猫が下痢をする原因5つ
猫が下痢になるとは、猫の便に水分が多くなって泥状になってしまった状態です。
ゼリーのようなものが混じった粘液状の便になることもあります。猫の正常な便の水分量は70%ほどですが、下痢の場合には80%以上になってしまいます。
猫が下痢をする原因として考えられるものは、次の5つです。
1.ストレス
猫の下痢には、ストレスが原因の場合もあります。
猫がストレスを感じるものは、次のような理由が考えられます。
- 引っ越しをしたことがストレス
- 模様替えがストレス
- トイレが汚れているのがストレス
- 騒音がストレス
- 来客があったことがストレス
- 猫同士の喧嘩でストレス
猫はストレスを感じやすい環境の変化を嫌います。引越しをしたり、部屋の模様替えをしたりすることでストレスを感じます。
家具の配置が変わったり、新しい家具が部屋に置かれたりするだけでもストレスを感じ、下痢をしてしまうことがあります。
知らない場所につれて来られたことがストレス。落ち着かない空間に連れてこられて等でストレスを感じ、胃腸の動きが悪くなるなどして、下痢をしてしまうのですね。
そのほか猫が感じるストレス原因としては、保護したばかりで外を自由に動き回っていた猫であれば、外に出られないことをストレスに感じることもあります。
ストレスの原因と考えられる、引っ越しや模様替えがなければ、猫の生活環境が良くないためにストレスを感じて下痢をしているのかも知れません。
例えば猫トイレが汚れている、ということも猫がストレスを感じる原因となります。
さらに、トイレがずっと汚れたままだと、悪臭がしたり雑菌が発生したりして、猫の体調に下痢などの影響が出てくることにもつながります。
生活環境で猫が感じるストレスの原因としては、聞こえてくる騒音もあげられます。
外から聞こえる工事の音や車の音、人の声だけでなく、飼い主さんが大きな音でテレビや音楽を聴いていたりすることでも猫がストレスを感じて下痢をすることがあります。
ストレスを要因する環境の変化としては、猫の知らない人が家に訪ねてくるだけでも、猫がストレスを感じて下痢をする原因となることがあります。
たとえ飼い主さんの家族であっても、あまり見ることがなければ猫にとっては知らない人間になりますから、ストレスを感じて下痢をすることがあるかもしれません。
無理やり触られたり抱っこされたりすると、さらにストレスを感じることになります。
もし多頭飼いをしていれば、猫同士の関係によっても、猫がストレスを感じて下痢になることがあります。
2.餌
猫の下痢の原因としては、食べている餌も大きな原因と考えられます。
餌を食べた時に、胃での消化や内臓からの吸収がうまくできないことで下痢になると考えられます。
餌を新しいものに変えたり、食べ過ぎたり、長い間放置した餌が痛んでいて食中毒を起こしたり、といったことが下痢をする原因となります。
また、猫が新しく食べたもので下痢になった時には、食物アレルギーや食物不耐性を起こしている可能性もあります。
3.病気
猫が病気になってしまうと、症状として下痢が多く起こります。
腎不全、尿毒症、がん、糖尿病、猫白血病や猫エイズなどの感染症、甲状腺の病気、肝臓の病気、胃腸炎などたくさんの病気が考えられます。
4.寄生虫
猫に寄生虫がいることで、下痢になることもあります。
猫条虫症、回虫症、トキソプラズマ症などがあげられます。特に、子猫の時に寄生虫に感染すると、下痢がひどくなり、命に関わることもあります。
5.異物の誤飲
食べ物以外のものを誤って飲み込んでしまったことで、下痢をしてしまうことがあります。
人間用の薬や、家庭にある洗剤、芳香剤など、食べてはいけないものを食べてしまうことが下痢の原因です。観葉植物や花などをかじっても、猫が下痢になることがあります。
猫がストレスで下痢をする時の対処法
環境に慣れるようにする
引越しなどの環境の変化で感じたストレスで下痢をしている時には、今までと似た環境を作ることで対処しましょう。
猫がなるべくストレスを感じないように、猫ベッドやおもちゃ、猫トイレなどは今までも使っていたものを使用し、猫を安心させてあげるようにします。
家具の配置なども、以前暮らしていた環境に似ている場所を作ってあげるようにするとストレス回避に良いでしょう。
高いところに登るのが好きだったのなら、登れるような家具の配置にする、新しい家具は猫ベッドの近くには置かないなどがストレスを軽減させる方法です。
猫が環境に慣れるためには、時間をかける必要もあります。ただ、ストレスを感じて下痢が続くようであれば、そのまま放置しておくのは良くないので、動物病院に連れていって診てもらいましょう。
猫の生活する場所をきれいにする
猫トイレが汚れていることだけでなく、猫ベッドにごみや抜け毛がたまったり、餌入れが汚れているなどといったことでも、猫はストレスを感じ、下痢につながることがあります。
ストレス軽減のためにも、猫トイレはこまめに汚れた砂を取り除き、定期的にトイレそのものを丸洗いして、常に清潔に保つようにしましょう。
猫は汚れて臭いがするトイレだけでなく、使った猫砂が残っているのを嫌がるという場合もあるほどなので、猫の排泄物や汚れた猫砂は毎日取り除き、綺麗に保ってあげる必要があります。
猫ベッドにあるゴミや抜け毛も取り除いて、餌入れは猫が食べ終わったら洗剤でよく洗って綺麗に流し乾かすようにしてください。
騒音の対策をする
工事など一時的な騒音に猫がストレスを感じていると考えられる場合には、遮音カーテンをつけたりする、猫を音がする部屋から遠ざけるなどの方法があります。
室内飼いをしている猫は、下痢をするほどストレスを感じていても、他の場所に逃げることができませんので、飼い主さんが対処してあげるしかありません。
電車が通る、交通量の多い道路に面しているなどの場合は、窓を遮音ガラスにしたり、防音壁をつけるなどすることも良いでしょう。
また、大きな音でも猫がストレスを感じていることもあります。テレビやオーディオの近くには猫ベッドを置かない、大きな音でテレビを見たり音楽を聴いたりしないなどの対処が必要です。
猫が落ち着いて過ごせる場所をつくる
多頭飼いの場合には、猫同士の微妙な関係があり、猫がストレスを感じて下痢になってしまうことも十分考えられます。
猫それぞれが落ち着いて過ごせるような空間、喧嘩をした時に逃げ込める場所などを作ってあげる必要があります。
猫がストレスで下痢をしないようにする予防法
病気や寄生虫や、誤飲などがないのに猫が下痢をする、猫の下痢が治らないという時には、ストレスを感じているために下痢が起きているとも考えられます。
しかし、猫がなぜストレスを感じているのかストレスの原因を突き止めるのは難しいと言えるので、猫をよく観察して、飼い主さんが考えて対策を取る必要があります。
環境の変化を抑えて下痢するストレスを減らす
引っ越しがある場合には、猫ベッドや猫トイレなど、今まで使っていたものを新しい家でも使うようにしてあげます。
猫は自分の匂いがするものがあると安心するので、猫ベッド、猫トイレは新調しないことをおすすめします。気に入っているおもちゃやクッション、毛布などがあれば、ストレス緩和のために新居でも引き続き使うようにしましょう。
もし新しいものを使いたい時には、まだ前の家にいる間に使い始めるようにしてあげて、突然猫の周りのもの全てが新しいものに変わる、ということが無いようにしてください。または、新しい家に慣れたころに新しいトイレやベッドにしましょう。
猫のトイレを清潔にしてストレスによる下痢を予防する
猫はトイレが汚れていると、そのトイレを使いたがらないということが多くあります。
1日に何度も使う猫トイレなので、汚れたままだといつもストレスを感じていることになります。
猫がトイレを使ったあとはできるだけ早めに汚れた砂を取り除いて、定期的にトイレそのものを洗うようにして、清潔に保ってあげましょう。
猫が安心して過ごせるようにしてストレスによる下痢を減らす
猫を多頭飼いしている時には、一見仲よさそうでも、お互いに何かストレスを感じていることもあります。
何もないのに下痢が続く時には、他の猫との仲が悪くて餌をゆっくり食べられなかったり、休めなかったりといったストレスを感じる理由があるのかも知れません。
猫がストレスをためないように、それぞれが一匹ずつ寛げるような場所を作ることや、喧嘩した時に逃げたり隠れたりできる場所を作ったり、場合によっては猫を隔離したりするといった対処法があります。
また、猫同士だけでなく、生活している環境の変化などにストレスを感じている場合があります。家族構成の変化や、来客などがストレスを感じる原因として挙げることができます。できるだけ慣れていけるように工夫することも必要です。
まとめ
猫の下痢には、病気によるもの、フードによるもの、寄生虫によるもの、何かの誤飲によるものといった理由があります。
そして上記の原因がないのに猫が下痢をしている時には、猫が何らかのストレスを感じていることで下痢になっていると考えられます。
他の下痢の原因と比べて、猫が何にストレスを感じているかがわかりにくいところが難しいと言えます。
猫が下痢をしている時には、まず動物病院に連れて行って原因を突き止めて治療することが大切です。
それでも下痢が治らない、続くといった場合には、もしかしたらストレスが原因かも知れません。治りにくい下痢の原因の一つにストレスがあることを知っておくことは大切です。
40代 女性 なつき
検査の結果、寄生虫がいることがわかりまして、すぐに虫下しの薬を飲ませて下さいました。次の日には、寄生虫が出てきて食欲も徐々に出て、日に日に元気一杯になりました。
体も大きくなると共に、寄生虫に蝕まれることもなくなっていきました。寄生虫がお腹にいると、痩せてしまいますし下痢が続きます。
早急に対処してあげると猫ちゃんも早く元気になります。