猫が尿漏れをする原因と考えられる病気

猫が尿漏れをする原因と考えられる病気

猫ちゃんが尿漏れをしてしまったらどうしたらよいでしょうか。猫は、泌尿器のトラブルが多いと言われている生き物なのです。猫の尿漏れについてと、飼い主さんが知っておくべき予防法についてご紹介します。

1846view

監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫が尿漏れをする原因

病気で手当される子猫
  • 膀胱炎、尿結石の病気が原因で尿漏れをする
  • ストレスを感じて尿漏れをする
  • トイレが気に入らないので尿漏れをする
  • 尿漏れではなくマーキングをしている

猫が尿漏れをしているという事は正常な状態ではありません。基本的に猫は、トイレの場所を覚えれば、トイレ以外での排尿はしません。もし尿漏れしてしまうとなると、原因がいくつか考えられます。

尿結石が原因で尿漏れをする

猫が泌尿器の病気にかかるとトイレ以外での尿漏れがよく見られます。尿結石であれば、尿道が詰まって膀胱がいっぱいになり、尿の圧力が高くなってポタポタと尿漏れをしてしまう可能性があります。

膀胱炎が原因で尿漏れをする

  • 膀胱が炎症を起こす病気
  • メスがかかりやすい
  • オシッコする際に痛みが出るのでおしっこを我慢して尿漏れする
  • 避妊手術を受けた猫が高齢になると尿漏れをしやすい

尿漏れで多い病気の膀胱炎は、炎症のために常に残尿感があるような状態になります。またおしっこを我慢することができずに、尿漏れしてしまうこともあります。こちらはオスよりも尿道が短いメスの方が細菌に感染しやすいのでかかりやすいと言われています。

または尿をするときに痛みがあるため、トイレに入りたくないために、トイレ以外で尿漏れしてしまうこともあります。また、避妊手術をしたメス猫が高齢になると、尿が少しずつ出るなど、失禁してしまうことがあります。

猫がストレスを感じて尿漏れをする

病気でなくても、尿漏れをしてしまうことはあります。落ち着ける場所がない、ケージに入っていて運動できない、他のペットや同居の家族と仲が良くない、などの理由から、ストレスを感じていると、尿漏れをしてしまうことがあります。

尿漏れではなくマーキングしている

自分の匂いをつけるマーキング行為、オス猫のスプレー行為の時もトイレ以外でおしっこをしてしまいます。お漏らしというよりも、わざと尿で主張をしています。

尿結石や尿路閉塞は、若いオス猫や去勢されたオス猫に多いとされています。オス猫はスプレー行為をするので、尿道の先端が細くなっているため、尿石が詰まりやすくなっているからです。オス猫を飼っている場合は、尿漏れには特に気をつけていたほうが良いでしょう。

猫がトイレを気に入らないから尿漏れをする

猫は綺麗なトイレでなければなかなかおしっこをしません。排泄物が残っていると、トイレ以外で尿漏れなど粗相をしてしまうことも多いでしょう。普段から排泄物は早めに処理してトイレを綺麗に保っておくと、それだけで粗相しなくなることもあります。

猫の尿漏れと病気の症状

トイレに座る子猫

猫が次のような行動をしていたら病気かも?

  • トイレに入って長い間用を足している
  • ポタポタと尿漏れしてしまう
  • 何度もトイレに入る
  • 血尿を出している
  • 元気が無くて、ぐったりしている

猫の膀胱から尿道にかけての器官を下部尿路といい、この部分で起こる病気を総称して、「下部尿路疾患」と言います。下部尿路疾患の主なものは、膀胱炎、尿結石、腎不全です。猫の尿漏れを見つけたら、この病気を疑ってみると良いでしょう。下部尿路疾患は、主にオス猫に多いとされます。

猫が尿漏れをする病気

濡れたカーペットと猫
  • 膀胱炎
  • 尿結石
  • 腎不全

猫が尿漏れを起こす病気には膀胱炎、尿結石、腎不全などがあります。

膀胱炎

猫が尿漏れを起こす事がある膀胱炎は膀胱に炎症が起こった状態です。膀胱は、腎臓から送られてくる尿を一時的に貯めておく器官です。

尿道から入った細菌が尿管を伝って逆流してしまい、膀胱に入ってしまって炎症を起こします。膀胱炎が悪化して腎盂腎炎になり、腎臓まで悪化させてしまうこともあります。

尿石症

猫が尿漏れを起こす病気の尿石症は膀胱や尿道などおしっこの出る尿道口に近い部位に、結石が詰まって、膀胱や尿道に傷ができてしまった状態です。結石とは、尿中のマグネシウム、アンモニウムなどが固まって結晶になったものです。

猫の尿路結石には、ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石がよく見られるとされています。尿石症になると、うまくおしっこが出来ず、尿漏れしてしまうことがあります。

腎不全

  • 水をたくさん飲む
  • オシッコの回数が増える

腎臓の機能が働かなくなってしまい、体内の有害な物質を、体の外に排出できなくなった状態を言います。水を飲む量が増え、おしっこの量も増えていれば要注意です。

水をたくさん飲んでおしっこをしても、腎臓が働かないので体外に老廃物などを出せなくなり、体内にたまっていきます。腎不全が進んで尿毒症になると、命に関わります。

慢性腎不全

慢性腎不全は、数ヶ月から数年かけて、ゆっくりと腎臓の機能が低下していきます。失われた腎臓の機能はもう元に戻らないと言われています。

急性腎不全

急性腎不全は、腎臓の働きは数時間から数日で急激に低下してしまう病気です。おしっこの量が減り、元気がなくなり、嘔吐することもあります。急性腎不全は、発症後にすみやかに適切に処置を行えば、回復することもあります。

猫の尿漏れを予防する方法

トイレと2匹の子猫

猫が気に入るトイレを心がける

猫が尿漏れをする原因の一つにトイレが気に入らないという事がありますので、いつも猫トイレを綺麗にしておいてあげましょう。出来れば、排泄したらすぐに、汚れた部分の砂を捨ててしまうのが良いでしょう。

トイレを普段から綺麗にしておけば、猫の尿漏れを見つけた時に、トイレ以外の理由だと予想することができます。病気を早く発見出来ることにつながります。

猫のストレスを減らし尿漏れを予防する

  • 落ち着ける場所を作る
  • 猫が運動できる場所を作る
  • 猫が運動出来るような高いところを作る

猫はストレスを感じて尿漏れをする事があります。飼い主や他のペットなどに邪魔されず、落ち着いて過ごせる場所を用意してあげてください。隠れられるような場所も作ってあげると良いですね。

運動不足も病気につながります。運動量が減れば、水分摂取量も減ってしまうからです。猫が体を動かせるスペースを家の中に確保してあげてください。

キャットタワーやキャットウォークなどを利用して、高いところに行けるようにしておくと良いでしょう。落ち着ける場所を作ることも出来て、猫に必要な上下運動もできます。

猫の食生活に気を配り尿漏れを予防する

  • 飲み水をいつも飲めるようにしておく
  • 猫に適切なフードを与える

猫が尿漏れをする病気を防ぐために、食生活や水を飲む環境を見直す必要があります。

猫はもともとあまり水を飲まない生き物です。飼い主さんは、出来るだけ猫が水を飲むように仕向ける必要があります。水を複数置く、水の温度をぬるくする、流れる給水器を使って水に興味を持たせるなどです。

人間が食べているような加工食品は尿漏れをする病気の原因になりますので、あげないようにしましょう。猫用のおやつも与えすぎはよくありませんし、総合栄養食である基本のフードを食べない原因にもなります。

適切なフードと水を普段からあげるようにしてください。猫の下部尿路疾患対応に作られたフードも販売されています。

寒さ対策をして猫の尿漏れを予防

さらに冬場の寒い時には、あまり活動しなくなり、水を飲むことも減ります。すると体内で作られる水分量が減ってしまうので、おしっこが濃くなり、尿漏れを起こしていますような尿路疾患にかかりやすくなってしまいます。

このような理由で、水を飲むようにするだけでなく、寒さ対策も必要です。

定期検診を受けさせ、尿漏れの病気を予防する

尿漏れを起こすような病気などは飼い主の判断だけではわからない場合もあります。

普段の生活で急に猫が尿漏れしたらびっくりしますが、いつも目の前でお漏らししてくれるわけではありません。気づかないうちに病気が進行するのを防ぐためにも、獣医さんで定期検診をしてもらいましょう。

もし尿漏れの問題がすでに出ていれば、受診した時に相談すると良いでしょう。

猫の尿漏れについてのまとめ

黄色いトイレットペーパーと子猫

猫が尿漏れをした時には、出来るだけ早く動物病院で診てもらうことをお勧めします。特に我慢しているのにポタポタ漏らしている、出そうとしているのに出せない、という場合は病気の可能性が高いと言えるでしょう。

体に異常があれば早期発見が肝心ですし、何もなければ、それから病気以外での尿漏れ対策をしていけば良いのです。

病気でない尿漏れの場合には、マーキングなど猫の習性によるものや、トイレや生活環境が良くないなどの理由が考えられます。
その場合には、猫の様子を見ながら対処していくことが出来ます。

猫の健康のために、普段から猫のトイレの使い方や尿漏れについて、気をつけて見てあげるようにしましょう。

人気のキーワード