飼育環境が変化した猫への4つのフォロー

飼育環境が変化した猫への4つのフォロー

猫は、環境の変化を嫌います。私達が、引越しや出会いなど新しい環境にわくわくする感情とは違うようです。飼育環境が変化した時に猫へのフォローは、どんな事が大切か見てみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

飼育環境が変化した猫へのフォロー

ダンボールと猫

飼い主さんの引っ越しなどの事情で、今までと違う場所で猫が生活をしなくてはいけなくなった。新しい猫をお迎えしたなど、今までの生活と違う環境になった時の、猫へのフォローをご紹介します。

1. 猫のテリトリーを確保してあげる

ダンボールとおもちゃと猫

飼育環境が変化した時に、猫が一番嫌がるのは、自分のテリトリーがなくなることです。猫には必ず、テリトリーを確保してあげるようにしないとだめなのです。また、猫は警戒心が強いため、普段と同じように生活できる環境を作ってあげないといけません。猫が落ち着けるスペース(狭い所、隠れられる所)などを確保してあげたり、猫のお気に入りのベッドやおもちゃで、変化した環境のフォローをしてあげて下さい。

2. 匂いのある物をそばにおく

眠る猫

猫にとっての「匂い」は安心できるものです。環境が変化して、匂いのある物をそばに置いておくと良いでしょう。猫は匂いから、自分の愛着のあるものと認識します。飼育環境が変化して、知らない匂いに不安になります。猫が安心できるために、愛用している猫の食器、タオル、トイレや飼い主さんの匂いのある衣類などを必ず置いておくようにしましょう。

3. 猫との時間を作る

猫と遊ぶ女性

猫との時間を作るのも大切なフォローだと思います。飼育環境の変化もいろんなシチュエーションが考えられます。例えば、新しく家族が増えた時はどんなフォローをしてあげるべきなのでしょうか?やはり、知らない猫が自分のテリトリーに侵入してくると、猫は威嚇してしまいます。猫は「テリトリーを荒らされる」「怖い」などの感情になってしまうようです。

最初の猫同士の対面には、ゆっくり時間をかけてあげないといけません。また、新しい家族を受け入れて貰うには、先住猫の気持ちも優先してあげるのが大切です。いつもより猫との時間を増やし、スキンシップをするようにしてあげましょう。

4. 驚かせる事を避ける

驚く猫

飼育環境が変化した時に、猫には驚かせないようにする事が先決です。ただでさえ、猫は落ち着かずにビクビクした環境にいます。更に驚かせるような事があれば、ストレスもどんどん悪化してしまうのです。大きな音などで猫を驚かせないようにしてあげましょう。環境の変化で、猫が隠れたりした時に無理に出そうとするのも辞めましょう。猫のペースに任せてあげるようにしましょう。

猫が飼育環境が変化するのを嫌がる理由

木箱の中の猫

猫の行動範囲は狭い

猫の行動範囲は、狭い方だと言われています。猫の行動範囲が狭い=テリトリーは狭いと言えます。猫は新しい場所に興味はなく、同じ場所で落ち着きたいのです。とくにメス猫は、生まれた場所から600m以上離れようとしないそうです。

オス猫にしても、メス猫の3倍は行動範囲が広いようですが、繁殖期などの理由がない限り、行動範囲を広げようとしません。猫はよっぽどの事がない限り、テリトリーを広げず、今あるテリトリーを守ろうとする本能があるのです。つまり、猫は飼育環境が変化すると、いちからテリトリーを確保しないと安心して暮らせないのです。

猫は匂いを嗅ぎ分けて判断する

猫は、視覚よりも臭覚が優れていると言います。人間は、相手を顔や名前で判断しますが猫の場合は匂いで判断します。猫は匂いから母猫が我が子の区別をしたり、コミュニケーションや意思の疎通を交わします。猫は視覚に頼らずに、匂いを嗅ぎ分けて判断するという事なのです。つまり、飼い主さんの匂いが違ったり、知らない匂いには不安になり落ち着かなくなるのです。

猫は安心を求める

猫を飼育する時に一番気をつけるのは、猫が安心出来るようにする事なのです。安心できる環境でないと、私達もストレスを抱えて生活してしまうのと、同じ感覚なのではないでしょうか。猫には、住み慣れた環境が何よりも安心できるのでしょう。安心できるスペース、安心できる匂い、安心できる飼い主さんがいる環境が、猫には大切な事だと言えるでしょう。

まとめ

たまきち

飼育環境が変化した猫へのフォローに関して紹介しました。猫を飼うと、環境の変化にはフォローが必要になるのです。猫は新しいものへの興味はありません。いつも通りが好きなのです。

都合上、飼育環境が変わることもあると思いますが、その時は猫へのフォローを忘れないようにしないといけませんね。

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