猫の健康チェック11項目
愛猫の健康を守るために、自宅で簡単にできる健康チェックは意外にたくさんあります。日頃から習慣付けておきたいチェック項目をご紹介します。
1.体型チェック
まず、愛猫に健康で長生きしてもらうためには、太り過ぎるのも痩せ過ぎるのも避けたいですよね。猫の適正体型は、ボディコンディションスコア(BCS)を基に判断します。
猫を真上から見た時にくびれが見えるか、背中に触れたときに肋骨を感じられるかなどをチェックしましょう。
2.ボディチェック
愛猫が甘えて擦り寄ってきた時などに優しく背中やお腹、足を触ってボディチェックをしましょう。腫れやしこりなどはないか、お腹が張っていないか、触られて痛がっていないかをチェックします。
3.皮膚や肉球の状態
毎日のブラッシング時に、皮膚や肉球の状態をチェックしましょう。皮膚は発疹やフケが出ていないか。肉球は爪が当たっていないか、乾燥していないかをしっかりチェックします。
肉球は猫の健康を表す、大切なパラメータの一つでもありますので、表面的なものだけではなく、血色はいつも通りか、熱を持っていないかも確認してください。
4.耳に腫れや汚れはないか
耳に腫れや汚れはないかをチェックしましょう。特に垂れ耳を持つスコティッシュフォールドなどの品種は、定期的なチェックとお手入れが必要になります。
また猫の耳は一時的に熱くなることはあっても、通常は冷たいので耳が熱いと感じた場合はしばらく時間が経ってから再度確認しましょう。
5.目ヤニや濁りはないか
目ヤニや眼球に濁りはないか、瞳孔の動きは左右対照かどうかを毎日チェックしましょう。その際、瞳孔の開きを確認するためには猫の目にライトを当てるほうが良いのですが、明るすぎるライトは嫌がりますので少し暗めのライトでも良いでしょう。他におもちゃで視線を誘う、部屋の電気を消すなどの方法でチェックする方法もあります。
6.鼻の状態
鼻水は出ていないか、鼻の周りに腫れやしこりはないか、鼻息が荒くなっていないかをチェックします。鼻のチェックは、猫が寝ている時に行うのがおすすめです。寝息に「ブーブー」や「ガーガー」という不自然な音が混じっていないかを確認してください。
7.口腔内の状態
歯磨きをする時や、愛猫を撫でている時に口腔内の状態をチェックしましょう。
歯茎の色が悪くなっていないか、歯垢や歯石が溜まっていないか、出血していないかをしっかり観察してください。猫が嫌がって暴れる場合は、猫の口元に鼻を近づけて口臭チェックをするのも一つの手です。
8.食事量、飲水量
猫の食事量や飲水量は、毎日できるだけ正確に把握しておきましょう。食事量については、季節や気分によって食べムラはあるかもしれませんが、飲水量が極端に増えた場合は下部尿路系のトラブルを引き起こしている可能性もありますので早めにかかりつけ医を受診しましょう。
9.オシッコの状態
毎日猫のおしっこの色や量をチェックしましょう。おしっこの量が極端に多い、少ない場合は注意が必要です。おしっこの色が極端に薄い、濁っている、キラキラ光っているものが見える、血が混じっている場合などは早急に受診しましょう。
また猫のおしっこは通常弱酸性であり、下部尿路疾患を患うことによってアルカリ性に傾きますので市販のpHチェッカーなどを使ってチェックするのもおすすめです。
10.うんちの状態
猫のうんちの硬さや色、異物が混じっていないかをチェックします。少しでも異変を感じた場合は割り箸などを使ってうんちを割り、異物が混じっていないか、血が混じっていないかをしっかり確認してください。
11.歩き方
猫の歩き方や座り方、ジャンプの仕方などに異変がないかチェックしましょう。
どこかを庇うように歩いていたり、足を引きずって歩いていたりする場合は早急にかかりつけ医を受診してください。
自宅で毎日できる健康チェックは意外にたくさんあります。全てを一度に行う必要はありませんので、猫とのスキンシップの間にサッとチェックするのを習慣づけておくといいですね。
猫の健康維持のために飼い主ができる6つの事
愛猫の健康を維持するために飼い主さんができる事をご紹介します。
①完全室内飼い
まず愛猫の健康を維持するために完全室内飼いを徹底しましょう。猫を外へ出すことによって様々な感染症や怪我のリスクを高めることになります。
②予防接種
愛猫の健康を維持するために、定期的に予防接種を受けましょう。猫のワクチンは主に3種、4種、5種、7種の混合ワクチンがあります。接種すべきワクチンは飼育環境によって異なりますが、完全室内飼いである場合は全ての猫が接種すべきと考えられているコアワクチン「3種混合ワクチン」を接種するのが一般的です。
猫の3種混合ワクチンでは、猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症を予防することができます。これらは人がウイルスを運んでしまう可能性もある病気なので、完全室内飼いであっても徹底した予防が必要とされています。
③不妊手術
愛猫の妊娠を望まない場合、避妊手術・去勢手術を受けましょう。避妊手術、去勢手術をすることによって、繁殖行為による感染症のリスクを減少させることができます。
完全室内飼いである場合も、満たされない性欲求によるストレスやオス猫の場合、精巣腫瘍、前立腺肥大等の生殖器の疾患、メス猫の場合、乳がん、子宮や卵巣の疾患のリスクを軽減できるとされています。
④健康診断
猫の健康を維持するために、毎日の健康チェックと合わせて定期的な健康診断を受けましょう。1歳~7歳までの猫は1年に1度、7歳以降は半年に1度のペースで動物病院で健康診断受けることが理想です。
⑤猫のかかりやすい病気を理解する
猫の健康を維持するために、猫が掛かりやすい病気について知識を蓄えておくことも大切です。猫の病気は早期発見、早期治療が要となることも多いため、病気について知識を蓄えておくことでいち早く異変に気付くことができるかもしれません。
猫が掛かりやすい病気として下部尿路疾患や腎臓疾患などがあります。また3歳を超える猫の8割が歯周病だと言われるほど、口腔内のトラブルも多く見られます。これらの病気をしっかり理解しておくことで日頃から予防対策を行いましょう。
⑥食事
猫の健康を維持するために食事はとても重要になります。本来、完全肉食動物である猫にとって必要なのは良質なタンパク質です。現在ではキャットフードにも様々な種類がありますので愛猫に合ったものを食べさせてあげましょう。
猫の健康の秘訣5つ
猫の寿命は年々伸びてきており、現在では20歳を超える長寿猫ちゃんも珍しくありません。そんな長寿猫ちゃんたちに共通する「健康の秘訣」をご紹介します。
①よく食べる
猫の健康の基本となるのが「よく食べる」ということです。好き嫌いや食べムラが激しい猫ちゃんは少なくありませんが、何種類かのフードをローテーションする方法で食べる量をなるべく減らさないというのも一つの手です。
もちろん、良質なキャットフードを選ぶということも大切ですが、できるだけ愛猫が食事を楽しめるよう心がけたいですね。ただ、人間用の食べ物を与えることは避けましょう。
そして、食事と同様に大切なのが「水」です。猫の積極的に飲水しない習性が下部尿路疾患や腎臓疾患を引き起こしやすくするとされているため、飲水量には常に気を配っておきたいですね。常に新鮮なお水が飲めるよう準備しておきましょう。
また猫がカルキ臭を嫌がったり、流れるお水を好んで飲んだりする場合は自動給水器が非常におすすめです。
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・抗菌活性炭入りフィルターで水道水の気になるカルキ臭を吸着。
・お水たっぷり1.8L。
・半透明の容器で水位を確認しやすいです。
たかが水、されど水で、筆者の愛猫は自動給水器を取り入れてから飲水量が増え、便秘が解消されることで食事量も安定しました。愛猫の飲水量が少ないという場合は、是非自動給水器を試してみてください。
②よく遊ぶ
子猫の頃は何にでも興味を持ち、どんなものでもおもちゃになりますよね。しかし、成猫になると遊びに誘っても反応が悪くなり、遊ぶ時間が極端に減ってしまうことも。完全室内飼いの場合、運動不足に陥りがちなので、1日15分程度の遊びを2~3回行うのが理想とされています。
猫のおもちゃにも様々な種類がありますので、愛猫が興味を示すものを見つけてたくさん遊んであげましょう!いつもの猫じゃらしに飽きてしまっている猫ちゃんには、電動の猫用おもちゃもおすすめです♪
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・使用電池は単3×4本。
・3段階の速度を選べます。
③よく眠る
猫はいつも寝てるじゃない。と思われるかもしれませんが、安心して眠るということが重要になります。猫の平均睡眠時間は15時間ぐらいですので、よく寝るなという印象です。 室温管理や、愛猫が安心して眠ることができる寝床を用意するなどの工夫を心がけたいですね。
④愛猫の体質を把握する
一言に猫の健康といっても、人間と同様に猫にも「体質」があります。愛猫の体質をサポートできるフードやサプリメントなどを利用するのも一つの手ですね。猫用サプリメントにも栄養補助やデンタルケア、整腸補助、関節ケアなど様々な種類がありますので、愛猫に必要なものを取り入れてあげましょう。
⑤ストレスフリーな環境
そしてご長寿猫ちゃんの飼い主さんが口を揃えておっしゃるのが「ストレスのない環境作り」を心がけているということです。
例えば、猫が人間に振り回されず、自分のペースで生活ができることや、飲み水、寝床、トイレなどに不満を感じないよう、常に清潔で便利であるよう配慮するなど、「些細な思いやり」が大切なのかもしれません。
猫の健康の秘訣は、人にとっての健康の秘訣とそう変わらないようにも感じますね。栄養のある食べ物をしっかり食べ、たくさん遊んでたくさん眠る。簡単で当たり前のことかもしれませんが、今一度愛猫の生活環境を見直してみるのもいいかもしれませんね。
猫の健康チェックにおすすめのアプリ2選
猫の健康チェックが記録できるアプリがあります。
①みるみるペット
アークレイ株式会社が提供する「 みるみるペット」は、ペットの健康情報が記録、管理できるスマートフォン用アプリです。食事やウンチの日常的な健康管理から、健康診断の結果データ、血糖値、通院や投薬のスケジュール管理にも対応しています。無料でダウンロード、利用することができますので、是非活用してくださいね。
②猫ちゃんのトイレ日記
ライオン製品「ニオイをとる砂」公式アプリ、「 猫ちゃんのトイレ日記」では簡単にオシッコの量と飲水量をチェックすることができます。オシッコの塊を元にオシッコ量を判断するため、固まる猫砂を使用している場合のみの利用となりますが、写真添付もとても簡単ですし、自動グラフ表示で変化が分かりやすくていいですね。
猫の健康チェックアプリを利用して、猫の健康チェックをより効率的に行いましょう♪猫のオシッコやウンチの状態に異変を感じた場合は、スマホなどで写真を撮って保存しておくだけでも、動物病院での診察時に役立つことがありますよ!
まとめ
猫の健康をチェックする7つの項目、飼い主ができる事についてご紹介しました。猫の健康維持のために飼い主ができる事って意外と少ないですよね。良質な食事にストレスフリーな生活、どれだけ心がけていても病気を患ってしまうことだってあります。
ただ、日頃から愛猫の健康チェックを行っておくことで、異変にいち早く気付くことができるかもしれません。愛猫の些細な変化は、飼い主さんにしか分からないものです。愛猫の健康を守るために、たくさんスキンシップを取りましょう♪