猫のノミは人間にうつる!
ノミにはいくつか種類がありますが、国内で猫に寄生する一般的な「ネコノミ」というノミは、猫だけではなく人も吸血します(犬にも吸血します)。
そもそもノミを身近な寄生虫として感じていない方も少なくないと思います。しかし、ノミは日本全国どこにでも存在します。
そして野外だけではなく、室内にも侵入し姿を隠していることもあります。ノミは気温が13度以上あれば繁殖できるため、寒い冬の時期でも、暖房のきいた室内にノミが侵入してしまえば、季節をかまわずに1年中どこでもノミに刺されてしまう危険があるのです。
猫のノミが人間にうつった時の症状
1.皮膚の痒み
人間がネコノミに刺されると、刺された場所では強い痒みが生じます。かきむしることで出血し、刺された場所が傷跡になることもあります。皮膚が弱い方は、刺された場所が腫れてしまい痛みを伴うこともあります。
2.発熱、リンパ節の腫れ
猫ひっかき病と呼ばれる病気は、猫にひっかかれた傷口から私たちに感染し、発熱やリンパ節の腫れといった症状を引き起こします。この病気の原因となる「リケッチア」という病原体はノミの糞の中に含まれており、そのノミの糞がついた爪でひっかかれることで人は病気に感染します。
猫にノミがいる時の症状
皮膚の痒み
猫の皮膚に激しい痒みや、それに伴い猫はストレスも受けます。
脱毛
猫は激しい痒みに伴い、過度なグルーミングや、刺された場所が炎症を起こし、猫の毛が広範囲に抜け落ちます。一度発症すると再度ノミに刺された場合も症状を繰り返し、炎症が起こしやすくなります。
瓜実条虫の感染
瓜実条虫はノミを介して感染します。主に感染すると、猫は下痢や嘔吐を引き起こします。瓜実条虫の卵を宿したノミを猫が食べてしまうことで寄生します。
猫のノミが人間にうつった時の対処法
痒みが強く認められた場合は皮膚科へ受診しましょう。ノミは体長2㎜程度の大きさで、動きも素早く実際に刺される姿を確認することが難しいと思います。
もし猫にノミが寄生していて、自分たちにも皮膚の痒みや湿疹などの症状があった場合、ノミに刺された場所がアレルギーを起こすこともあるため、皮膚科を受診するようにしましょう。
猫のノミが人間にうつらないようにするための予防法
猫のノミ予防、ノミ駆除をしっかり行う
猫のノミ予防の方法は動物病院で販売されているお薬が一番効果的です。
実は目に見えているノミはたったの5%、後の95%は、卵や幼虫、さなぎの状態で、猫の周囲に隠れているのです。市販で売られているノミ駆除のお薬は主に成虫にしか効かない、もしくはノミの成長を抑制する効果はないなど、潜伏している成虫以外で、95%のノミの存在を駆除することができないのです。
動物病院で販売されているノミの駆除薬は一般的に、成虫だけではなく卵からさなぎ、そして成長を抑制する効果もあります。お薬の種類によっては、効果の範囲が異なる場合もあるので、購入前に獣医師に相談してみてください。
ただしお薬でノミを1回駆除してあるから大丈夫、というわけではなく、ノミのライフサイクルを断ち切り、新たに侵入してくるノミに備えるためにも、猫の定期的なノミ予防をすることが大切です。
ノミの駆除と合わせてノミを寄せ付けない工夫をする
ノミを寄せ付けない対策を行う、これだけではしっかりとした予防にはなりません。
どんなにノミが入らないように工夫をこらしても、ノミの俊敏さと繁殖の早さにはかないません。
しかしノミ駆除のお薬には、ノミを寄せ付けないという効果はありませんので、お薬を使った上で、更にノミを寄せ付けない対策を行うことで、猫にノミを近づけない、そして人間にも近づけない予防へとつながります。
具体的には以下の方法が挙げられます。
- 猫を室内で飼う
- ノミとりのシャンプーを猫に使用する
- 猫にノミ避けの首輪を用いる
- 虫よけグッズを使用する
猫にノミがついていないかこまめにチェックする
ノミの成虫を探し出すことは難しいですが、ノミが寄生している猫の体にはノミの糞がたくさん落ちています。肉眼的で確認もできますが、ブラッシングも兼ねて目の細かいクシなどで毛をすいてみましょう。
もし黒い粒があれば、湿らせたティッシュの上に置いてみてください。粒のまわりが赤茶色に染まれば、それは吸血後のノミの糞です。
むやみに野良猫に触らない
室内で飼っている猫にもノミが寄生していることはありますが、外で飼育されている猫、もしくは野良猫は、室内で生活している猫よりもノミが寄生している確率がとても高いです。
ノミは予防をしていなければ、どんどん繁殖していきます。そのため野良猫は特に予防されていない子が多く、むやみに触ると私たちの体にノミがついて家に連れて帰ってしまい、猫も私たちも知らない間にノミに刺されてしまうかもしれません。
まとめ
ノミは私たちの生活の中に日常的に存在し、猫に簡単に寄生します。そして猫と私たちも密接に過ごすことで人間もノミの被害にあう危険があるのです。
しかし、しっかり対策を行うことでノミの被害は予防することができます。猫のノミを定期的に駆虫、そして予防することは、ノミから猫だけではなく私たち人間も守ることにつながります。