猫と人間の温度の感覚
猫と人間の体温の違い
日本人の体温は、36.8℃が平均的な平熱と言われており、体温変化が1℃以内でおさまるのが通常と言われています。なので、約37℃を保つのが人間の体温として相応しいようです。
猫の平熱はと言うと、成猫で37.7℃~39℃ほどです。健康な子猫では38℃台後半と、高めなことが多いですが、生後間もない子猫では体温を自分で維持することが難しく、適切な環境やケアがないとすぐに体温が下がってしまうそうです。人間と猫の平均体温を見比べると、猫の方がやや高くなっています。
猫と人間の温度の感覚
肌や脳で感じる温度の感覚は、人間でも個人差があります。猫も同様に、個体差があり暑さや寒さを感じる温度も変わってくるのでしょう。
ただ猫と人間では、体温も体温調節の仕方も違うので温度の感覚には注意が必要になります。比較的、猫は暑さよりも寒さの方が苦手と言われています。しかし、日本の夏の蒸し暑さを得意としているのではありません。また暑い時には肉球から汗を放出したりなめた毛が乾く時の気化熱を利用したりして体温を下げているのです。人間のように、暑ければ服を脱ぐと言う事はできない為、自力で体温調節をしているのでしょう。それでは間に合わないくらい暑い時には、猫も犬のようにハァハァと口を開けてパンティングすることもあります。
そして、体温が人間より高い猫の場合、人間の感覚でエアコンを低い温度に設定してしまうと快適ではなくなり、体調を崩してしうこともあるかもしれません。
適温の管理
猫も人間も適温で快適に過ごすには、お互いがリスクを埋めあえる環境を作らないといけません。適温になるように設定しながら、体温調節ができるようにしていきたいですね。
寒いと感じてエアコンの風をよけたり体を温められる場所や、暑いと感じて体を冷やせる場所、水分補給ができる環境などに注意して環境を整えていくべきなのでしょう。
猫に最適な湿度と温度とは
最適な湿度
猫に最適と言われる湿度は、50%~60%ほどです。そして人間が最適と感じる湿度は45%~65%だそうです。湿度は、40%~60%を保つのがベストになるのでしょう。
湿度が高いと、体への負担になる事もあります。体が重くなったり、食欲がなくなったり、不快な気分にもなりやすくなります。また、猫が自分自身で行う体温調節が効きにくくなります。なので、室内の湿度が60%以上を超えないように温度を調節したり、空気を入れ換えたりするようにしましょう。
最適な温度
猫に最適な温度は一般的に25℃前後です。ただし最適な温度は、年齢によっても変わってきます。子猫の場合は、29℃~32℃と高めです。まだ体温調節ができない事と、生後すぐの子猫は、母猫の体温に近い方が安心しやすいためです。
高齢猫の場合は、28℃くらいが最適な温度になります。体力と免疫力が低下して、体調管理も難しくなるので、高齢になると急激な温度の変化に上手く対応できなくなってしまうようです。このように、年齢や個体差によって最適な温度も変わってきます。
室内温度
では室内の温度は、一体何度が良いのかと言うと夏場なら26℃~29℃、冬場なら23℃~25℃が適温の目安になります。
なので、エアコンを使用する場合は、室内の温度が適温に保てるように温度設定をしていきましょう。小さな子猫の場合には、体温が維持できる環境を整えてあげる必要がありますが、室温を人間も快適な温度にした上で、子猫がいる場所にさらに温まれる場所を作ってあげると良いかと思います。
また、温かい空気は天井近くにたまるため、キャットタワーや家具の上などの高いところに猫ちゃんがいる場合、夏も冬も猫がいる場所が暑すぎないか、時々上に手を伸ばしてチェックしてみてください。
まとめ
今日のねこちゃんより:ブニャ / ♂ / 6歳
猫を飼っているお家では、人間の感覚で温度を管理するだけではなく、猫へのちょっとした配慮が必要と言えるようです。夏、暑いからと室内の温度を低くし過ぎてしまうと、猫が風邪をひいたり体調が崩れやすくなることもあるでしょう。
人間と猫では平熱が異なるため、体感温度を一致させる事は難しいでしょう。一緒に生活して行く上で必要なのは、お互いの適温を保っていくことです。猫も自分なりに体温を調節して行きますので、温まれる場所や涼める場所を作って置けば、そこまでシビアになる必要もないと思います。ただ、猫を留守番させる場合や個体差によっては、温度管理も手を抜かずに調節するようにしましょう。