猫に鯖(サバ)を食べさせる時に注意する3つの事、得られる効果

猫に鯖(サバ)を食べさせる時に注意する3つの事、得られる効果

私たちの身近な食材である鯖(サバ)は猫に与えても大丈夫なのでしょうか。与える場合にはどのようなことに注意したらいいのかご紹介します。また、鯖に含まれる栄養と、その栄養が猫にどのような効果があるのかなどもまとめました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫は鯖を食べても大丈夫?

鯖mackerel

猫は鯖を食べても大丈夫です。しかし与え方に注意が必要です。

血液サラサラ、記憶力アップなど、鯖(サバ)はおいしいうえに体に良い食べ物ですよね。そして一般的に猫は魚が大好きというイメージが定着しています。鯖に含まれる栄養は猫にも役立つものもあります。ただ、生の鯖、加熱した鯖、調理された鯖、食べる量など与え方によっては猫の健康に害が出る場合があるため注意が必要です。

猫が鯖を食べた時に得られる効果

猫と黒板の魚のイラスト

EPA、DHA

EPA、DHAは不飽和脂肪酸という種類で、さらにオメガ3脂肪酸という種類に分類され、健康にメリットがある成分として注目されています。鯖は不飽和脂肪酸を豊富に含んでいることが特徴の一つです。血液をサラサラにする、記憶力や学習能力の向上いったメリットの他に、EPA、DHAには免疫系、生殖能力、皮膚、胎児や成長期の健康などにも作用します。猫への効果も人間と同じです。

ビタミンB12、葉酸

タンパク質の合成や赤血球の形成に関わり、貧血を予防します。

ビタミンD

カルシウムやリンの吸収を促し、骨の成長を助けます。猫の成長期に重要な成分です。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群の仲間です。脂質、炭水化物、タンパク質の代謝に欠かせない成分であり、皮膚を乾燥から保護するはたらきもあります。

ビタミンB6

タンパク質の代謝に必要な成分で、猫の発育期や妊娠期に重要です。貧血を予防したり、免疫機能を正常に保つ働きがあります。

ビタミンB2

脂質、炭水化物、タンパク質をエネルギーに変えるために必要で、猫の成長、発育に欠かせない成分です。皮膚や口の中の粘膜を保護するはたらきもあります。

猫に鯖を食べさせる時の注意点

調理中の鯖

1. 生の鯖は与えない

ヒスタミン中毒

「ヒスタミン中毒」とは、鯖など魚に含まれているアミノ酸が細菌によってヒスタミンという成分を産生し、ヒスタミンが多量に含まれた魚介類を食べることで起きる中毒です。ヒスタミン中毒の症状は下痢、嘔吐、じんましんなどです。生の鯖を常温で放置すると細菌が増え、中毒が発生する可能性が高くなります。加熱しても冷凍しても鯖に蓄積されてしまったヒスタミンは分解されません。

アニサキス症

「アニサキス症」は魚介類に寄生する生物による感染症です。魚介類の内臓に寄生したアニサキスは、鮮度が落ちると筋肉へ移動します。アニサキスを含んだ鯖を猫が生で食べることで、アニサキスが胃や腸の壁に侵入し嘔吐や激しい腹痛が起こります。

チアミン欠乏症

「チアミン欠乏症」は生魚や生の貝を与えすぎると起こる病気です。生魚や生の貝にはチアミンを分解する酵素が含まれ、多量に与えることで猫の体内のチアミンが分解され欠乏し、食欲不振や筋肉の衰弱などが見られます。

2. 味の付いた鯖は猫に与えない

鯖は私たち人間にとって身近な食材ですよね。自宅で鯖を塩焼きや味噌煮になど調理することもあれば、もっと手軽なサバ缶もあります。ただ、これら調理された鯖は塩分を多く含んでいるため、猫にはおすすめできません。余分な塩分を排出するため腎臓に負担をかけてしまいます。

3. 鯖は与え過ぎないようにする

鯖には栄養がたくさん含まれていますが、与えすぎることで猫にデメリットとなることがあります。鯖などの青魚に含まれる不飽和脂肪酸を、過剰に摂取すると「イエローファット(黄色脂肪症)」という病気を発症する可能性があります。

過剰と言っても、たくさん食べてすぐに発症する病気ではなく、慢性的に鯖など魚を食べている猫がなる病気です。イエローファットの症状は、毛つやがなくなる、お腹の下の方にしこりができる、お腹や背中を触られるのを極度に嫌がる、歩き方がぎこちないなどです。鯖などの魚だけではなく、バランスの取れたキャットフードを中心に与えていれば心配ありません。

猫に鯖を食べさせる方法

食事中のグレーの猫

少量を時々

栄養がたっぷりの鯖ですが、多量に猫に与えるのではなく、少量を時々与える程度にすることをおすすめします。メインの食事はキャットフードなど栄養バランスが取れたものを与えましょう。少しの量であれば生でも問題ありませんが、新鮮で味付けをしていない加熱した鯖の方がより安心です。

鯖が原材料のキャットフード

鯖が大好きな猫には、鯖が原材料のキャットフードがおすすめです。

ジロ吉ごはんだよ さば水煮缶

さば水煮缶 ウェットフード
324円(税込)

商品情報
添加物不使用

味付けをしていない鯖の水煮缶です。おやつや、いつものキャットフードにトッピングして与えられます。

FORZA10 ウェットフード

サバ&サーモン
240円(税込)

商品情報
【原産国】イタリア

鯖が67%以上、サーモンが5%以上含まれ、魚の形を残したウェットフードです。ドライフードと一緒に与えます。

まとめ

まな板の置かれた鯖

猫と言えば魚が好きなイメージがありますよね。私たちの身近な魚の一つである鯖は栄養たっぷりで、猫にとっても鯖の栄養は健康にメリットがあります。しかし猫に鯖を食べさせる時は、注意しなければなりません。

生の鯖は鮮度が悪いと食中毒や感染症など危険があります。調理した鯖に含まれる塩分は猫にとって多すぎて体に負担となります。鯖をメインに食べ続けると、イエローファットという病気になる可能性があります。このようなことに注意が必要です。鯖が原材料のキャットフードや、味付けをしてない鯖を少量与えるなどして、鯖を活用しましょう。

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