猫にホタテを与えても大丈夫!
猫に貝類を与えない方が良いとは、昔からいわれていることです。猫が貝を食べると耳が落ちるとか、腰が抜けるという話はよく聞きますね。
確かに、猫に貝類はあまり与えません。ただ、ホタテは例外で、キャットフードにホタテを使っているものや、ホタテの香りをつけてあるものがあることからわかるように、猫はホタテを好みます。ホタテは、猫が食べても大丈夫な貝なのです。
猫がホタテを食べた時の効果
高たんぱく、低カロリーで猫の体に良い
ホタテは、高たんぱくで低カロリーです。肉食動物である猫にとって、たんぱく質はとても重要です。猫の体を作るのに必要なだけでなく、ホルモンや酵素、抗体が作られる際にもたんぱく質が使われます。また、高い跳躍力を誇る猫の筋肉を支えているのもたんぱく質なのです。
特に、子猫や妊娠・授乳期の猫はたんぱく質が不足すると病気になることがあります。
猫がタウリンを摂取できる
ホタテには、タウリンが豊富に含まれています。ホタテのタウリンは魚介類の中でも特に多いのです。体内でタウリンを作ることができない猫にとって、非常に重要な栄養素で、必須アミノ酸に含まれます。ほとんどのキャットフードには、このタウリンが含まれています。
タウリンの効果は、猫の動脈硬化や貧血を予防したり、視力の低下を抑えることです。タウリンが不足すると、失明したり心筋症になることもありますので、しっかり摂りたいですね。
猫が亜鉛を摂取できる
ホタテに含まれる亜鉛には、細胞分裂を正常に行わせる働きがあります。皮膚や被毛の健康にも欠かせません。猫に亜鉛が不足すると、発育不良や食欲不振につながることがあります。傷の回復も遅くなります。
猫が葉酸を摂取できる
ホタテには葉酸も含まれていますが、葉酸は水溶性ビタミンです。DNAと赤血球を合成しており、細胞の再生を助けます。
人間でも妊娠期には葉酸が必要といわれていますが、猫でも同じことです。お腹の中の猫の赤ちゃんの成長に欠かせません。
葉酸が不足すると、赤血球が減少したり、口内炎などが起きやすくなります。
猫にホタテを食べさせる時の注意点
必ず火を通す
人間にとってはおいしい生のホタテでも、猫の場合は火を通さなければいけません。生の貝にはチアミナーゼが含まれており、これはビタミンB1を破壊してしまうからです。このチアミナーゼは、加熱すればなくなりますので、必ずボイルするなどして猫に与えて下さい。
内臓を与えない
猫が食べていいのは、ホタテの貝柱です。その他の部分はアレルギーの原因になったり、消化が悪いので必ず取り除きます。貝ヒモも与えないようにしましょう。
初めての時は少量
初めてホタテを与える時は、ごく少量から試してみましょう。猫に嘔吐や下痢、皮膚の炎症などアレルギー症状が出ないか、様子を見て下さい。
1度にたくさんあげない
猫はホタテが好きなので、余計に欲しがる猫もいると思いますが、与えすぎないように注意しましょう。
食べやすい大きさにする
人間にとっては小さなホタテでも、猫には大きいです。猫が食べやすいよう、適当な大きさにカットしてあげて下さい。
干物は与えない
ホタテの干物は塩分が多いです。猫に干物は与えないようにしましょう。
猫に食べさせてはいけない貝
アワビ、トリガイ、サザエ、トコブシ
これらの貝を猫が食べると、貝に含まれるピロフェオホルバイドαという毒性分が血中に吸収され、光線過敏症になります。ピロフェオホルバイドαは、猫の血中に吸収されただけでは悪さはしないのですが、日光に当たると活性化して炎症を起こします。
特に、耳は毛が薄いので症状が現れやすく、皮膚炎になってしまいます。最悪の場合、壊死することもあり、そこから貝を食べた猫はと耳がとれるといわれるようになったそうです。
アサリ、シジミ、ハマグリ
ビタミンB1を破壊するチアミナーゼが含まれています。これは、二枚貝だけでなく、多くの魚介類に含まれるものです。猫が食べると、ビタミンB1の欠乏から、食欲不振や嘔吐など様々な症状が現れます。重くなると、瞳孔が開いたり、痙攣を起こしたり、失神することもあり、命の危険にさらされます。
ただ、チアミナーゼは加熱することで、消滅します。とはいえ、貝は貝毒を持っていることもありますので、猫に二枚貝を与えるのはやめましょう。貝毒は、貝が毒性のある植物プランクトンを食べることで毒性を体内に蓄積させてしまいまうものです。
まとめ
ホタテは、猫が好きな貝です。猫ただし、猫にホタテを与える際には、いくつか注意点があります。
必ず火を通して、貝ヒモも取り除き、貝柱だけを食べやすくカットして与えて下さい。ホタテには猫に必要な栄養素が豊富に含まれていますが、食べ過ぎは禁物です。
貝に含まれる猫にとって問題になる成分には、「ピロフェオホルバイドα」と「チアミナーゼ」があります。
前者は、ホタテ貝に多く含まれは紫外線と反応すると活性化して光線過敏症を引き起こしますので、生ではあげない・与えるなら火を完全に通した貝柱を少量だけ与えるということを守ってください。
貝柱以外の部分は猫には絶対にあげないようにしてください。
好んで食べますが、ほんの少量にしてください。絶対に猫にあげないといけないものではありませんので、あげないに越したことはありません。
後者のチアミナーゼはハマグリやアサリ、しじみなどの貝に含まれておりビタミンB1を破壊し、貧血や下痢嘔吐、痙攣、姿勢異常、昏睡などの症状が起こります。チアミナーゼは加熱すると安全とされていますが、加熱しても大量に食べると危険です。
基本的にあげないようにしてください。