猫の貧血の原因や症状とその治療法

猫の貧血の原因や症状とその治療法

猫の貧血について知っていますか?猫を既に長く飼っている人も意外に気がつかない猫特有の病気が貧血です。これは飼育方法が間違っている場合などにも可能性を潜在的に持っていることが知られています。猫の貧血とその対処法について解説いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の貧血の原因

外を眺める猫
  • ウイルス感染
  • 寄生虫
  • 食べ物
  • 体内機能、内臓の異常

「貧血」の大きな原因をご存知でしょうか?一般的には、ウイルス感染、寄生虫や食べ物などから、体内機能、内臓の異常が貧血の要因などと言われています。

今の猫は寄生虫の可能性は低い

地域にもよりますが、猫を外に出した場合はダニが寄生してしまう可能性は高くなります。ですが室内飼いが増えてきていますので猫がヘモバルトネラなどの寄生虫の宿主になる可能性は極めて低いです。しかも原因はこの寄生するダニではなく、非常に小さな原虫が引き起こすことだとわかっています。従ってこの感染の可能性が高いのは、野外で飼育している猫の場合です。ノミやマダニなど、人が野外から室内に持ち込んできた場合も、この貧血の原因となるヘモプラズマに感染する可能性が高くなります。

猫の貧血の症状

寝転がる猫

貧血の程度が軽度であれば、非常にわかりにくいというのが、この病気の厄介なところです。自己免疫性疾患、腎不全の末期、あるいは既にFLeV(猫白血病)などのウイルス感染をしていた場合は、それの併発病状として現れる場合もあるからです。

動物医学会では、「猫の貧血原因を探ることは、限りなく徒労に終わる。」と結論づけています。猫の生活環境、ウイルスに対する免疫力などが関係しているからです。症状は食欲が落ちる、体重が減る、呼吸が荒い、舌や鼻の色が白っぽい、ふらふらするなどが症状です。

「なんとなく最近元気が無いな。」と思って動物病院で検査を受けたら、「血液中のヘモグロビンやヘマトクリット値が減ってます。」と診断されることがあります。赤血球は全身に酸素を供給する細胞ですが、これが減少するということは複数の内臓機能や代謝、あるいは免疫力に関係があるのです。

猫の貧血の治療法

猫と獣医

最初は血液検査で、貧血以外の病気の可能性を探っていくことになります。最初は、そうした病気の治療から行われます。次ノミやマダニ感染、外傷や皮膚炎が無いか調べ、血液検査でそれらの可能性の有無を調べることができます。猫感染症研究会のデータによると飼い猫の26.4%がヘモプラズマに感染していると報告しています。全ての猫に貧血などの症状があるのではなく全く症状を現さない猫も中にはいます。それ以外は溶血性貧血やその他の原因によるものの可能性が高いでしょう。

猫の貧血の治療はリスクを伴う

この猫の貧血で多い猫ヘモプラズマ症は猫の種類は関係ありません。血統も飼い猫であるかどうかも関係ないのです。ヘモプラズマ感染症と診断された場合は抗生剤の長期投与や、重度の貧血が起きている場合には短期的にプレドニゾロンなどを投与する場合もあります。また輸血を行うこともあります。

猫の貧血の予防法

キャットフードと野菜と猫

多くのウイルスや寄生虫の感染は、キャリアの猫との接触で起こります。ノミやマダニの寄生は予防薬を投与することで防ぎましょう。猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスなどは予防接種を行うことや外に出さないことで防ぐことができます。

そして貧血の予防には何より、猫自身の免疫力を子猫時代からよくつけさせることです。これには、無理なダイエットや偏食を止めさせ、純粋に適切な栄養価、成分調整されたフードを与え、冬も室温を人が感じる以上にあげてやる必要があります。

猫は、砂漠地方のような過酷な気温の中で生きてきた動物です。暑さには強く、寒さには弱いです。ただし、成猫ではいつまでもコタツやストーブの前で動かない状態にするのではなく、猫の体温で調整出来る様、体重を適切に維持して体温を下げないような食事の管理が必要となります。

猫の貧血に関するまとめ

寝ている猫

猫を貧血から守るには、予防できることは予防する、室内飼いを徹底し外に出さない、などやはり日頃の健康管理と飼育環境が清潔で衛生的であることが重要です。猫の健康を守れるかどうかは飼い主さん次第なんです。大切な愛猫が貧血になったりしないように、十分に対処してあげましょう。

投稿者

女性 Keiko

ねこちゃんの貧血はわんちゃんよりも結構お話を聞く機会があるように感じます。意外と、貧血でぐったり...というよりは、ねこちゃんは貧血にわんちゃんよりも強いというか耐性があるのかな、という印象があります。健康診断でたまたま見つかるパターンもあるのではないでしょうか。でも、昔と違ってやはり貧血の原因が違って来ているのは、飼い方が変化しているせいなのかもしれませんね。外飼いが減って室内飼いが増えてますし、また情報も多く得られるのでねこちゃんの飼い主さんは勉強熱心でしょうから、しっかり注意してねこちゃんの様子をみてくれていますし、意識も高い方が多いですから、貧血だけでなく他の病気の早期発見にもねこちゃんをしっかりみる、ということは大切だな、と改めて思いました。
投稿者

50代以上 女性 ごじちゃん

アビシニアンの男の子を貧血で亡くしています。
ブリーダーをしている知人から、弱った兄妹のアビシニアンを引き取りました。妹のほうはほどなくして亡くなったのですが、兄猫はしばらく元気に過ごしていました。
もう大丈夫だろうと思った半年頃、食欲がなくなり元気のない状態になったのです。獣医さんに看てもらったら重度の貧血でした。
血管が細くて、血液検査も大変です。検査結果貧血だというのはわかっても、原因はよくわからないままでした。
療法食を与え、定期的に通院をして看ていただきましたが、やはり生来弱い猫だったのでしょう。生後1年を待たずに亡くなってしまいました。
予防注射や栄養のある療法食では、治せない病気もあるのですね。輸血という方法もあると獣医さんに言われましたが、そこまでしてあげられませんでした。残念な思い出です。
投稿者

女性 ゆき

猫の貧血は気が付きにくい病気のひとつです。

症状も、発熱や血尿などが見られる為、猫風邪や泌尿器系の病気を疑う飼い主さんも少なくはありません。そんな時は、肉球の色や歯茎、舌の色を見ることをオススメします。

猫がぐったりするほどの貧血症状が出ている場合、普段はピンク~赤色をしている部分が白くなる傾向があります。飼い主さんが見てそれらの部分が、明らかに白い場合はかなりの確率で貧血を疑っても良いと思います。

まずは原因となる虫が寄生しないようにすることが大切なので、完全室内飼いで外には出さないからといっても、脱走等の可能性も考えられますから、予防接種は念の為に受けておくと安心ですね!

愛猫の健康を守るのも簡単では無いですが、出来るだけ長生きしてもらえるように努力するのが飼い主の役目です^^
投稿者

女性 ふーたん

いざ猫の貧血に気が付いて病院へいっても「原因不明」と言われることも少なくはないそうです。そして原因不明と言われてしまった貧血を抱えている子ほど、明確な治療法がなく、何となくの治療しかできずに短命で終わってしまうことも多いと言われています。

猫の場合、8g/dL未満が貧血の目安になるそうです。こちらの記事にも書かれていますが、貧血予防としては、猫自身に免疫を付けさせるための工夫が必要なので、サプリメントに頼るのも効果的だと思います。

多くの飼い主さんが、貧血予防の為に餌を変える、という手段をとるそうですが、そうして色々な餌を試しているうちに猫の症状がどんどん悪化していくケースが多いと聞いたことがあります。

猫の貧血の原因は、多くが臓器や器官によるものが多いそうです。それに気が付かずに様々な餌を試し(レバーを与えてみる、等)、結果なかなか改善せずに病院へ、というのはよくあるそうですが、猫の貧血に気が付いた時点で病院へいったほうが、臓器の病気等を調べることが出来るため、深刻化せずに済む場合が多いということですね。

私も猫を飼育しているので、猫に貧血の症状が見られた場合には、すぐに病院へ駆け込もうと思っています。
投稿者

40代 女性 匿名

いつも元気にしていた飼い猫が、一昨日から急に動かなくなり、寝たきりでご飯も食べなかった為、急遽病院へ連れて行きました。
血液検査で、重度の貧血でいつ死んでもおかしくないと言われました。血液検査では、原因がわからず、エコー・レントゲン検査をしました。
それでも原因が分からないと言われ、貧血の注射と点滴で帰宅してきました。今も全く動かず、苦しそうに息をしています。明日も来て下さいと言われましたが、他の病院へ連れて行った方が良いのでしょうか。とても辛いです…。
投稿者

50代以上 女性 匿名希望

5日前 12歳の雄猫が亡くなりました。 1ヶ月前めまいのようなふらつきと痩せてきた事が気になり かかりつけ医で血液検査 結果異常なし。 痩せてきたのは高齢猫にはよくあることと言われた。 しかし1ヶ月の間1kgも体重が減り 元気もなくなり 動けなくなってしまったので、夜間診療のある別の病院を受診 最初の血液検査の結果も持参したところ もう異常値を示していると言われた。追加で猫エイズなどの検査もしたが陰性 ウイルス感染を疑い検査をした方が良い 外に出る猫で野良猫と喧嘩したこともあるのではノミダニ由来のものではないかと でも受診したのが遅かった 夜明けに息を引きとりました。
長生きさせるには 室内飼いをするのが一番です。セカンドオピニオン場合によっては必要ですね。 

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