紫外線が猫に与えるダメージ
紫外線とは
紫外線はUVとも言い、A、B、Cの3つの種類に分けられる電磁波です。UVAは、強い刺激は感じられなくても肌のより深くまで届きシミや皮膚の老化の原因になります。
UVBは、UVAに比べるとわずかな量の太陽光線ですが、浴びた後の影響がすぐに出ます。ヒリヒリとした皮膚の炎症を起こさせ、日焼け、シミ、乾燥などのトラブルの原因になる紫外線です。
皮膚で炎症や皮膚がん、眼で白内障など健康面に悪影響が出るのは、主にUVBが原因だったようです。
紫外線が与えるリスク
紫外線が増えると、人間同様に猫にも悪影響を及ぼしてしまうようです。紫外線をたくさん浴び続けると、猫の体にも影響がでると言われています。
紫外線が与えるリスクは、急激な直射日光による日焼け、皮膚炎、角膜炎、免疫力の低下があります。そして、長時間浴び続けたり、頻繁に浴びて紫外線の影響が蓄積されることで出る長期的な影響として、シミ、白内障、皮膚がん、悪性腫瘍などのリスクが高まると言われています。
紫外線が危険になる理由
紫外線の影響には、リスクもあれば良い影響もあります。悪影響と良い影響について見てみましょう。
長時間浴び続ける事や、皮膚状態が悪化する事により健康を害するのが紫外線の悪影響です。例えば、猫が紫外線を浴びたことで突然症状が出る場合だと、耳や鼻などの被毛の薄い部分や色素の薄い部分に、赤みやフケ、脱毛などが出てくることがあります。それは「日光皮膚炎」と言う状態。
日光皮膚炎を放置したままにすると、炎症が更に悪化してしまい、皮膚がんの危険にも繋がります。
しかし、日光を浴びるのは体や心にもメリットがあります。セロトニンホルモンの分泌によりストレスが解消されたり、体のリズムが整えられたりします。つまり、過度な量の紫外線を浴びてしまうような日差しに注意しながら、適度に浴びた方が良いとも考えられるのです。
紫外線の影響を受けやすい猫
同じ猫でも紫外線に気をつけて欲しいのは、スフィンクスなどの被毛のとても薄い猫や被毛の白い猫と言われています。紫外線から受ける影響は、どの猫にも起こり得る事です。ただ、日焼けによる影響は猫の個体差によって幾分かガードできる場合もあるということです。長い被毛や量が多い被毛、色が濃い被毛は、紫外線をガードしてくれるようです。
猫の紫外線対策
いつから対策するべき?
一年を通して紫外線はありますが、とくに紫外線が多くなる時期は、春から夏にかけて。4月~9月でしょう。春から紫外線対策はしていかないといけないのでしょう。紫外線が最もきつくなるのは、7月と8月です。また、冬の間の乾燥で肌が弱くなってしまっているため、UV対策は春から始めた方が良いかもしれません。
紫外線対策をしよう
外にでない猫にも対策は必要です。家の中でも紫外線による影響はゼロではありません。猫にできる対策と言うと、強烈な日差しの日向ぼっこを避けるように心がけること。
遮光カーテンを利用したり、窓にUVカットシールを付けるようにしましょう。直接日光を浴びない事、長時間浴びない事に注意していくのが大切です。また、猫にかさぶたや、皮膚の赤み、脱毛などの症状が見られたら、すぐに受診して治療するようにしましょう。
猫は紫外線が見える!?
猫は人間には見ることの出来ない、紫外線を見る力があると言っている研究者もいるそうです。紫外線が見える世界がどのように見えているのかは、想像も出来ません。紫外線を通して見るものに対しては、人間の目では認識できないからです。
例えば、白い風景に白い物体を遠くから見ても同化して見えにくくなります。それが猫だと、もしかしたら紫外線の光を敏感に捉え見分ける事が出来るのかもしれません。
まとめ
紫外線が猫に与える影響についてご説明しました。紫外線は、猫にも大きく影響する事が伝わったと思います。紫外線の影響を受けやすい猫は、とくに注意してあげたいですね。
これからの季節は、紫外線もきつく多くなりますので、注意していくようにしましょう。
犬や猫は色盲だとよく言われますが、それは犬や猫の網膜にある色を識別する細胞の種類から言われていることです。
本記事で説明されているように、犬や猫も紫外線を見ることができると主張している研究者もいますが、その研究者たちは、犬や猫を含めた様々な動物のレンズに紫外線をあててみたら紫外線がレンズを通ったという結果から、猫も紫外線を見ることができている、と考えているようです。
では、なぜ人間のレンズは紫外線を通さないのか、レンズが紫外線を通す動物でなぜ眼に紫外線の悪影響が多く出ていないか、などについてはまだ分からないそうです。
≪参考≫