欲しがるとついつい…。猫に人間の食べ物を与えるリスク

欲しがるとついつい…。猫に人間の食べ物を与えるリスク

飼い主さんが美味しそうにご飯を食べていたら、欲しそうに見てくる猫…。または、匂いにつられて近寄ってくることもあるでしょう。あの可愛いまん丸とした目で上目使いをされたら、思わず食べさせてあげたくなってしまいます。でも、本当にその食べ物、与えて良いのでしょうか?

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が人の食べ物を食べると?

食べる

人の食べ物を口にしてしまった猫が直面するリスクを、みて行きましょう。

腎臓に負担が

腎臓

人の食べ物は、様々な味付けがしてあり、猫には塩分などが高すぎます。味付けが濃い食べ物を猫に与えてしまうと、猫の体はそれを分解しようとして、腎臓に負担がかかる結果となります。

猫は規則正しい食生活を送っていても、腎不全になりやすい傾向があります。ただでさえ腎臓が悪くなりやすいのに、そこへより負担のかかる人の食事を与えてしまうと、腎不全のリスクが高くなります。猫の健康の為、味付けが濃い人の食べ物は、与えてはいけません。

食べてはいけないものを食べてしまう

食べてはいけない

猫には、人が食べても全く問題がないものでも、毒になる食べ物があります。玉ねぎやチョコレートなどが代表的です。

特に玉ねぎは、単体で食べなくても料理に混ざっている場合も多く、うかつに人の食べ物を与えてしまうと、そこに混入している場合があります。

猫に毒となる食べ物の中には、食べると命に関わるケースもありますので、人の食べ物は与えない方がベストです。

肥満の原因

肥満

人の食べ物を猫が食べることで、肥満となるリスクがあります。カロリー過多や脂肪分の摂りすぎなどになる場合があるからです。

肥満になると、様々な病気にかかりやすくなります。適正体重を保っていたらかからなかった病気にも、人の食べ物を与え肥満になることでかかってしまうかもしれません。猫の体重管理は、飼い主さんの責任です。猫が欲しがるからと言って、無責任に与えないようにしましょう。

盗み食いするようになる

盗み食い

猫が人の食べ物を食べ、その味をしめてしまうと、今度は盗み食いするようになってしまうかもしれません。テーブルに用意しておいた飼い主さんの食事を狙い、気がついたら唐揚げや焼き魚がなくなっていたなんてことがおきてしまうでしょう。

猫には、キャットフードは自分の食べ物だが、人の食べ物は自分の食べ物ではないということを認識してもらう必要があります。もし飼い主さんが与えてしまったら、猫は「食べても良いもの」として認識してしまいます。飼い主さん用に用意したご飯を、猫が自分も食べても良い、と思ってしまうのは無理もないでしょう。気をつけなければいけません。

消化不良

消化

人は平気でも、猫が消化不良を起こす人の食べ物も、あります。消化不良を起こすと、下痢や嘔吐が見られることがあります。元気ならばそれほど問題にはなりませんが、繰り返す場合は注意が必要です。

また、まだ体の小さな子猫は、下痢が命取りになる場合がありますので、絶対に人の食べ物は、与えないようにしましょう。

猫用フードを食べなくなる

フード

もしかすると猫用のフードより、人のご飯の方が気に入ってしまって、猫用フードには見向きもしなくなる可能性が考えられます。

猫は比較的、グルメな動物です。より美味しいものを食べたい、という欲求があるので、人の食べ物の方が猫用フードよりも美味しい!と思えば、人の食べ物を食べたがるようになるでしょう。

栄養不足

栄養

猫は肉食動物です。人よりも、動物性たんぱく質を必要とします。可能性は低いと思いますが、人の食べ物ばかりを食べていた場合、栄養不足に陥る可能性も。

意外と、猫の栄養管理は難しいのです。猫用の手作りご飯は、猫が必要とする栄養バランスを満たした状態で作るのは難しいと言えます。猫用フード+手作りご飯などで栄養バランスを保つ方がオススメです。

アレルギー

アレルギー

食物アレルギーを持つ猫もいます。人の食べ物の中に入っている食材に、アレルギー反応が起きてしまう場合もあるでしょう。

アレルギーが起きると、かゆみや下痢、嘔吐などの症状が出ます。苦しい思いをするのは猫なので、気をつけてあげましょう。

まとめ

めい

猫に人の食べ物を食べさせることは、様々なリスクを伴います。どんなに猫が欲しがったとしても、絶対に与えないようにするのが猫の為なのです。

ただ、味付け前の素材を与えるのは、NGではない場合もあります。猫が食べても大丈夫な食材に味付けせずに与えるのは、基本的にはOKです。猫の体がびっくりしないように、まずは少量から与えてあげましょう。

スポンサーリンク