野良猫たちは弱肉強食の世界で生きています。同じ野良猫同士で縄張り争いをしますが、喧嘩に負け地位が低く弱い猫の場合には、食べ物にありつけず食べていけないことで亡くなってしまうこともあります。

一方で飼い猫は幸せなことに争わなくてもいつも餌をもらうことができます。また現代の猫の寿命が昔よりも伸びている理由にもごはんの発展が考えられていますので、食べることは長生きには重要な要因だと考えられます。

4.病気になったときの違いが大きい

野良猫も飼い猫も病気にはなります。

しかし野良猫は病気になっても治療が受けられないので、小さな病気でも致命的となってしまいます。

それに比べ飼い猫は病気になってしまっても病院に行くことができ、そのままケアを受けることができます。この違いが長生きするかどうか、大きく運命を左右してしまっているのでしょう。

飼い猫を長生きさせるためには放し飼いはダメ

病院にいる白い猫

飼い猫であっても室内飼いにせず、自由きままに室外に放しておられることもあるかもしれません。

しかし、今回のような感染症のリスクや事故のことを踏まえるとやはり「少しでも幸せに長生きしてもらうため」には放し飼いをすることはおすすめできません。

まとめ

猫と女性

野良猫は5年程度、飼い猫は15年程度と平均寿命に差があります。

ここまで大きく差があるのは事故の有無、感染症のリスクなどがあげられます。やはりこれらを踏まえると飼い猫は、室内飼いにして幸せに暮らせるようにしてあげたいですね。

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