猫が高齢といわれる歳
猫の生後1年は人間でいう15歳、2年で24歳と人間の4倍の早さで年を重ねていきます。個体差はあるものの、7~11歳頃に老化の兆候が表れだす事も多く、猫の11歳は人間でいう60歳にあたるため、11歳以降を高齢、つまりシニア期としています。
猫:11歳 人間:60歳(還暦)
猫:15歳 人間:76歳(喜寿)
猫:18歳 人間:88歳(米寿)
猫:21歳 人間:100歳(百寿)
人間の年齢と照らし合わせると分かりやすいですね。つまり、まだまだ元気で子猫時代と変わらない性格の愛猫であっても、11歳を迎える頃には立派な高齢猫といえるのです。では猫が年を重ねる事でどのような変化が表れるのでしょうか。
高齢猫に訪れる変化
愛猫が高齢期(シニア期)を迎える事で少しずつですが様々な変化が訪れます。
- じっとしている時間が長くなる
- 食が細くなる
- グルーミングの回数が減少する
- 爪とぎの回数が減り爪が伸びがちに
- 色々な物に対しての興味が減る
更に15歳以上(人間でいう76歳以上)の高齢猫の場合は以下のような兆候が表れる事も。
- 口臭が強くなり、よだれが増える
- 毛に艶がなくなる
- 目ヤニや汚れが目立つ
- 視力や聴力、筋力が衰える
- フラついたり、足を踏み外したりする
- 夜鳴きが増える
- 粗相をする
しかし猫も人間同様、加齢とともに様々なトラブルが起こるのは仕方がない事です。愛猫の年齢をしっかり理解し、11歳を迎える頃には愛猫に一日でも長く健康で暮らしてもらうためのご長寿術を日頃の生活に取り入れていきましょう!
高齢猫のご長寿術
近年では猫の平均寿命も伸び、20歳前後の寿命を全うする猫ちゃんも多くいます。健康に良いフードや猫用サプリメントを用いて、猫の健康状態をきっちりと管理するのも大切なご長寿術なのですが、この記事ではその他のご長寿術に注目してご紹介したいと思います。
愛猫のお気に入りは捨てない
愛猫のお気に入りの毛布やおもちゃ、キャットタワーなど、つい新しくてキレイな物を使って欲しいと思いがちですが、長年愛用しているお気に入りグッズは愛猫にとって精神安定剤のような役割でもあります。日頃からお手入れをする等して、なるべくお気に入りのおもちゃは捨てないであげてくださいね!
遊びに誘う
猫も加齢とともに家の中を駆け回って遊ぶ事が減ってしまいます。身体に負担を掛けない程度に毎日遊ぶ時間を作る事で、筋力や脳の衰えを防ぎましょう。猫専用の知育おもちゃもおすすめです。
家の中の段差を減らす
高齢猫は一度怪我をしてしまうと治りが遅くなる事も多く動けずにいる期間が伸びる程、他の機能も衰退してしまい、思いもよらぬ弊害を引き起こす可能性もあります。今まで簡単に昇り降りしていた段差も足を踏み外してしまう可能性もありますので、なるべく段差を減らしてあげると安心です。
毎日のお手入れ
高齢猫に訪れる変化でお話したように、高齢猫はグルーミングの回数が減少する事によって、毛に艶がなくなったり、目ヤニやよだれが増えたりと汚れが目立ってしまう事があります。猫は本来とてもキレイ好きな生き物ですから、その様な状態にストレスを感じてしまう事も。毎日のブラッシングや濡れタオル、ガーゼ等で優しく汚れを拭きとる等のケアを行いましょう。
毎日のボディチェック
お手入れと一緒に愛猫のストレスにならない程度のボディチェックを行いましょう。触ると嫌がる場所や、できもの、抜け毛等、些細な異変にいち早く気付く事ができるかもしれません。
上記に共通するのは「愛猫のストレスを無くすこと」ですね。20歳近いご長寿猫ちゃんの飼い主さんは、愛猫の長生きの秘訣として「猫が自由気ままに、安心して暮らせる場所を作ることが大切だ」と口を揃えて仰います。
もちろん食事管理やワクチン接種、高齢猫の場合は半年に1度の健康診断もとても大切な事です。猫の20歳というと、人間にとっての100歳(百寿)、ご長寿術を上手く取り入れて愛猫の百寿祝いを目指しましょう!
まとめ
人間同様、愛猫にとってもストレスは大敵!ご長寿猫の飼い主さんの中には、ご長寿の秘訣として「多頭飼い」をおすすめしている方もいらっしゃいました。若い猫と暮らす事で様々な刺激があり、いつまでも若々しくいられるのだとか。このお話を聞いた時、猫も人間も同じ部分が多いのかもしれないと感じました。医療的なケアはもちろんですが、飼い主にできる事は「猫が安心して暮らせる家」を作る事なのかもしれませんね。