猫を去勢する費用と手術における注意点

猫を去勢する費用と手術における注意点

猫の去勢手術、どうしようかな…と悩む飼い主さんは多いのではないでしょうか?費用の面はもちろん、手術をすることによる愛猫への影響も気にかかりますよね。結局、愛猫に去勢手術をするか否かは、飼い主さんの判断となります。最適な決断をするために必要なコト、お伝えします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の去勢費用について

子猫と電卓

猫の去勢費用は、病院によって異なります。目安として1万円〜2万円程度ですが、平均で15,000円程度のようです。この他に薬代などが別途でかかることもあります。事前に確認をしておきましょう。

また、地域によっては猫の去勢に助成金が出ることもあります。大抵は数が限られていますので、先着順や抽選の場合があります。手術の際、こちらも併せて確認してみると良いでしょう。必ず助成金が貰える訳ではないので、貰えたらラッキーですね!

猫の去勢費用以外の問題

檻の中の子猫

ここで、猫の去勢手術について、費用以外の問題を詳しくみていきましょう。

去勢手術をする理由

健康な猫の体にメスを入れてまで、なぜ去勢手術をするのでしょうか?それはまず、不幸な子猫を増やさないことが挙げられます。猫は1回の出産で2〜5匹程度、場合によってはもっと多くの子猫を産みます。メス猫は生後半年位から、オス猫も1歳になる前から交尾・出産ができるようになります。だから、初めはたった2匹のオスメスだったとしても、爆発的な数で増えていくことが分かります。産まれた子猫を全て人間が飼うことができれば問題ありませんが、何百匹にも膨れ上がった猫たちを、一人の人が飼い続けることは不可能です。すると、結局産まれた猫たちは里親を見つけきれず、殺処分の対象となってしまうのです。

オス猫は自分の縄張りを主張するため、スプレーという非常にニオイの強い尿をします。それが外だろうが家の中だろうが、おかまいなしです。スプレーのニオイや汚れに困った飼い主さんが、猫を手放すという話はよくあります。さらに、メスが発情期を迎えると、オス猫はメスを求めて家の外に出たり、他のオス猫とケンカをしてケガを負ったりすることがあります。外に出ることで、事故に遭う、病気を貰う可能性があるのです。

去勢手術をすることで、不幸になる子猫を増やさないようにできますし、スプレーやケガ、事故などを防ぐことができます。また、去勢手術をして性衝動がなくなったオス猫は、ストレスを感じずに済むとも言われています。交配させる予定があるのなら別ですが、そうでない場合、特に完全室内飼いのオス猫は、外に出れないことでストレスを感じています。それを防ぐことができるのも、去勢手術のメリットとされています。

去勢手術の注意点

猫に去勢手術をするのは、費用だけが問題ではないのです。
去勢手術をすることで良いこともあれば、悪いこともあります。去勢手術の注意点は、手術の際の全身麻酔です。麻酔が覚めないことはあまりないとは言われていますが、ゼロではありません。また去勢後は太りやすくなる傾向にありますので、体重管理には充分気をつかう必要があります。

他にも、犬の場合ですが、1歳未満で手術を行った場合、骨肉腫のリスクが増えたり、甲状腺機能低下症、前立腺がん、尿路がん、心臓の血管肉腫のリスクが増えたりするという話もあります。これは、アメリカにある大学が発表したものなのですが、米国獣医師会も認めているようです。

しかし、リスクが増えますがそれ以上に去勢を行わない結果発症してしまう精巣腫瘍や前立腺肥大・前立腺がん、肛門周囲腺腫、肛門腺癌などの発症のリスクのほうが高くなりますので、その点も踏まえ去勢手術を行うかは決定したほうがよいでしょう。 猫に対しての発表は確認できませんでした。

まとめ

聴診器を当てられる猫

猫の去勢費用は、手術費用のみで平均15,000円程度となりますが、重要なのは金額ではなく、猫にもたらす影響です。去勢手術を行うことで、オス猫のストレスや問題行動を減らし、望まない繁殖を避けることができます。反対に、人間には過ごしやすくなる一方で、猫は肥満や病気のリスクが増えるとなると、良く考えなければいけませんね。

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