猫は納豆を食べても大丈夫?

結論から言うと、納豆は猫に与えても問題ない食材です。ただし、あくまで主食ではなく、おやつやトッピングとして少量与える場合に限ります。
納豆は栄養価が高く、猫の健康に良い影響を与える可能性も秘めています。しかし、与え方や量には注意が必要です。この記事で、猫に納豆を与える際の正しい知識を学んでいきましょう。
納豆の栄養素と猫への健康効果

納豆には、猫の健康維持に役立つ様々な栄養素が含まれています。ここでは、主な栄養素とその効果について解説します。
たんぱく質
納豆の原料である大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、たんぱく質が豊富です。肉食動物である猫にとって、たんぱく質は筋肉や皮膚、被毛などをつくるために不可欠な最も重要な栄養素です。
ビタミンK2
納豆菌が発酵の過程で生成するビタミンK2は、カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする働きがあります。特に、骨がもろくなりやすいシニア猫の健康維持に役立つことが期待されます。
レシチン
レシチンは細胞膜の主要な成分であり、血中コレステロールの代謝を助ける可能性が示唆されています。これにより、血液の流れをスムーズに保つ効果や、猫の美しい毛並みを維持するサポートが期待できます。
サポニン
大豆に含まれるサポニンには、抗酸化作用があることで知られています。酸化ストレスを抑制し、健康な状態を維持する手助けをしてくれる栄養素です。
食物繊維
納豆には食物繊維も豊富に含まれています。腸内環境を整える働きがあり、便秘気味の猫にとっては、お通じをスムーズにする効果が期待できるでしょう。
猫に納豆を与える際の注意点

栄養豊富な納豆ですが、与える際にはいくつかの重要な注意点があります。愛猫の健康を守るために、必ず以下の点を守ってください。
大豆アレルギーに注意
頻度は高くありませんが、猫にも大豆アレルギーが存在します。初めて与える際は、ごく少量(米粒程度)にして、食後に嘔吐や下痢、皮膚のかゆみなどの症状が出ないか、24時間ほど様子を見てください。
過剰摂取は避ける
納豆にはマグネシウムやリンといったミネラルも含まれています。これらのミネラルを過剰に摂取すると、腎臓に負担をかけたり、尿石症の原因になったりする可能性があります。また、食物繊維の摂りすぎは、かえって下痢を引き起こすこともあります。
タレや調味料は入れない
人間用の納豆に付属しているタレやからしは、絶対に使用しないでください。タレには猫にとって過剰な塩分や糖分が含まれており、からしは強い刺激物です。また、薬味のネギ類は、猫の赤血球を破壊する中毒成分を含んでいるため、大変危険です。
大粒は避け「ひきわり」を選ぶ
体の小さい猫にとって、大粒の納豆は喉に詰まらせるリスクがあります。また、消化の面でも、細かく砕かれている「ひきわり納豆」の方が、表面積が広く消化しやすいためおすすめです。
内臓疾患の猫は避ける
腎臓病や心臓病など、内臓に疾患を抱えている猫には納豆を与えないでください。納豆に含まれるリンやカリウムは腎臓病を、ナトリウム(塩分)は心臓病を悪化させる可能性があります。持病がある場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
猫に納豆を食べさせる際の与え方・調理法

猫に安全に納豆を楽しんでもらうための、具体的な与え方を紹介します。
トッピング
最も手軽で一般的な方法です。いつものキャットフード(ドライ・ウェットどちらでも可)の上に、適量のひきわり納豆を乗せてあげます。初めての匂いに警戒する子もいるので、まずは少量から試してみましょう。
猫用の納豆おやつ
ペットショップやオンラインストアでは、フリーズドライ加工された猫用のおやつとして納豆が販売されています。これらは塩分などが調整されており、安心して与えることができます。手作りが不安な方におすすめです。
野菜とまぜて与える
もし猫が好むなら、茹でてつぶしたカボチャやサツマイモなどに、少量のひきわり納豆を混ぜて与えるのも良い方法です。ただし、野菜の与えすぎは糖質の過剰摂取につながるため、あくまで少量に留めてください。
猫に納豆を食べさせる際の適量

猫におやつを与える際の基本は、1日の総摂取カロリーの10%以内です。体重4kgの成猫の場合、1日の必要カロリーは約200kcalなので、おやつは20kcalまでが目安となります。
ひきわり納豆(タレなし)は、1パック50gあたり約95kcalです。ここから計算すると、猫に与えてよい納豆の量は、1日あたり多くても小さじ1杯(約5g)程度が上限となります。毎日与えるのではなく、週に1〜2回の特別なご褒美として考えましょう。
まとめ

納豆は、正しい知識を持って適量を与えるならば、猫の健康維持に役立つ可能性がある食材です。与える際は必ず「タレや調味料なしのひきわり納豆」を「ごく少量」だけにし、アレルギーや体調の変化に十分注意してください。
特に腎臓病などの持病がある場合は、自己判断で与えるのは絶対にやめましょう。愛猫の健康状態を一番に考え、安全でおいしい食生活をサポートしてあげてください。