猫の手術後に気をつけたい2つのこと

猫の手術後に気をつけたい2つのこと

猫で多い手術は去勢(避妊)手術ですが手術後の体調変化や、どのようなケアをすればいいのか不安を抱いていると思います。今回は実際に手術後に飼い主さんに説明している内容を踏まえて具体的な注意点、猫が傷口を舐めないようにする対策法など含めてお話しします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の手術後に気をつけたい2つのこと

手術を受けた猫

1.傷口を舐めたりいじったりさせない

私が勤務している動物病院では猫の避妊手術をはじめ一般的な手術の場合は自然と体内に溶ける吸収糸を使い、縫合部分が見えないようにする埋没縫合をしており、傷口が目立たないようにしています。

しかし病院によって縫合の仕方や糸の種類に違いがあり、縫合糸が自然と溶ける吸収糸なのか、あるいは溶けない非吸収糸によって抜糸の必要性が出てくるためお家で傷口の管理や猫の様子を気にしなければいけません。

特に猫の手術後で多いのが傷口を気にして舐めてしまうことです。私が勤務している病院のように抜糸をしない場合でも傷口を舐めてしまうとただれてしまったり、あるいは抜糸が必要な場合は傷口を舐めて糸をちぎってしまい傷口が開いてしまう恐れが出てきます。

通常は猫の手術後の管理等については獣医師から説明がされますのでちきんと確認しましょう。特に抜糸が必要な場合は縫合糸を舐めたりいじらないように首にエリザベスカラー、包帯や傷口を覆う腹帯などを使用すると良いです。

しかし神経質な性格の猫はそれ自体を嫌がって外そうとしたり、エリザベスカラーが邪魔でご飯が食べれないケースがあります。その際はご飯を食べる時は外したりなど工夫をし、猫の様子を伺いましょう。

2.食欲が戻らない場合は病院へ連れて行く

猫の去勢(避妊)手術をはじめ手術後およそ1〜2日間は元気がなかったり、食欲がなくご飯を食べないことがあります。手術の際の精神的ストレスや傷口の痛みや違和感により元気・食欲低下になりやすいです。

徐々に傷口の痛みがひいて調子が戻ってきますが、3日以上経っても元気がなく、食欲不振の状態が続いている場合は別の要素が関わっている可能性があります。

猫は全くご飯を食べていないと肝臓に脂肪が溜まってしまい肝リピドーシスを引き起こしてしまう恐れがあり嘔吐や下痢のほか、進行するとケイレン発作や意識障害など重い神経症状をおこす危険性があるため病院で受診してください。

猫の手術後に必要なケア

手術後のお世話をされる猫

食事管理

手術後、お家に帰ってからすぐに食事をあたえないようにします。麻酔の影響で消化管の働きが完全に戻るまで時間がかかるためご飯をあたえてしまうと嘔吐することがあります。

また病院でお預かりをし手術をおこなうので猫にとってとても精神的ストレスがかかっていますのでお家に帰宅後2〜3時間は何もあたえないことです。

その後特に調子の変化がなかったり、猫がご飯を欲しがっている様子があれば通常の1/2〜1/3くらいの量に減らし、 水も少量程度にあたえます。

手術後1〜2日間は猫に食欲がないことがありますので、その場合は無理にあたえず徐々に回復するまで待ちましょう。元気・食欲があったり回復した場合は少しずつご飯の量を増やし最終的にいつも量をあたえても大丈夫です。

激しい運動をさせない

手術は猫の体力を消耗するので手術後はぐったりします。また手術の内容にもよりますが避妊手術のようにお腹を開ける開腹手術などした場合や傷口が大きい場合は痛みがでやすいです。

オモチャで遊ばせて激しい運動や興奮させてしまうと傷口が開いてしまったり、腹痛や嘔吐してしまいます。手術後はなるべく興奮させないように安静にすることです。

傷口の管理

手術後傷口をしきりに舐めたりいじらないように猫を目の届く範囲においておきます。舐めすぎて傷口が腫れてしまったり、抜糸が必要な場合はいじり過ぎて縫合糸が取れて傷口が開いてしまう恐れがあるので首にエリザベスカラーをつけたり、腹帯などを巻く必要があります。

また傷口やその周囲の皮膚が赤くなっているか、腫れているかなど確認することも大事です。

猫の手術後の傷口を管理する方法

手術後の猫

手術後傷口を舐めたりいじらないように首にエリザベスカラーをつけたり、腹帯や絆創膏を貼るなどによって、傷口をいじることは防げます。

しかしそれによりストレスがかかったり、カラーが邪魔で視界が遮られてご飯が食べにくいなど日常生活に不都合が生じてしまい、元気や食欲が低下する要因にもなります。

また手術の際は術部を毛をバリカンで剃っていますが薄く毛が残っているので絆創膏などをつけてもすぐに取れてしまったり、中には傷口ではなく絆創膏が気になって剥がしてしまう子もいますので手術後は猫の性格に合わせてどのように傷口の保護、管理方法を変える必要があります。

猫に優しい手術後服「エリザベスウェア」

「カラーが邪魔で動きにくそう、ご飯が食べづらい」「絆創膏がすぐ剥がれたり気にして取ってしまう」「腹帯着せてもズレ落ちてしまう」など多くの飼い主さんの声を元に獣医師の知識や技術を踏まえて、術後服専用のエリザベスウェアが販売されました。

エリザベスウェアはタンクトップタイプの術後服で動きの妨げがなく、動いてもズレ落ちないように作られています。また猫の体格に応じてサイズがあったり、背中にマジックテープがあることによってどんな体型でも体にフィットすることができるので着てる感覚がなく、ストレスの軽減に高い期待があります。

その他にも生地が伸縮性や消臭・抗菌作用などがあるので傷口からのニオイやそれに伴う菌の増殖を抑える効果があったり、排泄時に邪魔にならないように清潔面でも考えて作られています。

まとめ

手術後に寝ている猫

猫のどんな手術でも必ずお迎えの際に獣医師から抜糸の有無や傷口の管理、食事についてなど説明がされます。しっかりと聞いて分からない点があればその都度質問することが大事です。

手術後は精神的なストレスや体力を消耗していますのでお家に帰った後にあとは安静にし目の届く範囲にいてあげてください。特に去勢(避妊)手術はほとんどの子が初めての手術になりますので手術後数日間は様子見るようにしてあげてください。

猫は神経質なところがあるので傷口を舐めたり、あるいは防護のためのエリザベスカラーや絆創膏などが違和感を感じることがあります。

傷口の管理も大事ですが猫にストレスをかけないようにすることも大切ですので性格に合わせて対策法を考えなければいけません。

最近販売した猫のエリザベスウェアを取り扱っている動物病院は多いと思いますので気軽に相談してください。

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