猫の去勢におけるメリットとデメリットとは

猫の去勢におけるメリットとデメリットとは

近年猫ブームの影響もあり、猫を飼う人が増えました。今では猫の健康管理に気をつかう人が多くおり、猫を病院に連れていく事が当たり前な世の中になってきました。そこで、去勢のメリット、デメリットについて知っていただいき、より多くの猫達の命が救われ、人との共存ができる環境が整っていけばいいと思います。また、猫に対するイメージがより良い形となるように願っています。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の去勢についてのメリットとデメリット

尻尾をピンと立てる猫

去勢とは、雄猫(♂)の精巣をとり繁殖をできなくする手術のことです。それでは、去勢のメリット、デメリットを見てみましょう。

メリット

  • 精巣腫瘍の予防
  • 前立腺疾患の発生リスクを下げる。前立腺疾患は基本的に悪性のものが多い。
  • 雄独特の行動(スプレーやマーキング行動、攻撃性など)が抑えられる

デメリット

  • 一生繁殖できない
  • 肥満になりやすい為、食事のコントロールが必要になる
  • 麻酔のリスク(死亡事故など)があり、年齢が高齢になればなるほど高くなる

現在日本では、野良猫の数を増やさない、命を守り人と共存していく為に避妊・去勢を行う活動、「地域猫活動Trap Neuter Release/Return(TNRと呼ぶ)」が行われています。

そして、避妊や去勢を行った地域猫は基本的には片方の耳をカット(V字型)をして目印として残し、元の保護された場所に返されるか、保護団体に保護されるなどされています。(保護した猫を地域に返さず保護した方が責任をもって生涯飼う場合は耳のカットは行いません。)

猫の去勢手術の所要時間と費用

エリザベスカラーを付ける猫

去勢手術は基本的に30分くらいで終わって、日帰りのことが多いようです。
費用については調べてみたところ、去勢手術だと1万円から3万円、避妊手術では2万円から5万円が相場でした。
手術前の血液検査の有無など病院によって違いますので、費用を確認しておく事をおすすめします。

病院によって当日の注意事項がある場合もありますので、手術を受ける際はしっかり説明を聞いておきましょう。

まとめ

猫と飼い主

近年では、避妊・去勢についての考え方は理解されてきているように感じますが、それでもまだ完全とは言えないので、将来子供を産ませないのであれば積極的に考えてほしいと思います。

そして、大切な家族の命を守り、家族と過ごせる時間を有意義なものにする為に、防げた病気になって去勢をしておけばよかったと後悔しなくていいように理解するだけでなく、早い段階で行動に移していけるかがキーポイントであると考えます。

また、安易な考えで野良猫を保護してしまい、気づいたら数が増え過ぎて飼えなくなる多頭飼育崩壊と言われる問題がありますが、この問題も野良猫を保護した段階で、避妊・去勢を行えば数が増えすぎるという問題は減少していくのではないかと思います。そして、数がふえなければ殺処分の数も減少していく事につながるのではないでしょうか。

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