猫にチュールは危険なの?含まれる成分や上手な与え方を紹介!

猫にチュールは危険なの?含まれる成分や上手な与え方を紹介!

猫が大好きなおやつと言えば「チュール」ですね。愛猫家の中にはチュールについて、安全面を気にされる方もおられるようです。そこで、チュールの成分や安全性などの詳細をご紹介していきたいと思います。

猫にチュールが危険と言われる理由

おやつを舐める猫

チュールは猫にとって危険だと言われてしまうことがあります。実際には安全性の高いおやつなので、心配する必要はありません。

とは言え、猫を飼う方にとって「危険」だと言われる理由は気になるところですね。そこで、まずはその理由について記載しておきます。

依存性が強く食べすぎてしまう

チュールは大半の猫が夢中になって食べるおやつです。猫の中には主食になるフードを食べずにチュールばかりを要求してしまう子も…。

食べることにうるさい猫が目の色を変えて食べ、頻繁におねだりをする姿を見ると「依存性が強すぎる」と感じる方がいるようです。我が家でもチュールをあげることはありますが、大喜びをする子は確かに多いと思います。

中毒性がある成分が含まれているという話があった

チュールには「マタタビ」のような、猫が中毒的な依存をする成分が入っているのではないかと思われることがあるようです。チュールは海外でも販売されているのですが、別名で「猫用コカイン」とも呼ばれています。

嗜好性が強いが故にそう言われてしまうのでしょうが、マタタビや体に危険となるような中毒性がある成分は含まれていませんので、安心してくださいね。

塩分が多いと噂されていた

SNSでは「ちゅーるにはナトリウム(塩分)が多く含まれている」という内容のものが拡散されていました。ネットで拡散された情報はあっという間に世間に広がり「チュールは猫に危険なおやつ」という噂が流れてしまったのでしょう。

ところが、ナトリウムを添加しているわけではなく、原料由来の塩分がわずかに入っているだけなので塩分量は多くありません。

チュールの塩分量は1本につき0. 07gほど。猫の1日のナトリウム摂取量の上限値は摂取カロリー1kcalあたり3.1mgです。

一般的な成猫の1日当たりの摂取カロリーは平均400kcalほどなので、上限は1日に3gということになります。このことからも、チュールの塩分量が多いわけでないことは明らかですね。

ただし、腎臓に問題がある子はごく少量の塩分でも尿路疾患が出やすくなるため、注意が必要になります。

下痢をしやすい

チュールを食べると軟便になったり、下痢をしてしまう猫がいます。特に、まだあまりチュールを食べたことがない猫や、子猫の他、量を食べ過ぎてしまった時などに起こるトラブルです。

これはチュールには水分や油分が多く含まれている他、オリゴ糖も入っていることが原因だと思われます。猫は胃腸が敏感な動物ですので、些細なことでもお腹を下しやすい体質の子が多いですね。

もしもチュールをあげてお腹が緩くなったり、下痢をしてしまった場合には量を見ながら緩くならない範囲であげるようにしましょう。

嘔吐をする場合がある

「チュールを与えたら嘔吐してしまった」とお話をされる方もいます。チュール1本あたりの油分は、主食になるフードに比べると結構多めに入っているため、胃腸が刺激されて嘔吐につながっているのかもしれません。

嘔吐してしまったというお話をされる方は、投与量が多すぎるか、体質的に油分などの成分が合っていない可能性があります。この場合は、チュールは与えないほうが良いですね。

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チュールは安全?どんな成分が含まれている?

ちゅーるを舐める猫

チュールはおやつとして与える分には心配のない食品です。ここでは、具体的にどんな成分が含まれているかについて解説していきたいと思います。

チュールにはなんと80種類もの味があります。類によって原料に違いはありますが、主に含まれている成分を記載しておきます。

主原料

マグロやカツオ、ササミなどの動物性たんぱく質。成分表にはこの他に「〇〇(主原料名:マグロ・カツオなど)エキス」というものも記載されています。主原料エキスは香りや風味を倍増させるために添加されている天然成分です。

タンパク加水分解物

タンパク加水分解物は、植物性や動物性のたんぱく質を原料に、酸や酵素などで加水分解して作られるアミノ酸系うまみ成分になります。

タンパク加水分解物は、国際的な規格(コーデックス規格)が設けられており、必ずそこを通過したものを使うため、安全性が確立されています。

オリゴ糖

オリゴ糖の性質は、消化しにくく吸収が遅いため、成分が大腸まで到達するところにあります。オリゴ糖の成分は、大腸にいる腸内細菌のエサになります。

栄養を摂った腸内細菌が活性化し、腸内の蠕動運動(ぜんどううんどう)が促進されることで、整腸作用を得られると言われています。

植物性油脂

植物性油脂とは「サラダ油」や「コーン油」「オリーブオイル」など、植物由来の油の総称です。食用植物性油脂にはJAS(日本農林規格)によって品質基準が定められています。

一部では「植物性油脂は危険である」という話も聞きますが、安全に問題はないので過剰摂取をしなければ心配いりません。なお、チュールに使われている植物性油脂の具体的な種類は記載がないため分かりませんでした。

増粘剤(加工でん粉)

加工でん粉は食品添加物で、でん粉を加工して粘度を高くしたものになります。チュール特有のトロミを作っている材料ですね。

食品添加物と聞くと安全性を疑問視する方もおられますが、EUの食品安全機関が安全性を保障しています。…とは言え、猫についてはまだ研究段階だそうなのでどの程度の影響があるかは断言できないところがあるのも事実です。

他添加物

チュールには上記成分の他、増粘多糖類や化学調味料、ビタミンEなどの添加物が入っています。いずれの添加物も健康を害する成分は含まれていませんでした。

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猫にチュールを与えるメリット

あごを撫でられる猫

チュールは猫が喜ぶことから、おやつとして与えるだけでなく他の活用法もあります。神経質なところがある猫ならではのオススメの活用法をご紹介しておきますね。

あまり水を飲まない猫の水分補給として

病気や緊張状態など、強いストレスを感じた時、猫は水分を取らないことがあります。そのような時には、水分補給にチュールを与えると良いでしょう。

実はチュールはその成分の90%以上が水分でできているのです。嗜好性が強いチュールなら、大半の猫が食べてくれると思いますよ。

薬を飲ませるときに混ぜて与える

猫に薬をあげる時、どうやっても飲んでくれなくて困るという方は多いですよね。

投薬のための補助商品は色々ありますが、チュールも投薬の強い味方になってくれます。チュールには、薬効を阻害する成分は入っていないので気にせず使用できます。

ちなみに特に薬をあげることに特化した「投薬用ちゅーる」という商品も販売されています。こちらは、錠剤を包み込めるように粘度の高いチュールになっているので、薬に苦味が強かったり、癖があって飲みにくいときにオススメです。

投薬用のチュールが売っていない場合でも、愛猫のお気に入りの味のチュールであれば代用できる場合があるので、試してみてください。

なお、チュールを投薬に使う時には、あらかじめ獣医師に薬の苦味や癖などを確認しておくとよいでしょう。

スキンシップとして使う

新しく家族として猫を迎えたばかりの時や、大きく環境が変わった時など猫が警戒してしまっている場合、スキンシップを取ることが難しくなる子もいると思います。

警戒心が強い子との距離を縮めるのにもチュールは役立ちます。猫も人と同じで美味しいものを食べることで緊張がほぐれ、満たされた気持ちになるのです。

撫でられることを怖がる子でも、チュールをあげながら少しずつ距離を縮めていくと「この人の手は好き」と意識するようになり、手を受け入れるようになります。

ただし、スキンシップのためだからと与えすぎでしまわないように気を付けてください。

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チュールの上手な与え方

スプーンを見つめる猫

チュールはあくまで猫用のおやつ、補助食品です。与え方について正しく理解しておくと良いですね。

1日に必要なエネルギー量を超えないように与える

猫の1日のおやつの限度は「総エネルギー量の20%以内」とされています。

チュールのカロリー1本あたりおよそ7キロカロリーとはさほど高いわけではありませんが、カロリーオーバーにならないようにしましょう。※チュールを製造している「いなばペットフード株式会社」では1日の上限を4本までと指定しています。

特別なご褒美として与える

チュールは依存性が強いので、与えすぎることで他のおやつや主食であるフードを食べなくなってしまうことがあります。ですので、実際には毎日本数を決めてあげるというよりは、留守番や通院の後など、ご褒美として不定期に与えるようにしたほうが良いかもしれませんね。

まとめ

ちゅーるを手で押さえて舐める猫

チュールはペットフード安全法を遵守している、安全性が確立された猫用おやつです。

猫が喜ぶ最大の理由は「タンパク加水分解物」のうまみ成分と独自のトロミ食感にあると言えます。安全面での心配はありませんが、あまりの美味しさから依存性が出てしまうこともあるため、与え方には注意が必要です。

ちょっと特別な時のご褒美や、スキンシップを取りたい時、通院後などで水分を補給させてあげたい時など、あげる間隔が不定期になるようにした方が良いかもしれませんね。

あくまでも「おやつ」であることを忘れずに、正しい量を守ってあげてください。

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