猫にも乳がんってあるの?
乳腺にできる腫瘍のうち悪性のものを乳がんと呼びます。乳がんは人や犬の病気と思われている飼い主さんも多いかと思いますが、実は猫にも乳がんは意外と多くあるんです。
犬の乳腺腫瘍では約半数が良性と言われていますが、猫では全体の80〜90%が悪性腫瘍で転移率も高いです。
また、猫で発生する悪性腫瘍としてリンパ腫が有名ですが、最新の統計では乳腺がんはリンパ腫よりも多く、発生第一位です。
乳がんはどんな猫に多いの?
平均発生年齢は10〜14歳と言われており、中・高年齢での発生が多いです。乳腺の腫瘍なのでやはりメス猫に多いのですが、ごく稀にオス猫でも発生するようなのでオスだから関係ないと思わないでください。
またホルモンバランスが発生に関わっていると言われており、早期の避妊手術で発生率を下げることができると考えられています。
特に生後6ヶ月以内に避妊手術を行うと発生率はかなり低下するのですが、その後月齢が経つにつれて効果は薄くなり24ヶ月以降の避妊手術では乳がんの発生を抑える効果はありません。
猫のキャットリボン運動って?
できれば罹りたくない乳がん、実際に普段のお家からできることはあるのでしょうか?
そこで『獣医師と飼い主さんが連携すればもっとたくさんの猫ちゃんを救うことができる』という理念のもと始まったのがキャットリボン運動です。
この運動では獣医師の治療法普及だけではなく、飼い主さんに正しい知識を広めてお家でできるセルフチェックを勧めています。
お家で猫ちゃんをセルフチェックしよう
乳がんの治療は早期発見・早期治療が肝心になってきます。
乳腺はお腹の左右に一列ずつありリンパ管でつながっています、そこにそれぞれ乳首が4つずつ計8つあります。お家で普段のスキンシップがてら乳首の周りや脇の下から足の付け根までしっかり触ってしこりができていないかチェックしましょう。
しこりがなければ問題ないのですが、あった場合はその大きさが重要になってきます。
3cmより大きければ生存期間中央値が6ヶ月となかなか厳しいですが、2〜3cmでは24ヶ月、2cmより小さければ36ヶ月と発見時のサイズによって予後が大きく変わってきます。
ですので、この運動では日々のセルフチェックで2cm以下の段階で発見することを目標としており、猫のストレスにならないように月に一回程度はよく触って確認してあげてください。
まとめ
2019年9月1日から始まったキャットリボン運動。
乳がんは人や犬だけでなく猫にもあり得る病気なのです。
この運動では獣医師と飼い主さんが連携し猫の乳がんについての知識を広めて、お家でできるセルフチェックにより可能な限り早期に発見し早期治療することをすすめています。
猫のストレスにならないように月に一回程度はしっかり触ってしこりができていないかよく確認してあげてください。