猫の睡眠のメカニズム
猫は昔から「寝子」と言われるぐらいよく眠る動物です。猫は大人の猫でだいたい14時間~16時間も睡眠を取るとされ、子猫に至っては20時間近くも寝ていることもあるようです。
ではなぜこんなにも猫が長く眠るのかというと、厳しい野性の世界で狩りの成功率をアップさせたり、他の猫との縄張り争いに勝利するには、長めの睡眠でエネルギーをたくさん蓄えておくことが必要だからです。つまり猫がよく眠るのは元々備わった生き抜くための本能と言えるのです。
浅い眠りが多い
また、猫は一日の中でノンレム睡眠と言われる浅い眠りの時が非常に多く、その反対のレム睡眠の深い眠りになっている状態はとても少ないとされます。これも野性の頃の本能の名残であり、あまり深く眠ってしまうと敵に襲われた際に瞬時に反応できないため、浅い眠りの時が多いとされています。
ただ飼い猫の場合はこのような警戒心も薄れるため、深い眠りの時間も多くなり、質の良い睡眠を取ることは猫の寿命を長くすることにも繋がると言われているのです。
眩しさに注意しよう
猫を夜行性動物だと思う人も多いようですが、実は正しくは薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)であり、このような生き物達は明け方や夕方など真っ暗な時間ではなく、薄暗い時間に活発に動き出すのが特徴です。このようなことから猫も飼い主さんと同じリズムで睡眠を取ることができ、同じ寝具や部屋で眠るということもあるようです。
そんな時に気をつけたいのが人間の感覚では気づきにくい、猫の睡眠時の敏感さです。たとえば猫は非常に光に敏感ですから、人間が慣れている人工の明かりなどでも眠りに影響していることがあるのです。猫は光などが眩しいと、手で顔を覆うようなしぐさをすることもあります。
このように、猫の眠りの質を高める一つのポイントとしては、一緒に寝ている部屋の明るさに気をつけるということが挙げられるのです。
室温に注意する
猫は非常に寒がりかつ暑がりです。人間でも暑さで寝苦しかったり、寒すぎたりすることは睡眠の質を低下させますがこれは猫にも言えることです。
気温と猫の寝姿について研究したドイツの動物学者によると、猫は13℃以下の寒い時は体を丸めて眠り、気温が21℃以上になると暑がって体を伸ばして眠るのだそうです。
このように、猫の睡眠の質は一緒に寝ている部屋の室温によって変わりますので、できる限り快適な気温で眠れるようにしてあげたいものです。
音や触覚の敏感さに注意
猫は人間以上に聴覚が発達していますから、たとえそれが人間にとっては小さな音であっても、とてもうるさく聞こえている可能性もあります。飼い主さんが心地良く眠るために流している音楽なども、実は猫には眠りを妨げる原因となっているかもしれません。
また、他にも猫は飼われることで警戒心が和らいだとはいっても、野性の本能を残していますので、睡眠中に触られることは非常に不快に感じる可能性があります。眠っている猫は可愛いですからつい撫でたりしたくなりますが、触覚についても猫は敏感なので、眠っている時はそっとしておいてあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?猫は野性下では常に緊張を強いられる状態にいますから、飼い猫になり安心できる環境に置かれることはそれだけで良い眠りをもたらす環境と言えます。
ただ、明るさや音、室温などに気をつけてあげるとさらによく眠れるようになり、猫が長生きしてくれることにも繋がってくるのでしょう。