猫はいちごを食べても大丈夫!与え方の注意点を解説

猫はいちごを食べても大丈夫!与え方の注意点を解説

甘酸っぱくて美味しい「いちご」。いちごが好きだという愛猫家さんも多いと思いますが猫にいちごは与えてもいいのでしょうか?猫は与えてはいけない食べ物が多いですが、いちごは栄養も豊富で与えても問題はないような気はしますが果たして?今回は猫にいちごを食べさせてもいいのか見てみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫にいちごを与えても大丈夫!

イチゴとブリティッシュショートヘア

猫にいちごを与えるのは少量であれば問題はありません。いちごはビタミンが多く含まれているほか食物繊維が多く含まれています。

そのためご褒美に1粒与えるなどでしたらむしろほかのお菓子やおやつを与えるより格段にいい食材となっています。

いちごなどの果物は自然由来なので添加物が多く含まれている猫用のお菓子や人間の味の濃いおやつや食べ物よりも体にいいので、愛猫がいちごが好きだという飼い主様は是非与えてあげてください。

いちごに含まれる栄養素は?

いちご

猫に与えても大丈夫とされるいちごですが、どのような栄養素が含まれ、猫にとってどのように効果があるのでしょうか。たとえ効果がある食べ物でも、猫にとって良くない成分が含まれていることがあります。含まれる栄養素とその量を把握し、適量を心掛けましょう。

ビタミンC

サラダを眺めている猫

人間にとって人気のビタミンであるビタミンC(アスコルビン酸)は、猫にとっても健康効果が期待できる栄養素です。多くのフードに含まれる他、サプリメントも多数販売されています。

ビタミンCの主な役割

  • 抗酸化作用
  • コラーゲン生成の補酵素
  • 病気の感染予防
  • メラニンの生成を抑制
  • 鉄とカルシウムの吸収促進
  • アレルギー反応の抑制

いちご100gあたりに含まれるビタミンCの量は54mg以上です(品種により異なる)。猫の病気予防のために是非取り入れたい栄養素ですが、フルーツの中には猫に有害な成分が含まれているものもあるので、与える種類や量には注意が必要です。

ポリフェノール

青い目の猫

抗酸化成分として知られるポリフェノールは、DNAを保護し、がんなどの病気の予防効果が期待されます。アントシアニンやカテキンなど多くの種類があり、その効能も様々です。

ポリフェノールの主な役割

  • 抗酸化作用による有害な影響を抑制
  • 目の機能改善
  • 腎臓病や心臓病の抑制
  • 悪玉コレステロールの酸化を抑制
  • 老化を防止

いちご100gあたりのアントシアニンの含有量は21mgほどです。ポリフェノールの一種アントシアニンは、DNAの保護や目の機能改善が期待できます。

しかし、ポリフェノールが多く含まれる食物の中には、猫にとって有害なブドウやチョコレートもあるので注意が必要です。ポリフェノールを猫に与えたい場合は、ペット用のサプリメントやフードを利用した方が安全でしょう。

カルシウム・マグネシウム

牛乳瓶の前に座っている猫

カルシウムとマグネシウムは体にとって非常に重要なミネラルです。特に骨や歯を形成するミネラルであるため、日々の食事の中で摂りいれていく必要があります。

カルシウム・マグネシウムの主な役割

  • 筋肉と神経機能の調整
  • 酵素の活性化
  • 血圧の低下
  • 骨を健康に保つ

いちご100gに含まれるカルシウムは17mg、マグネシウムは13mgほどです。カルシウムとマグネシウムは重要なミネラルですが、猫が過剰に摂取すると結晶化して尿結石の原因になることでも知られています。年齢や病気によっても適正な摂取量が異なるので、きちんと調整してあげましょう。

カリウム

フードの前で舌なめずりしている猫

カリウムは体内の過剰なナトリウムの排出を助けたり、心臓や筋肉を正常に保ったりするなど重要な役割を持つミネラルです。

カリウムの主な役割

  • 体液のバランス調整
  • 過剰なナトリウムの排泄
  • 心臓や筋肉の機能調整
  • 神経刺激の伝達
  • エネルギー代謝

いちご100gあたりのカリウムの含有量は170mgほどです。高たんぱく質の食事の場合には、カリウムをしっかり摂る必要があります。過剰に摂取すると食欲が無くなったり、筋肉の麻痺を起こしたりします。

食物繊維

トイレ中の猫

食物繊維自体は消化されず、体の栄養にはなりませんが、便のカサを増やし正常な蠕動運動を促します。腸内環境を改善し、便秘などの予防にも役立つ重要な成分です。

食物繊維の主な役割

  • 整腸作用
  • 腸内通過時間を適度に保つ
  • 腸の蠕動運動の促進
  • 善玉菌の栄養源
  • 腸内の環境を改善し便臭を軽減
  • 毛玉ケア
  • 満腹感を与えて肥満を改善

いちご100gあたりの食物繊維含有量は1.4gほどです。
食物繊維の中の可溶性繊維は消化管内要物の粘調性を増加させます。これにより猫の場合、胃の中の毛玉がからめ取られることが期待されます。便秘の改善にも役立ちますが、与える量によっては便秘が悪化することもあるので、様子を見ながら調整しましょう。

キシリトール

黄色い歯ブラシを両手で持って歯をみがいている猫

猫にとっては危険な成分であるキシリトールは、いちごにも含まれています。多量に含まれるガムなどに使用される原料の多くは、白樺などから採取される「キシランヘミセルロース」です。人間の場合、虫歯予防にはよく利用されています。

キシリトールの主な役割(人間の場合)

  • 唾液の分泌促進
  • ミュータンス菌の減少
  • 口の中の酸を中和
  • 歯の再石灰化
  • プラークをつきにくくする

いちご100gあたりのキシリトールの含有量は360mgほどです。人間がキシリトールを摂取しても、ほとんどがそのまま体外に排出されますが、猫の場合糖類と勘違いしてインスリンホルモン分泌してしまいます。過剰に摂取すると低血糖症を引き起こす危険性があります。中毒症状を起こし、嘔吐や痙攣に加え、肝臓に障害を起こすこともあります。いちごを少量食べただけでは、あまり心配ありませんが、ガムなどを誤って口にしないよう気を付けましょう。

猫にいちごを食べさせる注意点

いちごをにらむ猫

猫にいちごを食べさせてもいいとは言っても注意点はあります。まず、いちごはあくまでも少量を与えるようにするということです。

いちごの糖質

  • 糖尿病になる危険性
  • 肥満が悪化する

いちごは甘酸っぱくて美味しいということは糖分が含まれているということです。猫は糖質を分解して血糖値を下げることがあまりできない動物です。

糖質の多いいちごを大量に与えてしまうと糖尿病を引き起こしてしまう可能性ももちろんあります。

また今現在、糖尿病である猫ちゃん、肥満傾向にある猫ちゃんはいちごを大量に食べることでさらに症状が悪化する可能性もあります。そういった猫ちゃんには与えないようにしましょう。

いちごの食物繊維

いちごには食物繊維が豊富に含まれているとお伝えしましたが、猫ちゃんは食物繊維を消化するのは得意ではないということをご存じですか?

もちろん、ある程度の食物繊維は排便を促し、腸内環境を整えてくれます。しかしあまりにも大量の食物繊維を摂取すると消化不良を引き起こし下痢や嘔吐の原因となってしまいます。

与えるときは1粒くらいにして量を与えないようにしましょう。

いちごを猫に毎日与えるのはNG

一回に上げる量を減らしたら毎日のおやつとして与えてもいいの?そんな疑問をお持ちの方、基本的にそれはNGです。

たとえ一度に与える量が少ないからといって毎日与え続けると糖質や食物繊維が蓄積され、結局肥満や糖尿病といった症状を引き起こします。また毎日の下痢や嘔吐につながりかねません。

与えるのは時々、ご褒美やビタミン補給という感覚で与えるようにしましょう。

猫にいちごを与えた時の効果

いちごを嗅ぐ猫

猫にいちごを与える注意点はわかりましたが、逆に猫にいちごを与えた時の効果はどのようなことがあるのでしょうか?

ほかの食材と違って脂質が少ない

猫にとって脂質は摂取するべき栄養素ではありますが、人間の食べ物や市販のキャットフードを大量に食べることによりどうしても脂質を摂りすぎてしまう傾向にあります。

脂質は摂りすぎてしまうと肥満の原因になり悪化すると様々な病気の原因となってしまいます。

その点、いちごは脂質が少ない食べ物なので脂質を摂りすぎる傾向にある猫ちゃんにとってはヘルシーな食べ物ではあります。しかし食べ過ぎると糖質で太ってしまうので与えすぎには注意しましょう。

ビタミンが豊富

舌を出す猫

猫にとってビタミンは体を健康に保つために欠かせない栄養素です。しかし普段の食生活では偏ってしまうこともありますので、いちごなどのビタミンが豊富な食材から上手に摂りいれていくと普段の食生活の栄養バランスを補うことができます。

しかし一粒程度のいちごから摂取できるビタミン量は知れているので、普段のバランスのいい食生活とおやつから補うようにしましょう。

抗酸化作用

笑う猫

抗酸化作用とは体の中の酵素を活性化するという作用のことです。抗酸化作用と一緒によく耳にするのがアンチエイジングですよね。

抗酸化作用の働きがあると酵素の働きが活発になり体の酸化を防いでくれます。つまり体を若いまま保ってくれる作用があるということです。

話を戻しますといちごにはこの抗酸化作用が含まれており、いつまでも若々しい猫ちゃんでいられることに一役かってくれるということです。人間も猫ちゃんも是非取り入れたい食材ですね。

猫ちゃんの中にはいちごが嫌いな子も

いちごに叫ぶ猫
  • 猫にとって酸っぱい=腐っている!

人間にも好き嫌いがるようにグルメな猫ちゃんにも好き嫌いはあります。特にいちごは酸っぱいので苦手とする猫ちゃんは多いようです。

自然界において酸っぱいということは腐っているという認識になるので酸っぱい食べ物が苦手なのではないかと言われています。

いくら体にいいからといって嫌がる猫ちゃんに無理矢理いちごを食べさせるようなことはないようにしましょう。

いちごヨーグルト

ヨーグルトを食べる子猫

またヨーグルトの中にいちごを入れると美味しく食べてくれる猫ちゃんもいるようなので是非試してみてください。

ただ注意するてんはヨーグルトは脂質が多い食べ物ですし、食べ過ぎると下痢の原因になりますのでいちごもヨーグルトも少量を与えてあげるようにしましょう。

まとめ

イチゴを咥える猫
  • 猫はいちごを食べても大丈夫!
  • 猫にいちごを与えすぎると糖尿病、肥満が悪化する
  • いちごの食物繊維で消化不良を起こす可能性もある
  • イチゴを食べると猫にも抗酸化作用がある
  • イチゴを食べるとビタミンを補給できる!

いちごを好む猫ちゃんは実際にいて、おやつの代わりとして与えている愛猫家様も多いようです。

いちごの種類であるエゾヘビイチゴには歯石を除去する効果があり歯周病予防にいいとされています。

ビタミンも豊富で抗酸化作用もあるいちご、量を守って是非愛猫に食べさせてあげてはいかがでしょうか?

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