メラノーマと診断された!寿命や手術などの治療法とは?

メラノーマと診断された!寿命や手術などの治療法とは?

猫の腫瘍の中で皮膚の癌の代表的なものに「メラノーマ」があります。メラノーマは進行性が早く、他の臓器に転移したり悪性の可能性も高いため寿命に大きく影響を与えます。もし愛猫がメラノーマと診断されたら、余命や治療方法、そして私たち飼い主がしてあげられることを今回お話ししたいと思います。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫のメラノーマとは悪性黒色腫

猫の耳の皮膚にあるできもの

メラノーマとはメラニンという色素を作る細胞が腫瘍化したもので、別名悪性黒色腫とも呼ばれています。このメラニンは紫外線で細胞がダメージを受けないようにしてくれる役割をもっており、皮膚の粘膜や表皮、目の虹彩や脈絡膜、毛様体などに存在します。

そのため猫のメラノーマはメラニン細胞が存在する口腔内や目、皮膚などに多く見られます。皮膚にできるメラノーマのほとんどが鼻や唇、耳に出やすく、四肢にも発症することもあります。

また猫のメラノーマについて詳しく記載されている記事がありますので、ぜひこの機会に目を通してみてはいかがでしょうか。

メラノーマ発症後の余命は

ダルそうに横になっている猫

人間のメラノーマは紫外線が原因と考えられていますが、猫のメラノーマはハッキリとした原因が分かっておりません。ですが全体の割合として高齢猫がメラノーマになりやすい傾向があり、もし悪性のメラノーマであれば平均的な寿命は半年〜1年くらいといわれています。

特に体力がない高齢猫や、病変部位、他の臓器に転移しているなどの場合はさらに余命は短く、末期状態であればおよそ1ヶ月くらいになることもあります。メラノーマは進行性が早く、悪性の確率も高いので寿命に大きく関わってきます。

病変部位にもよりますが、一般的に猫のメラノーマは外科的手術をおこないます。しかし年齢や転移などにより手術ができない場合は、抗がん剤治療や放射線療法をおこなうこともあります。

猫の状態や進行度合い、治療法などによっては猫の余命が変わってきます。また口腔内にメラノーマができた場合は顎の骨も一緒に切除する必要があったり、腫瘍が大きければ食事や水を飲むことさえも困難になるなど、発症部位によっては生活環境に大きく関わり、寿命に影響が及びます。

猫のメラノーマは初期段階ではあまり症状が現れないことも多くあります。早期発見が少しでも寿命を長くすることができると思います。

メラノーマの手術費用はいくらくらい?

術後服を着て横を向いている猫

メラノーマがある部位にもよりますが一般的な治療法として手術をおこなうケースが多く、かかる手術費用はおよそ5〜6万円ぐらいになるのではないかと思われます。あくまで参考価格であり、メラノーマといっても口腔内や四肢、耳など部位や大きさによって費用が変わることがあります。

もちろん動物病院によってそれぞれ費用が異なりますし、麻酔をかけておこなうため一般状態の確認も含めて事前に血液検査やレントゲン検査などをします。

またメラノーマでも良性か悪性かどうか判別するためには、病理検査をおこなう必要があり約5000~1万円程かかります。

他にも部位によってはCT検査などもおこなうこともあるため、内容によってかかる費用が高くなることがあったり、場合によっては大学病院へ紹介されることもあります。

しかしメラノーマは老猫に発症しやすいので、体力がなかったり、すでに腎臓病など持病をもっている場合は手術をすることができないこともあります。また肺などに転移しており、手術しても改善の見込みがない場合も手術をしないことがあります。

メラノーマと診断されても良性である可能性もある

ネズミのオモチャで遊ぶ猫

猫の腫瘍の8割程が悪性といわれているため「メラノーマ=悪性腫瘍」というイメージがあると思いますが、メラノーマになったからといって必ずしも悪性という訳ではありません。メラノーマでも良性である可能性もあり、病理検査で判別することができます。

またメラノーマと診断されても大きさが変わらず進行していなかったり、診断されてから3〜4年以上元気に過ごしているなど、特に症状が現れていない場合は良性の可能性が高いと思われます。

しかし猫は具合が悪くても症状を隠す習性があったり、食欲低下など加齢によるものと勘違いしやすく、メラノーマと気づかないことがあります。そのためなかなか猫の異変に気づくことが難しいため注意が必要です。

また瞼などの粘膜や皮膚にできたメラノーマは良性のケースが多いです。

メラノーマと診断されたら。飼い主ができること

獣医師と猫を抱いた女性の飼い主

正しい治療を受けさせる

特に悪性のメラノーマの場合、肺など他の臓器に転移しやすく寿命に大きく影響を及ぼします。早めに適切な治療を受けることで、少しでも長く寿命を伸ばすことができるかもしれません。

またメラノーマがある部位や、猫の状態によって抗がん剤や放射線療法などが外科手術よりも適応される場合もあったり、残念ながら治療が難しければ対症療法として痛みや苦痛からの緩和など、その子に合った治療プランを選択し受けることが大切です。

手術をするか否か相談する

猫のメラノーマの一般的な治療法としては手術をすることですが高齢だったり、転移している、すでに持病があるなど難しい状況があるかと思います。

また手術をしたからといってメラノーマが完治できたとはハッキリ言えることもできないため、手術をするかどうか獣医師としっかり相談することを勧めます。

セカンドオピニオン

メラノーマの悪性度や部位、猫の年齢などによって異なることがありますが、セカンドオピニオンとして違う動物病院へ受診することも飼い主が選ぶことができる1つの選択肢でもあります。

動物病院によって治療内容や考え方が違っていたり、費用面も異なるので信頼できる病院を見つけることも大事だと思います。

QOLの維持

メラノーマができる部位にもよりますが、口腔内にできた場合はうまくごはんを食べることができなくなったり、目にできた場合は眼球ごと摘出しなければいけないなど生活環境に支障が出てくることがあります。

そのため治療だけではなく、猫が少しでもストレスがなく楽に過ごせるようにQOLの維持ができるように配慮してあげることも大切です。

まとめ

気持ちよさそうに眠るアメリカンショートヘア

メラノーマとはメラニン細胞が腫瘍化したもので、猫の場合は主に口腔内や鼻、耳、四肢などにできやすく高齢猫に発症しやすい傾向があります。

猫がメラノーマと診断されたとしても良性の場合もありますが、悪性だった場合は肺などに転移しやすく残された時間が短くなってしまいます。

一般的には外科手術をおこないますが、年齢が高齢で持病を抱えていたり、すでに他の臓器に転移しているなどの場合は手術をすることができないこともあり、放射線療法や抗がん剤治療といった治療内容を変える必要があるため、かかりつけの獣医師にしっかり相談することが大切です。

またそれに伴う痛みや苦痛を取り除いてストレスを少しでもあたえないように配慮することも大事だと思います。

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