猫に漢方薬を使ってもいいの?注意点や飲ませ方

猫に漢方薬を使ってもいいの?注意点や飲ませ方

漢方薬は人間の医療でも使用されており、自然の原料から作られているので副作用が少なく、西洋医学では効果がなかった症例に対して漢方薬を使用したことで改善されたことから、最近では猫に対しても漢方薬を取り入れた動物病院が増えてきています。中には気になっていた飼い主さんも少なくないと思います。実際に猫に漢方薬を飲ませて問題はないのでしょうか。また猫に漢方薬を飲ませることで、どのような効果が得られるのか、注意点も踏まえて詳しくお話ししたいと思います

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猫の病気の治療には漢方薬が効果的?

様々な種類の漢方

西洋医学では一般的に血液検査やレントゲン検査などをおこない、その原因や病気に対して薬を処方するなど治療がメインとなります。

例えば高齢猫に多い慢性腎不全では人間のように人工透析をすることが難しいため、主に点滴による治療がメインとなります。しかしあくまでも対症療法となるため次第に腎臓機能が低下していくので、少しでも僅かに残っている腎臓機能をサポートする目的で漢方薬を使うことがあります。

最近では慢性腎不全など西洋医学では完治することが難しい病気や、症状によって苦しんでいる猫ちゃんに対して漢方薬を使用する動物病院も徐々に増えてきています。

私たち人間でも病気や症状によっては西洋医学では治療が難しい場合には、漢方薬を併用しておこなうことがあります。

漢方薬で猫の病気は完治するの?

カーペットの上で横になっている猫

漢方薬を処方する動物病院が増えるにつれ、様々な意見がありますが、漢方薬を使ったからといって病気が完治することはありませが、漢方薬は猫に対しても効果があるといわれています。

一般的な治療では病気に対してダイレクトにアプローチしますが、漢方は猫自身の免疫アップさせて改善できるようにサポートする治療法となります。

猫の死因第一位である腎不全は現在の獣医療では完治することもできず、治療法も限りがあります。腎不全は高血圧に伴い網膜剥離や瞳孔不同などの原因にもなる場合があります。

漢方薬を使うことで機能が失われた腎臓がよくなることはありませんが、少しでも腎不全の悪化予防の目的で漢方薬を使用することもあります。

漢方薬と西洋医学を組み合わせて使うのが主流

猫に注射をする男性獣医師

漢方薬はカッコンやオウゴン、ニンジン、ハッカ、カミツレなど様々な生薬や、シベリア霊芝などのキノコ類などを組み合わせたもので病気や症状に対してのストレスや元気がないなど、心理的なサポートに対して使います。

そのため漢方薬はあくまでも治療のサポート役となるため、基本的には西洋医学の治療と組み合わせておこなうことが主流となります。

ですが症状によっては西洋医学では改善が見られなかった症例に対して、漢方薬を使用したことで良くなったケースもありますし、私たち人間と同様に猫も漢方薬を使うことで体質改善やQOLの維持、向上に効果があることから、今度の治療プランを相談するとよいでしょう。

漢方薬が使われる主な病気について

病院で診察を受けている猫

漢方薬は症状や病気などに合わせて処方されることが多く、主に「てんかん」「癌」「口内炎」「慢性腎不全」「皮膚疾患」などがあげられます。

てんかん

てんかんは発作的に繰り返す全身性または部分的にケイレンや意識障害を起こす脳の疾患です。いきなり体を口から泡やヨダレが出て倒れる全身性の発作や、四肢や顔などの一部にケイレンを起こす部分発作があります。

場合によっては四肢をバタバタさせる遊泳運動や完全に意識が消失し、失禁することもあります。発作中は一時的に意識が失いますが、数秒〜数分でおさまります。ですが重度では何度も立て続けに発作が起きたり、重責発作を起こす場合があります。

一般的に抗てんかん薬のよる治療となりますが、漢方の医学ではてんかんは肝臓の病気と考えられています。肝臓は自律神経の機能に携わるため、整える目的で漢方薬を使用することがあるそうです。

慢性腎不全

慢性腎不全は少しずつ腎臓機能が低下していく病気で、15才以上の高齢猫のおよそ3頭に1頭の割合で発症するといわれています。

通常、腎臓は体内の血液中の老廃物を濾過し、排出する大事な役割があります。しかし腎臓機能が悪くなると老廃物を濾過することができず、老廃物の蓄積により様々な障害が起きるようになります。末期状態の尿毒症になるとケイレン発作などが起き、命を落とすこともあります。

失われた腎臓の機能は元に戻ることはできないため、いかに早い段階で漢方薬による治療を取り入れた対策や予防が大事といわれています。多くが低タンパク質の腎臓食を選択しますが、腎不全により貧血傾向になるため血をつくる目的で漢方を取り入れることもあります。

下痢

下痢とは便の水分量が多い状態のことを指します。通常であれば便の水分量が70%程ですが80%超えると水様便や、柔らかい軟便、血が混じる血便の症状があります。

下痢の原因としてはパルボウイルスなどのウイルス性や、細菌性、寄生虫性などの感染によるものや、食事による消化不良や食物アレルギー、また異物誤飲やストレスなど様々な原因があげられます。

一般的な治療では主に抗生剤や整腸剤を使用しますが、漢方薬を使用することで下痢がおさまることもあります。

癌(悪性腫瘍)

猫も獣医療の進歩により寿命が伸びたことにより、癌の発症率があがり猫の死因上位にあります。乳腺腫瘍や肺腫瘍、悪性リンパ腫、血管肉腫などがあげられ、猫の場合は腫瘍の約8割程が悪性といわれています。

そのため免疫をつけたりQOLの向上や、癌に伴う痛みやストレスを緩和する目的で漢方薬を使用することがあります。

実際に漢方薬を使用したことで食欲が出てきたり、余計宣告より長く生きることができたという声もあります。そのため漢方薬で癌を治すことではなく、いかに癌とともに長く元気に生涯を全うするかが大切になります。

難治性の口内炎

私たち人間と同じように猫も口内炎になることがあります。多くが猫カゼの原因といわれている猫カリシウイルスや猫ウイルス性鼻気管炎ウイルスなどの感染症です。

また猫免疫不全ウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症、糖尿病などによる免疫低下によるものや、歯周病による口腔内トラブルにより口内炎を発症することがあります。

原因や症状の度合いによりますが一般的には抗生剤やインターフェロン、ステロイド剤などを使用します。

しかし猫の口内炎のほとんどが難治性で完治できなかったり、薬によっては副作用が生じることがあります。特に高齢になると様々な不調が起きるため漢方薬を取り入れる治療方法もあります。

実際に漢方薬を飲ませたことで化膿による出血量が減ったり、口腔内周りがベトベトしなくなり綺麗になったと効果がある声があります。

皮膚疾患

皮膚が痒がったり毛が抜ける、カサブタがある、被毛や皮膚がベタベタするなど皮膚トラブルが起きることがあり、ノミやハウスダストなどのアレルギーや、真菌症やストレスなどでも発症することがあります。

原因や症状によりますが免疫力の低下や、腸内環境の悪化などが皮膚トラブルを引き起こすと考えられており、漢方薬を使用し免疫力を上げたことで症状が改善したケースがあります。

猫の漢方薬はどこで処方してもらえるの?値段は?

薬局で患者に対応する薬剤師

猫に飲ませる漢方薬は病気や症状などによりますが、漢方薬局で処方してもらえる場合があります。ですが最近では動物病院でも病気による痛みや苦痛の緩和や、ストレスなどを少しでも軽減させるために漢方薬を処方したり、相談にのってくれるので獣医師に聞いてみるといいでしょう。

漢方薬と聞くと粉のイメージがあると思いますが、錠剤タイプの漢方薬もありますので、猫が飲みやすい形状の漢方薬を選ぶとよいでしょう。

処方する漢方薬によりますが1ヶ月にかかる値段はおよそ5000円程のようです。症状や処方する漢方薬によっては、一般的な動物病院で処方する薬より安くおさえることができたり、副作用の心配がないといったメリットもあります。

また犬や猫のペットに対しての漢方薬を販売しているところもありますが、必ず使用の際には獣医師の診断の上、処方してください。

猫に漢方を飲ませる上手な方法

シリンジで薬を飲まされている猫

漢方薬は私たち人間でもとても苦いので、猫でも嫌がったりなかなか飲ませてくれないケースが多いようです。猫に漢方薬を投薬する場合、どのような方法で飲ませたらいいのでしょうか。

いつも食べているフードやおやつに混ぜる

一番すぐにできる方法としては、いつも食べているフードに漢方薬を混ぜて与えることです。特に猫が好きなおやつに混ぜてみるなど、好きなものに一緒に与えてみるといいかもしれません。

しかし混ぜて与えてしまうと一回で全部食べきることができなかったり、漢方の苦味で食べてくれないと、しっかり服用できず漢方の効果を発揮することができないため、少量のフードに漢方薬を混ぜたものを与え、それを全部食べでくれたらいつもの量のフードを与えることで確実に漢方薬を飲んだことが分かります。

カプセルに入れて投薬する

フードやおやつに混ぜたり、ミルクやお湯で溶かす飲ませ方もありますが、どうしても漢方の苦味で食べなかったり、飲んでくれない場合が多いかと思います。

人間の場合も苦い薬に対してオブラートで包んで飲ませる方法があるように、猫の場合も投薬用の空のカプセルに漢方薬を入れて飲ませる方法があります。

オブラートでは口が小さい猫では喉に引っかかる恐れがあるため、カプセルを用いた投薬の方がスムーズに飲ませることができます。

愛猫に合った治療プランを考えてみましょう

男性獣医師と猫を抱いた女性の飼い主

ほとんどの動物病院では一般的に病気や症状に応じた治療をおこなう西洋医学となりますが、免疫力を高めたりQOLの維持、向上などを目的とした漢方薬による治療も猫も効果があるといわれています。

特に高齢猫に多い慢性腎不全や悪性の癌など完治することが難しい病気や原因不明の皮膚病、難治性の口内炎など、痛みや苦しんでいる猫ちゃんに対して漢方薬による治療を取り入れている動物病院も増えてきています。

病気や症状にとっては高額な治療費となったり、薬による副作用が生じる場合もあり、漢方薬による治療をおこなったら症状が改善されたとの声も多数あげられています。

獣医師は治療プランを提案しますが、それを実行するかどうか決めるのは飼い主さん自身になります。もし大事なパートナーである愛猫のために漢方薬を使用してみたいという場合は、しっかりと獣医師と相談して悔いのない選択をしていただければと思います。

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