猫は煮干しを食べても大丈夫!
煮干しは、中毒症状を引き起こすような物質はないため、煮干し好きな猫に与えても問題ありません。
また、とてもかたく噛み応えがあるため、歯磨き効果も期待できます。栄養面から見ても、煮干しはおすすめといえる食材です。
体内で作れないタウリンやEPA・DHAが摂れる
煮干しには、猫が必要とする栄養素のうち、体内で作ることができないタウリンや、必須脂肪酸のEPA・DHAが含まれています。
タウリンは、神経伝達物質の生成に必要で、抗酸化作用をもった栄養素です。EPA・DHAは、炎症を抑制する物質を作るため、皮膚や関節などの、炎症を伴う疾患への抗炎症効果が期待できます。
また、胎児や子猫の脳や網膜の発達に必要なため、妊娠や授乳期の母猫には大切な栄養素です。他にもタンパク質や、カルシウムやマグネシウムなど、猫に大切な栄養素が含まれたおすすめの食材と言えます。
噛み応えがあるため歯磨き効果が期待できる
ウェットフードやドライフードとくらべると、噛み応えがあり歯磨き効果が期待できます。
また、市販品でも、歯垢が摂れるようにスクラブ成分を配合した煮干しの歯磨きおやつも販売されています。口内ケアをしながら、噛む回数も増えるので、満足度も上がり食べ過ぎを防ぐ効果も期待できますよ。
食欲不振のときに活用する
体調が悪くキャットフードを食べてくれない時に、煮干しが好物な猫は食べてくれる可能性があります。そんな時に活用してみましょう。
しかし、煮干しだけでは猫に必要な栄養素をすべて補えないため、総合栄養食のキャットフードをまったく食べないなら、獣医師に相談を忘れずにしてください。
また、煮干しを食べない、食べるが煮干しの頭だけを残す猫もいます。猫も味や食感に好みがあるため、苦手なら無理してあげる必要はないので、安心してください。
栄養もあり、口内ケアの効果が期待できる煮干しですが、与えすぎには注意が必要です。
猫に煮干しを与える際の注意点
栄養面や口内ケアもできるため、たくさん食べて欲しくなりますが、あげすぎは逆に病気につながるため、注意が必要です。
中には、煮干しが体に合わない猫や、とても硬いため食べる時に傷をつける恐れもあるため、配慮してあげましょう。
あげすぎはダメ!尿路結石や腎臓病になる恐れあり
煮干しには、尿路結石や腎臓病の原因になるミネラルが多く含まれています。食べすぎは体に悪いため、与える量に気をつけなければいけません。
主食としては栄養も偏り、塩分やリンなどの過剰摂取につながるので、時々おやつで与えるのが理想です。
また、人間用の煮干しを与えるのはやめましょう。猫用、ペット用など記載のある、減塩や無塩タイプを選んでください。
どうしても煮干ししか食べない場合は、一緒に水を飲むようにしてください。しかし、栄養の偏りは補えないので、早めに対処法を獣医師に相談してくださいね。
アレルギーを起こす可能性もある
猫は人間と同じようにどんな食材でもアレルギーを起こす可能性があります。アレルギー症状の一例はこちらです。
- 下痢
- 嘔吐
- 湿疹
- かゆみ
煮干しを食べた後で、吐くなど異変があればアレルギーと考えて、与えるのはやめましょう。ほかにもぐったりしている、血便が出ているなどがあれば、獣医師に診てもらうのをおすすめします。
かたい身や骨で口や喉を傷つける
煮干しは小さいものから大きい6㎝ほどの物もあります。とてもかたいため、口の中を傷つけたり、うまく噛み砕く前に飲み込んでしまうと、骨が刺さるなど喉や食道を傷つけたりする恐れがあります。
とくに体の小さな子猫の場合は注意が必要です。与える前に手で砕いて食べやすいサイズにするのがおすすめです。
猫に与えてもいい煮干しの量はどれくらい?
猫に煮干しを与える時は、おやつとして与えるため、1日に必要なエネルギー量の10%以内にとどめることと、塩分・ミネラル量を考える必要があります。
たとえば5kgの猫の場合、1日に必要なエネルギー量は、およそ280Kcalです。そのうちの10%は、28kcalですね。
一般的な煮干し(カタクチイワシ)は10gで30kcalですが、塩分やミネラル分を過剰にとるのは避けたいので、カロリー量だけで見るのは危険です。
また、煮干しの重さで与える量を覚えてもわかりにくいため、何匹与えるか目安を決めると良いでしょう。
5kgの成猫に与える場合は、大きめ(6cmほど)のサイズで1~2匹にとどめるのをおすすめします。そして、商品に記載された一日に与えられる量を越えないようにして、頻度も毎日ではなく時々あげると、体に負荷がかかりにくくなります。
生後1~2か月の子猫は、まだ歯が生えそろっていないため、かたい煮干しは食べるのが困難なので避けてあげてください。
猫に煮干しを与える方法
与える量はとても大切ですが、同様に煮干し選びも大切です。また、生後いつから与えていいのか、何歳から安全なのかも意識しましょう。食べやすさや量にも気を配ってあげてくださいね。
猫用の減塩か無塩タイプを選ぶ
ミネラルの摂りすぎは病気につながる恐れがあるため、猫用の煮干しを与えてください。その際、減塩や無塩の表示のある物を選びましょう。
塩抜きをすれば安全と考え、人用の煮干しを出汁用に煮出したものを猫に与えることもあるようです。しかし、塩分は減らせてもリンやマグネシウムは減らせません。必ず猫用の煮干しを用意してくださいね。
子猫に与える時の注意点
子猫に与える場合、歯が生えそろわないうちは、かたい煮干しをうまく食べられません。喉につかえる恐れがあるため、生後3ヶ月以上を目安に与えましょう。
頭の部位に苦みが多く、ミネラルが多く含まれているため、はじめは取り除いてあげるのもおすすめです。初めて食べる物を一度に多く食べても、下痢をする場合もあるため、少量から始めてみてください。
食べやすいように工夫する
煮干しを食べやすくするには、水でふやかすのがおすすめです。簡単なレシピでは、煮込んでスープにしても良いですね。特に、高齢の猫にはこのようにやわらかく工夫すると良いですよ。
かたい身や骨が柔らかくなるため、噛むのも飲み込むのも楽になるでしょう。おやつとしてはもちろんですが、普段食べている、ドライフードやウエットフードに混ぜたりトッピングにしたりしてもいいですね。
作る時は、残ると傷んでしまうため、一回与える分を作ってください。口の中を傷つける恐れもないため、大きくて食べづらそうな時はお試しください。
まとめ
猫は煮干しは食べられますが、必ず猫用の煮干しを選びましょう。ミネラルが多いため、与える時は、おやつとして大きいサイズを2匹までにしてください。
ただし、猫の年齢や体の大きさで与える量は変わるため、注意してください。中には、煮干しでアレルギー症状が出る可能性もあります。嘔吐や下痢などの異変があれば与えるのをやめて、不安であれば病院に行くのもおすすめです。
与える量や頻度を抑えれば、猫に必要な栄養素も含まれた食材です。とてもかたいため、やわらかくしたり砕いたりして工夫して、猫が食べやすい状態にしてあげてみてくださいね。
40代 女性 かおり
少し与えるなら鉄分やカルシウムを摂取するのに効果的ですね。
我が家の猫ちゃんには、必ず湯がいて塩分を抜いてから与えています。
おやつにも、適しているので常に煮干しをストックしています。