猫が骨折した時の治療費
もし猫が、骨折した場合にかかる治療費は、骨折した部位やその重症度、猫の年齢などにもよりますが、動物病院によって治療費がそれぞれ異なります。そのため平均的な治療費を元に、実際に猫が骨折した場合にかかる治療費について、いくつか紹介します。
あくまでも平均的な治療費ですので、動物病院によっては平均より安いことや、高い場合もあります。最近では動物病院のホームページに、治療費について記載されているところもありますので、事前に確認することをおすすめします。
治療内容 | 治療費 |
---|---|
初診料および診察料 | 約1300円 |
レントゲン検査 | 約4000~5000円 |
血液検査 | 約4000~7000 |
手術費 | 約10万円 |
入院料 | 約2600円/1日 |
点滴 | 約2000~3000円 |
注射 | 約1500円/1本 |
処置料(ギプス固定処置) | 約2000円 |
骨折した際にかかる治療費は約20~30万円程(一例)
初診料及び診察料
平均的な初診料は約1300円、再診料では約700円です。診察料だけでも大体2000円以上の治療費がかかります。動物病院に初めて来院した場合は、初診料及び診察料は、骨折の有無関係なく、猫が来院した際に必ずかかる治療費です。
レントゲン検査
レントゲン検査の治療費は、4000~5000円程かかる動物病院が多いようですが、レントゲンの撮影枚数によって多少の検査治療費が変動することがあります。
診察中の触診で猫が骨折していることが分かりますが、骨折している正確な部分の位置やその断片が分かりません。そのため、どこの骨がどのように骨折しているのか、正確に知る必要があるため必ずレントゲン検査を行います。
また猫が交通事故や高いところからの落下、物理的な衝撃などにより骨折した場合は猫の内臓が破裂している可能性があるため、骨折部位以外にも異常がないかチェックするためにもレントゲン検査は必要な検査であります。
血液検査
猫が骨折した場合、臓器に影響がないかどうかも知る必要性があるため、血液検査も行います。血液検査の治療費については、調べる項目数によって料金が変わりますが、一般的な生化学検査での平均的な検査治療費は約4000~7000円前後のようです。また動物病院によっては、血液検査の検査治療費以外に別として、採血料がかかる場合があり採血料は大体700円かかります。
骨折整復の手術を行う際には、全身麻酔をかけて行うため、麻酔をかけることが可能かどうかを判断するために血液検査を行います。猫の年齢なども関わりますが、血液検査の結果によっては治療内容を変える場合があります。
手術費
猫が骨折した場合に1番かかる治療費は手術費になります。猫が骨折している部位や、その骨折の重症度によって、手術治療費が異なってきます。また手術治療費といっても、手術代の他に麻酔代が別料金としてかかるため、麻酔代も合わせると平均で約10万前後の手術治療費が多いようです。
もしも骨折した骨が後ろ足だった場合は、大腿骨を支える骨盤も骨折していることもあるため、前足の骨折時にかかる手術治療費よりも高くなる傾向があります。
入院料
人の骨折と同じように、猫も骨折して手術を受ける場合は、数日間は動物病院に入院させます。そのため治療費の中には入院料もかかりますが、基本的に入院費は1日あたりで日数をカウントしていますので、仮に1泊入院した場合でも、当日と翌日の2日間分の入院費を支払わなければいけません。
およそ1日の入院費で5000円前後の動物病院が多く、入院する日数としては猫の状態や骨折の度合いにもよりますが、長くても約7日間前後といわれています。
点滴、注射料
骨折整復の手術を行う際には、骨折の度合いや猫のバイタルにもよりますが、重症の場合は脱水や術中におこる出血のリスクが高いことから、点滴を行い抗生剤などの注射も打ちます。
また手術後の猫の状態によっては、入院中も点滴を行う場合があります。基本的には猫の静脈から半日ぐらい長い時間をかけて点滴するため、おおよそ1日にかかる点滴治療費は2000~3000円ほどです。
注射代については、打つ薬剤の量や本数によって異なりますが、1本あたり約1500円前後です。
処置料(ギプス固定処置)
1回の包帯や、ギプスによる固定処置にかかる治療費はおよそ2000円前後が多いようです。猫が骨折した場合は、完全に骨同士がくっ付くまでは、包帯やギプスで固定(外固定法)をしなければいけません。
動かないようにガッチリ固定するので、猫の中には取ろうとする子がいることや、骨折の部分によっては、多少包帯がズレ落ちてくることがあります。そのため定期的な包帯の巻きなおしや、ギプスを再固定する処置をする必要があります。
猫が骨折をし手術や入院(7日間)をした場合に、トータルで20~30万程の治療費がかかります。ペット保険に加入していない場合は、全額支払いとなるため通常の治療費でも高額になります。ペット保険に加入して場合は、その保険会社や加入している保険プランにもよりますが、治療費の負担を減らすことができます。
猫が骨折した時の治療の方法
猫は後ろ足や骨盤骨折をすることが多いです。骨折している部位や重症度によりますが、骨折部分を修復させようと自然治癒が働くため適切な治療をしなければ、骨折部分が異様な形でくっついてしまい骨格変性をおこしてしまいます。
骨折部分が骨格変性をおこしてしまうと、歩行困難になるなどの後遺症が残ってしまうため、猫が骨折した場合は動物病院にて治療を行う必要があります。
外科治療
骨折を治す手術には内固定法があります。猫に全身麻酔かけ、皮膚を切開して骨折している骨のズレを整復し、専用のピンやワイヤーやプレートなどを使って骨を固定します。骨が完全にくっ付いた後、固定していたピンやプレートなどを取り外す必要があるため、再手術を行います。状態によっては取り外さない場合もあります。
外固定法
猫の年齢によっては麻酔をかけることができず、骨折治療のための手術ができない場合があります。その場合は、外から手で骨折している部分を整復させた上で、ギプスや副木で固定する外固定法をします。
また軽度な骨折や、成長期中の子猫、骨折部位のズレがない、体重がかかりにくい部分などの場合も外固定法で行うことがあります。
無事に骨折部分がくっつきギプスなどの固定を取り外した後も、再骨折する可能性があるため、およそ2週間~1か月以上は必ず猫を安静にするように注意が必要です。
猫が骨折した時の症状
以下のような症状が猫に見られた際は、骨折している疑いがあるため、早めに動物病院を受診することをお勧めします。
- 足を浮かせる、足を庇うような歩き方をする
- 食欲不振、元気喪失
- 動かずじっとしている、触ると嫌がる(触ろうとしただけでも嫌がる怒る)
- 腫れているところがある、出血している
不自然な歩き方をする
猫が後ろ足を骨折した場合、その後ろ足を浮かせてひきずって足を庇うような歩き方をします。猫は4本足で歩く動物のため、骨折の重症度や部位にもよりますが、一か所足を骨折しても歩くことはできます。しかし骨折している足は動かすことはできません。
怪我をして弱っていると、相手(敵)に狙われやすいため、猫は本能的に安全な場所に隠れる習性をもっています。そのため猫が骨折した場合、隠れるように部屋の隅にじっとしていることがあります。
トイレがうまくできない
また猫が足を骨折すると、自分の体重を支えることができなくなるため、トイレをする際に体のバランスを崩しお尻や後ろ足が汚れることがあります。
骨折部分を触ると怒る
骨折をすると激しい痛みに襲われるので、骨折している部分に触られるととても嫌がります。中には骨折している部分を触ろうとしただけで攻撃してくる猫もいます。それは、痛みがあるところを触って欲しくないからです。骨折している部分の周囲が腫れてくることがあり、更に激しい痛みを伴います。そのため、ほんの少し動かすだけでも激しい痛みに襲われ、場合によっては出血や液が出てくることもあります。
猫の骨折は室内でも注意
猫は、骨の数が多く柔軟な体をもっているので、非常に運動能力が高い動物です。素早い動きで高いところにジャンプして飛び降りることができますが、その分猫は骨折や脱臼しやすいといわれています。
猫が骨折する理由で代表的なものは交通事故ですが、室内でも高いところから誤って落下することや、ドアに挟まるなどにより骨折する場合があります。直接、事故現場を目撃せずに状況がよく分からないと、骨折していることに気づかない場合があり、骨折した部分が異様な形でくっついてしまいます。
骨盤骨折を起こすと骨折した場所によっては、排便がしにくくなり便秘になってしまうこともあります。骨盤の骨折の場合は、軽く足を引きずる程度で症状がはっきり表れないこともありますので、いつもと違うなと思った場合は早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫が骨折した場合にかかる治療費は、骨折の重症度や猫の体調によっても異なりますが、動物病院によって、検査費用や手術費用などはそれぞれ異なります。人と違い保険適用がないため、動物病院にかかる際の猫の治療費は全額支払いとなり、高額な治療費になってしまいます。
ほとんどの場合、猫が骨折した際は手術することが多く、入院費まで全ていれると平均で20万~30万ほどかかります。ですがペット保険に加入していると何割かは保険会社が負担してくれますので、治療費を少しでも抑えることができます。また、クレジット支払い対応している動物病院もあるため、特に高額な治療費がかかる場合は、病院側と話し合うことで、金銭トラブルを防ぐことができると思います。
猫は運動神経が良く、室内飼いなら骨折することはない思われがちですが、室内でも高いところからの落下事故などによって骨折することがあります。飼い主の知らない間に骨折していた場合は、早いうちに適切な治療をしなければ自然治癒力が働き、骨折した部分が異様にくっ付いてしまい骨格変性を生じる恐れがあります。
猫が足を浮かせて歩いていたり、触ろうとすると怒る、腫れているところがあるなどいつもと違い様子がおかしいと思った場合は骨折していることもあるので、動物病院へ連れていきましょう。
20代 女性 茶々
治療費以外にも、初めての猫親になる場合は、猫飼い出来る住まい、食事、トイレ、ケージ、キャリーバッグ、オモチャ等が必要です。
どんなに頑張って治療や育猫に励んでいても、お金や時間が足りないと気が付いたときは動物愛護団体に相談すると覚悟が足りない等と怒られますので、自分で里親を探してくださいね。
しかも、これだけ手間暇お金を掛けても、その甲斐無く亡くなることもありますので、メンタルの強さも必要です。