猫のおしっこが出ない原因と考えられる3つの病気

猫のおしっこが出ない原因と考えられる3つの病気

概要

  • 猫のおしっこが出ない原因は身体の病気か飼育環境などのストレス
  • 原因となる病気は主に尿路結石、膀胱炎、腎不全の3つ
  • トイレを清潔にするなど環境の改善の他、運動をさせたりフードを処方食に変える対処が有効

愛猫のおしっこが出ない…そんな経験ありませんか?猫ちゃんが病院にかかる際に非常に多いのが泌尿器疾患、つまりおしっこが出ない、等の尿に関する病気と言われており、どの飼い主さんにとっても決して他人事ではありません。もし愛猫ちゃんにおしっこが出ない等の異変が起きたら?そんな時に参考にしてもらいたい情報をまとめてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫のおしっこが出ない原因

おしっこが出ない猫

「そういえば猫ちゃんが長らくおしっこをしていない、、、」そういった場合、幾つか原因が考えられます。
ひとつは身体の「病気」、二つ目はストレスに関係してくる「飼育環境」です。後者は、飼い主さんの努力と時間が解決してくれるかもしれませんが、病気が原因と思われるサインが見えた場合は早急に対応する必要があります。

猫のおしっこが出ない時に考えられる病気

トイレと猫

おしっこが出ない場合に疑われる病気は、主には下記の3つと言われています。
尿に関する疾患はどれも隣り合わせなので、併発しないよう早め早めの治療が重要です。

猫のおしっこが出ない原因①尿路結石症

尿路結石症は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかに結石ができる病気です。

その兆候は様々で、「一日のおしっこの回数が多い(3~4回以上)」「一回当たりのおしっこの時間が長い」「おしっこに血が混じっている」など、おしっこをしている様子から発見出来るケースが多いようですが、尿路結石が痛くておしっこが出来なくなっている場合も十分にありえます。

また、尿路結石症による欠席が尿道や尿管につまることで排尿が出来なくなり、尿毒症を引き起こす恐れがあるので、早急に専門機関の治療が必要となります。

猫のおしっこが出ない原因②膀胱炎

膀胱炎は、膀胱が炎症が起こすことで腫れや痛みで頻尿になったり、排尿量が少なくなる病気です。

医学的な原因として、尿道から入った細菌が原因で炎症を起こすと言われていますが、
「突発性膀胱炎」という原因がはっきりわからない症例も多く、肥満、飲水不足、寒さ、ストレスによるものではないか?と考えられています。特に若年の猫に多く、さらに尿道の細いオスに発症しやすい傾向にあるようです。

猫のおしっこが出ない原因③腎不全

腎不全は、腎臓の機能が低下することで老廃物の排出が出来なくなってしまう病気です。

老廃物の処理が出来ない状態なので、全身に毒が回った状態になり重症化すると嘔吐やけいれんが起こることもあります。さらに腎臓の組織がどんどん壊れていくと尿を作ることが困難になり無尿状態になりおしっこが出なくなります。

猫のおしっこが出ない時の対処法

おしっこが出なくて苦しい

トイレを清潔にする

猫ちゃんは”家になつく”と言われるくらいに、非常に環境に左右される生き物であり、非常にキレイ好きです。自らの身体のブラッシングはもちろんのこと、自身が排泄する場所の清潔さを非常に気にします。

砂やトイレシートを定期的に変えるのはもちろんですが、お家の中でのトイレの配置やタイプが原因でおしっこが出来ていない可能性もあるので、清潔を保つために2週間に一回程度は丁寧な拭き掃除をしてあげましょう。

お水をたくさん飲ませる

おしっこを出してもらうためには、その元となるお水を飲んでもらう必要があります。しかし、トイレと同様に猫ちゃんは食事の環境にも非常にデリケートです。心地よくお水を飲んでもらうために、「器を清潔に保つ」「器を置く場所を変える」なども試してみましょう。

運動をさせる

人間同様、排泄に重要なのが運動。猫は本来狩猟本能を持っており、しっかり動き回れる環境が無いと、慢性的運動不足及び大きなストレスの原因となります。

爪とぎ、キャットタワーはもちろんのこと、おもちゃを通したコミュニケーションで定期的に発散させてあげましょう。

処方食に変える

尿石症や膀胱炎になる原因には「フードのミネラル分が合わない」「飲水量不足」「ストレス」などが考えられます。この場合は投薬も大切ですが、思い切ってフードの変更を行うほうが早く良くなることが多いです。

また、腎不全は知らない間に進行し、症状が出るときには腎臓の機能の3/4が失われています。シニア期に入る前から腎臓用の処方食に変えるほうが寿命が長くなるともいわれています。

まとめ

トイレでうなだれる猫

如何でしたか?代表的な原因や対処法を挙げましたが、猫の異常を感じたらまずは早めに動物病院にかかることをオススメします。プラスで普段からの予防を積極的に行うことで、発症率は更に下がることでしょう。愛猫ちゃんとのハッピーライフを過ごすために、普段の生活しっかりケアしてあげて下さいね♪

投稿者

女性 ゆんゆん

記事にもありました、猫の特発性膀胱炎の治療法についてもう少し詳しく述べます。推奨されている治療法に、ストレス管理、栄養療法、トイレの管理が挙げられます。まずストレス管理について。猫の不適切な場所での排泄を発見しても、罰は与えない方が良いです。懲罰でトイレトレーニングすることは、一貫性がなかったり、タイミングが悪いと効果もなく、猫に不安や恐怖、ストレスを生じさせてしまいます。また、多頭飼いの家では、猫同士の関係も重要です。猫同士の喧嘩はストレスの要因となります。猫同士の関係改善には猫が利用可能なおもちゃを室内環境に豊富に用意することです。1匹ずつ休めることのできるキャットタワーを設置したり、相性の悪い猫同士は隔離したりすることも良いでしょう。次に栄養療法について。特発性膀胱炎には水分を多く含むウェットフードやオメガ3脂肪酸、抗酸化成分を含む療法食の利用が推奨されています。ヒルズのc/dマルチケアが有名ですよね。さらに、フードを与える際にはキャットタワーや何かしらの遮蔽物を使って猫1匹のプライバシー空間を作ると良いです。最後にトイレの管理についてです。特発性膀胱炎を認めた時には、トイレの場所を変えてみる(騒音の少ない場所など)、スタイルの違うトイレにしてみる(カバーをはずずなど)、トイレの下の素材を変えてみる、トイレ掃除をこまめに行うなど、一つずつ試してみると良いでしょう。理想的なトイレとして、大型で、砂は粘土質で固まるタイプ、5センチ以上の砂がある、清潔で、猫が近づきやすいが人通りなどは少ない場所にあることが挙げられます。猫の特発性膀胱炎にはストレスが原因の一端となっています。これらの治療法は猫の行動学的アプローチも含まれているため、実践してみてはいかがでしょうか。
投稿者

40代 女性 みゅう

猫のおしっこが出ないという問題は、我が家の猫たちにとっても、飼い主のわたしにとっても深刻で気が重くなる問題のひとつです。

我が家では多頭飼いをしているのですが、そのうちのオス猫(11歳)は生後9ヶ月の時点で尿路結石症と診断されました。
生後9ヶ月というと、わりと猫たちがトイレの習慣が完璧にできるようになる頃なのですが、その子だけ妙に積極的に何度もトイレに走って行く、トイレの時間が長いかも…、という状態になりました。
当時、わたしは今ほど猫の病気や猫の発達に強く関心を持っていたわけでもなかったので、「あれ?どうしたのかな」程度でした。今思えば、非常に飼い主として「意識が低い」状態だったと思います。
やがて、猫は血尿をするようになりました。

その後、直ぐに動物病院に連れて行き検査しました。家庭で尿を採取し、病院でphを計測。さらに投薬を続けることになり、そして療法食に切り替えました。
あれから10年も経ちます。

猫のおしっこがでない原因と対処法は、記事にあるとおりですが、そこからもう一歩、具体的な事柄を提案したいと思います。

これは投薬にも通じることですが、お水を沢山飲ませるために、日頃からプラスチックのシリンジ(針のついてないプラスチック製の注射器)を使って、猫に飲ませる練習をしていた方がよいと思います。
いざ、「お水を飲ませたい」と思って、器をキレイにしただけで猫が直ぐに水を飲むとは限らないのです。緊急の場合を想定し、いつでも猫に給水できるようにしておくべきです。

また、これと同様に自宅での採尿も想定し、何度か練習をするべきだと提案したいところですが、採尿するような状況には滅多にならないと思うので、まずは給水を徹底するべきかもしれません。

かつて、これまで飼った猫の中には、シリンジを使っての給水も習慣化していないために、水を与えるだけでも大暴れで、非常に苦労した経験があります。おしっこが出ない場合や、猫の体調不良など、具合が悪い時に、ますますストレスを与えるやり方で水を飲ませなくてはならず、非常に大変でした。

トイレの形、砂、置き場所なども、猫に負担にならないよう配慮するべきですね。
現在、手ごろな価格で、吸収率もよく、臭わず、使いやすい、とても品質の高い砂も多く販売されるようになってきました。しかし残念なことに、数あるトイレの砂とは言えども、はっきりと一目で血尿だと判断できない砂も多いです。
トイレの砂についても、常に健康のバロメーターとなる猫のおしっこの状態を把握しやすい物、猫が好む砂の質などを見極めて、快適なトイレを用意してあげたいですね。
予防を心がけつつ、いつでも対処できるように準備しておくのが賢明だと思います。
投稿者

40代 女性 ゆきじろう

うちの猫ちゃんが、おしっこがでにくくなって、どうしたのだろうと獣医さんに相談したところ、すぐに連れてきて下さいと言われましたので、診察に連れていきました。
すると、膀胱炎になっていました。ストレスだということがわかりました。旅行の間の3日間ペットホテルに預けていたのを思いだし、納得しました。すぐに治療をしていただきました。抗生物質がよく効いて尿が出て、2日以内には尿の色も綺麗になりました、ホッと安心しました。結石になる前でよかったです。結石ができてしまうと痛くてかわいそうなのでこれからも気を付けようと思います。
投稿者

50代以上 女性 お母さん

五歳のネコが爪を引っ掛けて病院に連れていってエリザベスカラーをつけているのですが
やっとこさ落ち着いてきたのですが、おしっこをしなくなりました。
おしっこをもっていかないと原因がわからないといわれましたが、こういう経験をされたことが
ある方はおられませんか?ストレスであってほしいです。
投稿者

30代 女性 はなこ

うちの猫ちゃんが、膀胱炎になったときに尿が出にくくて可哀想でした。
獣医師に診ていただいて治療をしていただきました。抗生剤を点滴して利尿剤を注射していただきました。一晩入院しましたら、おしっこも出るようになってきて、安心しました。
猫ちゃん自身もお腹の痛みがなくなってきて、元気になりました。体力が弱っていて菌に感染しまったのとストレスが原因だといわれました。
来客が多かった時期だったので、ストレスになったんだと思います。これからは、人とは外で会うことにして猫ちゃんにはのんびりしてもらおうと思いました。

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