猫に生肉を食べさせるときの正しい与え方と注意点

猫に生肉を食べさせるときの正しい与え方と注意点

猫は肉食動物なので食物繊維よりも肉類の方が消化しやすく、肉に含まれるタンパク質を必要としています。しかし、そんな猫ちゃんですが火の通っていない生肉を与えてもいいのでしょうか?確かに野生の猫ちゃんは火を通した肉ではなく生肉を食べていましたが、生肉を口にする機会がなくなってしまったイエネコは果たしてどうなのでしょう?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫に生肉は与えてもいいのか

生肉

猫は野生の時代、獲物を捕らえたらそのまま生で食べていましたし現在の野良猫も生肉を食べています。つまり猫は生肉を食べても問題はないということになります。実際に生肉を好む猫は多く、むしろ生肉を与えるようになったら愛猫の調子がよくなったという意見もあるくらいです。

しかし、生肉ならなんでも与えていいのかと言うとそういう訳ではありません。生肉を与えることはデメリットもありますのでメリット、デメリットを考えて与えるかどうか選択してください。

猫に生肉を与える時の注意点

警告マーク

猫に生肉を与える際の注意点とデメリットとしてあげられるのが寄生虫と栄養価の問題です。順番にご紹介します。

寄生虫が潜む可能性

鶏肉や豚肉は生だとサルモネラ菌や大腸菌など、病原菌にかかるリスクが非常に高いです。特に鶏肉は80%の確率でサルモネラ菌が潜んでいるといいます。さらに怖いのがトキソプラズマです。トキソプラズマも生肉に潜む代表的な菌で感染すると、ひどい嘔吐と下痢、血便、呼吸困難、意識障害へと発展し最悪の場合は死に至ります。

栄養のバランス

ペット大国アメリカでは手作りご飯をペットに与えることはなく、市販のキャットフードを与えることが推奨されているのをご存じですか?今のキャットフードは大変品質に優れており、猫の平均寿命が近年劇的に延びているのもキャットフードの品質の向上が関係していると言われています。

そのため、気に入ったキャットフードがある場合はそのキャットフードを主食で与えつつ副食として与えるようにしてみましょう。また生肉を食べないとしても特に問題はありません。無理矢理食べさせたりしないようにしましょうね。

多量に与えると重篤な症状を引き起こすかも

生肉が身体にいいからと毎日与えていると、肥満の原因となります。特に牛肉はカロリーが高いため、健康にいいからと多量に与えて逆に健康を害してしまうという本末転倒な事態が発生する可能性もあります。さらに牛肉には猫に必要なビタミンAが多量に含まれていますが過剰摂取するとビタミンA過剰摂取症となり、身体が痛んだり変形したりといった症状がでることもあります。十分に注意してください。

猫にスーパーの生肉を与えていいのか

スーパーの生肉

生肉を実際に愛猫に与えようと思ったときスーパーの生肉を与えてもいいのか、疑問に思いますよね?生肉を与える第一条件は新鮮な肉であることです。生肉には少なからず寄生虫などの菌がついており、時がたてば経つほど菌は繁殖していきます。愛猫に与えるときはスーパーのものでもいいですが、新鮮な生肉を与えるようにしましょう。

その際は鶏肉、豚肉は避けて牛肉を与えるようにすると寄生虫などの病原菌に感染するリスクも減らせるのでおすすめです。もしスーパーの生肉を与えるのが心配な方は猫用の生肉を与えるのも一つの手です。猫用の生肉はネット通販でも手に入れることができます。

猫用生鹿肉

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1,426円(税込)

商品情報
鹿肉は高たんぱくで低カロリーで鉄分やビタミンB郡を含んでいる食材です。 さらに、肉類にはほとんど含まれないDHAも含む、優れもの。 少量でも栄養がしっかり摂れ、吸収も良いので食の細いねこちゃんや シニアのねこちゃん達にもオススメです。

こちらは猫用の生の鹿肉です。小分けトレーになっているのでとても使いやすく便利です。スーパーの生肉を与えることに抵抗のある方は是非おためしください。

猫に生肉を与える方法

猫と生肉

猫に生肉を与える方法はそのまま与えてもいいですが、他の食材と混ぜ込んであげてもいいです。猫用のごはんのレシピは数多く紹介されています。その一部をお伝えいたします。

キャットフードの生肉添え

材料

  • 普段食べているキャットフード
  • 鳥むね肉

作り方

普段食べているキャットフードに生肉をトッピングして完成です。

生肉を与えるときに注意をしてもらいたいのが、できるだけ新鮮な肉を用意するという点です。また、今まで生肉を食べ慣れていない猫ちゃんは、いきなり大量の生肉を与えてしまうと消化不良などの原因となります。そのような事態を防ぐために、まずは普段のキャットフードに生肉を混ぜたものを与えることから始めてあげましょう。

猫ちゃんが生肉を食べたときの反応を見てから、他のレシピも順番に試してくださいね。

生肉のユッケ

材料

  • 牛肉(鶏肉でも可)
  • ごま油
  • きゅうり
  • 刻み海苔
  • 白ごま

作り方

①肉をミンチ状に、キュウリはみじん切りにする
➁ミンチにした肉、白ごま、きゅうり、刻みのりを合わせる
➂ごま油を周し入れて完成

海苔は味のついていない焼きのりがおすすめです。またごま油は少し風味を付ける程度にしてかけ過ぎないようにしましょう。猫ちゃんのご飯を作るうえで注意をしなければいけないのが、塩分量です。人間には普通と感じる味付けでも、猫にとっては塩辛い!と感じてしまう場合もありますので生肉を与えるときにかぎらず注意をしましょう。

生肉の野菜スープかけ

材料

  • 生肉(鶏肉・牛肉など)
  • 野菜(さつまいも・小松菜など猫に害のない野菜ならok)
  • 煮干し(鰹節でも可)

作り方

①用意した野菜を小さく切り、鍋に入れてから野菜がかぶるくらいの水を入れる。
➁煮干しを入れて火にかけて野菜が柔らかくなるで煮込む
➂十分に野菜が柔らかくなったら、一度冷ましてフードプロセッサーなどですり潰す
④生肉をお皿に盛り、➂の野菜ペーストをかけたら完成

生肉だけではなく、野菜も摂れるため非常にバランスの良い食事です。猫ちゃんの食いつきも良いので定期的に作ってあげると喜んでくれるはずです。

レシピをいくつかご紹介しました。私のおすすめの与え方は、生肉90%と穀物10%と少量の野菜を混ぜ込んだ生肉まぜまぜご飯です。これをおやつ代わりに与えたり、普段あげているキャットフードの食いつきが悪いときなどに与えています。レシピというほどのものでもありませんが、どうやって与えていいかわからない方は一つの目安として参考にしてください。

まとめ

生肉にかぶりつく猫

本日は猫と生肉の素朴な疑問についてご紹介しました。生肉は適量であれば消化にもよく是非取り入れたい食材ですが、多量に与えてしまうと健康を害する場合もあります。適量を守りながら与えるようにしましょう。与える際はくれぐれも病原菌、寄生虫には注意し与えた後症状が見られたら迷わず動物病院に相談するようにしましょうね。

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