肥満の簡単チェック
ここでは、愛猫ちゃんの肥満度をチェックしてみましょう。
まずは、猫ちゃんの抱っこした状態で体重を量り、ご自身の体重を引いて、猫ちゃんの体重を計算します。
もし、赤ちゃん用やペット用の体重計をお持ちの方は、猫ちゃんをそのまま乗せて体重を量ってみましょう。次に、愛猫ちゃんの身体に触れてみましょう。
肋骨は触れますか?
猫ちゃんの脇の下に手を入れて、肋骨が触れるかどうか確認してみましょう。
肋骨がどこかわからない猫ちゃんは、ぽちゃ猫ちゃんということになりますね。
ボディコンディションスコア
獣医師さんも採用している、5段階の数値ではかる肥満度チェックです。
1.痩せている
あばら骨が明らかに浮いていて脂肪がなく、骨がすぐに触れる。
お腹がへこんでいて、腰がくびれている状態。
2.痩せぎみ
あばら骨が容易に触れるくらい。脂肪がうっすらしかなく、腰もくびれている。
3.標準体型
脂肪が適度にあり、あばら骨が容易に確認することができる。腰はややくびれている。
4.やや肥満気味
脂肪があり、あばら骨が確認しづらい。腰のくびれは、ほぼなし。
5.肥満
厚みのある脂肪、あばら骨が触れない。横っ腹が垂れていて、歩くと揺れる。
猫の肥満と病気の関係性
肥満によって、おこりやすくなる病気についてご説明いたします。
乳腺腫瘍
乳腺腫瘍とは、乳腺にできる腫瘍のことです。
猫の場合、乳腺腫瘍の9割が悪性です。乳腺はつながっているため乳腺腫瘍を切除しても他の乳腺で腫瘍がのち発生することも珍しくありません。
原因は、まだ詳しく解明されてはいませんが、未避妊の猫で肥満の症状が乳腺腫瘍に影響があるとも言われています。
また、メス猫の方が発症しやすい病気ではありますが、オス猫も、非常に稀ではありますが、発症例がありますので注意しましょう。初期症状は、腹部にしこりができます。
にきびのように見えることもありますが、むやみに触らずにすぐに病院につれていきましょう。
変形性関節炎
シニアの猫ちゃんにも多い病気ですが、体重が増加し、骨と骨の関節部分の軟骨がすり減り、変形して炎症が起き、痛みがでる病気です。ジャンプをしなくなったり、足をひきずったりするような様子が見えたら、すぐに病院につれていきましょう。
椎間板ヘルニア
ヘルニアとは、臓器が本来の位置からずれてしまっている状態を指します。
ですので、椎間板ヘルニアは猫の背骨部分のクッションの役割をしている椎間板の中の組織が、外に飛び出してしまっている病気です。
初期症状は、若干歩くときにふらつくなどで、重症化すると、麻痺によって立てなくなったり、ヘルニアになっている部位によっては失禁をしたりという症状が起きます。
こちらの症状がでたら、病院につれていきましょう。
糖尿病
人間にも多く有名な病気ですが、すい臓の働きが悪くなり、インスリンの量が減って血糖値が上がってしまう病気です。シニアの猫ちゃんにも多い病気ですが、肥満の猫ちゃんも体重が重くなるごとに糖尿病になりやすくなります。
初期症状は、水を飲む量が増えたり、食べる量が増えたり、おしっこの回数や尿の量が増えたりします。
糖尿病になってしまうと、人間の糖尿病と同じく毎日インスリン注射をし、厳しい食事療法が必要となることもある病気です。
猫の糖尿病には一過性のものもあり、この場合はインスリンの単回投与や食餌療法でコントロールが可能です。
尿石症
尿が濃くなり、尿中のミネラル成分が結晶や結石になり、尿道、膀胱を傷つけてしまう病気です。猫ちゃんがトイレにいって、おしっこをする仕草をしたのに、確認するとおしっこをした様子がないという場合は、この病気の疑いがあるので病院に連れて行きましょう。
結石が尿路を塞いでしまうと、排尿できなくなり急性腎不全を起こし命にかかわることがあります。肥満の猫は尿路結石になりやすく、再発することもしばしばです。尿路結石を防ぐためには、飲水量ができるだけ多くなるように工夫することや尿路結石用のフード(再発する場合は処方食にすることをお勧めします。尿路結石対応と記載された普通食では対応できません)にしましょう。
膀胱炎
外部から膀胱内に細菌が侵入することが原因で膀胱が炎症を起こしてしまう病気です。膀胱炎になると、頻尿、血尿などの症状がでます。
先ほどあげた尿結石になってしまうこともあるので、必ず病院に連れて行きましょう。
他にも肥満の猫ちゃんは、病気になるリスクがあがります。時には、命に関わってしまうような怖い病気もあります。飼い主さん自身が気をつけてあげましょう。
猫のダイエット方法3選
ここでは、様々なダイエット方法がありますが、3つピックアップしてご紹介いたします。
愛猫ちゃんにあう方法を探してダイエット頑張りましょう。
1.食事編
肥満の原因は、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていることが多いです。ですが、愛猫ちゃんが「おなかがすいたよ、もっとちょうだいよ」とおねだりすることも多いですよね。
そんな場合には、ダイエット用のカロリーが低いキャットフードに変えてみましょう。
ダイエット用のキャットフードは、繊維質が多く、低カロリーでダイエットをサポートしてくれます。
(※キャットフードを切り替える際は、いま食べているフードと少しずつ混ぜながら切り替えましょう。)
2.キャットタワー編
ご自宅にキャットタワーがないという方は、スペースに余裕があれば、キャットタワーをおいてあげましょう。キャットタワーは猫ちゃんがお留守番中でも1匹で遊ぶことができ、上下運動になるので、運動量を確保することができます。
上下運動は、かなりのカロリーを消費することができ、猫ちゃんが寝床として使ってくれることも期待できます。
これが習慣になれば、必然的に上り下りする機会も増えて、カロリー消費も増えます。
3.おもちゃ編
おもちゃの種類は何でもよいです。
愛猫ちゃんが気に入っているおもちゃで毎日遊んであげましょう。
おもちゃを集中して追いかけて遊んでいるときは、集中してくれるので、全力で1日15分ほど遊んであげるだけでも、かなりカロリーを消費することができます。
まとめ
ぽちゃ猫ちゃんはとても可愛いですが、病気のリスクもあがってしまいます。
これを機にダイエットをし、健康で楽しい毎日を過ごしましょう。