猫にさんまは食べさせても大丈夫!与える際の注意点とその効果

猫にさんまは食べさせても大丈夫!与える際の注意点とその効果

猫と言えば魚!魚といえばさんま!ということで、猫にさんまをあげようとする飼い主様もいらっしゃるでしょうが、そこで心配になるのは猫にさんまを与えてもいいのかということですよね。最初に結論から伝えるとさんまを与えても問題はありません。今回は猫がさんまを食べることで得られる効果と注意点についてご紹介しましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫にさんまは与えても大丈夫

猫とさんま

猫にさんまを与えるのは基本的に問題はありません。さんまには毒性があるわけではありませんし、火を通しているならば大丈夫でしょう。しかし、気を付けてほしい点がいくつかあります。

猫にさんまを与える時の注意点

骨は取り除く

さんまの骨は細かく柔らかいため、一緒に食べることができますが柔らかく細かいからこそ喉に刺さりやすいものでもあります。そのため猫にさんまを与えるときは、なるべく骨を取り除くようにしましょう。骨を完全に取り除く自信のない方は、フードプロセッサーやミキサーを使って骨が猫の喉に刺さらないように細かく砕いてもいいでしょう。

もし喉に骨が刺さったら痛い思いをするのは、他でもない愛猫です。さんまの骨は細かいので、可能な限り取り除くか砕くかして与えるように心掛けましょう。

味付けはしない

さんまを食べた猫

さんまを食べるときは塩焼きにする方が多いでしょうが、猫にとってヒト用に味付けをされたものは塩分が濃すぎるため、病気の原因となる可能性があります。そのため、猫に与えるさんまは塩焼きをしないようにしましょう。もしさんまにもともと塩分がついている場合なら、一度お湯でさんまを煮てあげると塩抜きできます。

塩分の摂り過ぎは猫の腎臓に負担がかかってしまい腎臓病の原因となります。基本的にさんまに限らずヒト用に味付けをされたものは食べさせないことが鉄則だと覚えておきましょう。

刺身を食べさせる場合は量に注意

猫にさんまの刺身を与えるときに気をつけてほしいのが、ビタミンB1 欠乏症です。さんまに限らず生の魚にはビタミンB1 を壊す酵素が含まれています。ビタミンB1 が不足すると、筋力低下、歩行障害、視力障害などを引き起こし最悪の場合死に至ることもあります。

少し食べたくらいでビタミンB1欠乏症になることはないでしょうが、毎日さんまの刺身を与えていると陥る可能性がありますので、与える量にはしっかりと注意をしましょう。
また、青魚には「不飽和脂肪酸」がたくさん含まれています。摂りすぎると「黄色脂肪症」の原因になりますので、あげる量も回数も控えめにしましょう。
サンマは鮮度が落ちやすい魚ですので、刺身であげるのはできるだけ控えたほうがよいでしょう。

内臓を取る

猫に生のさんまを食べさせる時に注意をしたいのが、内臓に含まれる「アニサキス」の存在です。アニサキスは寄生虫です。この寄生虫は猫に中毒をもたらす可能性があります。焼いてしまえば問題はないのですが、生で与える場合は寄生虫が生きている可能性が非常に高いのです。そのため、猫に生でさんまを与える場合は十分に注意をしましょう。

食べ過ぎの危険性

さんまはカロリーが高く脂ものっているため猫が食べ過ぎると肥満の原因になります。また、肥満タイプの猫に多い病気として有名なのが「黄色脂肪症」です。イエローファットと呼ばれるこの病気は、ビタミンE不足により脂肪が酸化し炎症する病気です。

この黄色脂肪症の原因は、さんまなどの青魚の食べ過ぎだといわれています。毎日大量に食べないとなかなか発症しないという獣医師もいますが、大量に食べ過ぎると悪影響がでますので、さんまのたべすぎには注意をしましょう。

おすすめの食べさせ方はスープ風

さんまを猫に与えるときは煮ても焼いても大丈夫ですが、おすすめの方法はスープ風にした食べさせ方です。さんまを煮て煮汁とさんまの身をスープ風にして猫に与えてあげれば、水分も一緒に補給できます。ただし、さんまのスープを作るときは味付けは行わないように気をつけましょう。醤油などで味付けをすると、腎臓に負担をかける原因となりますので、極力素材の味のままでご飯を与えることがのぞましいです。

猫にさんまを与える効果

猫とさかな

さんまは食べすぎに注意をすれば、猫にとって大変良い効果をもたらしてくれます。その中でも期待ができるのが、「エイコサペンタエン酸(EPA)」と呼ばれる脂肪で、血液をサラサラにしてくれる効果があります。

この脂肪のおかげで心筋症や血管が詰まる病気を予防することに繋がるのです。また「ドコサヘキサエン酸(DHA)」という物質もEPAと同じく、血液をサラサラにして血流をよくする効果があるのと同時に、悪玉コレステロールを減らす効果も期待できます。猫にとってたくさんの良い効果を持つさんまは食べ過ぎにさえ気をつければ、大変ありがたい食材だといえます。

つまや大根おろしを食べるのもオッケー

さんまには切っても切れない食材、大根おろしも猫が食べても問題ない食材です。大根は90%以上が水分のため、水分補給代わりに食べさせてあげるのもいいでしょう。しかし、猫は基本的に肉食動物のため野菜類をうまく消化させることができません。そのため、猫の体に害がないからと大量に食べさせることはやはり気を付けるようにしましょう。

まとめ

さんまが好きな猫

猫にさんまを与えるのは毎日ではなく、週に1回程度、おやつ感覚で与えるのが一番いいでしょう。さんまには猫の健康を保つために大切な成分が多く含まれていはいますが、必ず必要な食べ物ではないため、毎日の食事に必ず取り入れたい食材ではないということを覚えておきましょう。時々ご褒美程度に与えるようにしましょう。

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