猫がキャットフードを食べない!食べてもらうための工夫と注意点とは?

猫がキャットフードを食べない!食べてもらうための工夫と注意点とは?

多くの種類のキャットフードが販売されていて、飼い主にとっては何を選ぶか悩むところです。しかし猫の場合は味が変わるとなかなか食べてくれない子がいたり、かと思えば同じものばかり与えていると飽きて食欲が減ることがあったりもします。食べてもらうために一工夫したいところですも、猫の食べ物には注意しなければいけないことがあり、適切な知識を持っていなければいけません。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫の食欲が減ってしまう理由

キャットフードを食べようとする猫

猫を飼っているとご飯をよく食べてくれる時と、少し食べただけですぐに食べるのを止めてしまう時があることに気付きくことがあるでしょう。食欲旺盛であれば肥満が気になり、あまり食べてくれない場合は不安を感じてしまいます。猫の食欲が減退してしまう理由には、どのようなものがあるのでしょうか。

①ご飯の状態が良くない

猫のキャットフードで市販されているのはドライタイプかウェットタイプですが、ドライタイプなのに湿度を含んでいたり、ウェットタイプなのに乾いて固くなっていると食べてくれない場合があります。

これは味そのものというよりも、普段食べなれている状態と違っているため、「何だか違うな」という感覚を持ってしまうからです。新鮮なものを好む猫にとって、時間が経ってしまったフードは魅力的ではありません。もちろん味にも変化が生じていることもあるでしょう。

②味に飽きてしまった

猫にも人間と同じように味蕾という器官が舌にあり、感じ方は人間と少し違いますが食べ物の味を感じています。ずっと同じキャットフードばかり与えているとその味に飽きてしまう猫もいるようです。また年齢によって味の好みが変化することもあるため、いつまでも同じ味では受け付けなくなる場合もあります。

これには季節も関係していることがあるらしく、夏場と冬場で味の好みが変わる猫もいるようです。

③病気などによる体調不良

人間でも体調が悪ければ食欲が減退するように、猫も体の調子が悪い時にはどうしても食べる量が減ってしまいます。ただ猫の場合は少しくらい体調が悪くなっても外見的には変化が見られないため、いろいろと工夫しても食べてくれない場合には、動物病院で診察してもらうことをおすすめします。

監修獣医師による補足

【体調不良についての補足】

胃腸の異常だけではなく、ご飯を食べなくなってしまう/食べる量が減ってしまう原因となる病気には非常に多くのものがあります。口内炎や歯肉炎があれば、痛みのせいで食べたくても食べられなくなりますし、呼吸器疾患で息苦しくても食欲は落ちます。

鼻が詰まっていれば匂いを感じにくくなり、食べ物への興味が減ることがあります。また、食べない原因が何であるかに関係なく、猫が3日以上何も食べないでいると肝臓に問題が起きますので、全く食べない場合にはあまり長く様子を見ずに病院を受診して下さい。

獣医師:木下明紀子

飼い主ができるキャットフードのアレンジ方法!

トッピングが入ったご飯を食べる猫

自分でキャットフードを手作りしていればバリエーションを変えることもできますが、市販されている商品の場合は、どうやって変化をもたせたらいいのかわからない人もいるでしょう。一工夫をこらしても猫が食べてくれなければ意味がないため、簡単にできて猫も食べてくれる一工夫を紹介しましょう。

キャットフードの温度を変える

キャットフードは常温で与えるのが一般的ですが、暑い日には冷蔵庫で冷やしてあげたり、寒い時には温かくしてあげると食いつきが良くなる場合があります。ご自分の猫ちゃんがどの位の温度のフードが好みなのかが分からない場合には、まずは人肌程度に温めてあげましょう。

あまりに冷たくしたり熱すぎると猫は「猫舌」と言われるように食べられなくなったり、お腹を壊す事もあるため注意が必要です。あくまでも少しだけ変える程度にすることが大切です。

普段と違う香りをつける

猫の場合は嗅覚が優れているので、好きな食べ物の匂いを付けても食いつきに変化が出てきます。例えば、鰹節をごく少量だけ粉末状にして振りかけたり、鶏肉を煮だした煮汁をかけるだけでも効果が生じるでしょう。また、何も足さなくてもフードを少し温めてあげるとより香りがたって、食欲が湧くこともあります。

キャットフードに変化を与える際の注意点

キャットフードで作ったクエスションマークを見る猫

猫は味の急激な変化を好まないことが多い動物であり、以前に食べていたフードとあまりに違う味がするものは、匂いを嗅いだだけで口にしないという場合もあります。

そのため変化を付ける時は、まずは少しだけ変えるということを心掛けて下さい。また味を変えるために人間が使っている調味料を使うのは避けて、できる限り素材そのものの味で変化をもたらすようにすることが大切です。

人間用の調味料は味が濃すぎるだけでなく、塩分濃度も高いので猫の体に良くありません。人間用の調味料に慣れてしまうと逆にキャットフードのような薄味を好まなくなることが多いので、むやみに人間用の調味料や食べ物を与えないようして下さい。

まとめ

キャットフードの入ったフードボウルの前に座る猫

キャットフードは味を確認してみればわかりますが、人間では素材の味しかしない淡白な味付けになっています。猫は完全な肉食で犬のように穀物や果物も食べるという習慣がないので、素材以外の味が付いている方が不自然なのです。

キャットフードを食べなくなると飼い主はとても不安になりますが、知識がない場合には自分独自の考え方を実践するのではなく、獣医師や専門家の意見を聞きながら適切な変化をつけることが重要です。

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