猫の『老化サイン』12個

猫の『老化サイン』12個

当たり前ですが猫も人と同じように、歳を取っていきます。 近年、動物医療の発展もあり猫の寿命が伸び、それに伴って認知症などの老化による病気も増えて来ました。では猫が老化したと考えられるサインには、どんなものがあるでしょうか?チェックして行きましょう。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

見た目編

座る猫

見た目にあらわれる、猫の老化サインは以下の通りです。

1.目の異常

目を閉じた猫

老猫になると目ヤニが増えたり、腎臓病や心臓病による高血圧が原因で目が見えなくなったりします。視力が低下すると、歩く時家具にぶつかることも。部屋の中で安全に過ごせるように角をカバーする、段差をなくすなど工夫してあげると良いでしょう。

2.歯が黄ばむ

口を開ける猫

老猫になると、歯垢や歯石で歯が黄ばんでき来ます。また、歯周病が進行し歯が抜けたり、口臭がキツくなったりすることもあります。ある程度は仕方ない部分もありますが、できるだけ健康な口腔内環境歯を保てるように若いうちから歯磨きの習慣を欠かさないようにするのがオススメです。

3.毛にツヤがなくなる

毛ヅヤが無くなった猫

毛にツヤがなくなり、毛が束になって割れてしまう「毛割れ」が起きてきます。老猫になるとあまり毛づくろいをしなくなってくることがあり、毛並みを整えられずバサバサになってしまうのです。また、水分やタンパク質をしっかりと補給できるよう、食事内容にも気をつけてあげると良いでしょう。

4.白髪が出てくる

白髪のある猫

猫も人と同じように、老猫になると白髪が出てくることがあり来ます。明らかな白髪の場合もありますし、全体的に被毛の色が薄くなることも。以前ははっきりと見えていた模様が、色が薄くなったことでぼやけてきた、なんてこともあるのです。

5.痩せる

痩せた猫

老猫になると食欲が減り、運動量も減ることで筋肉も減るので、だんだんと痩せてくるのが一般的です。ですので、猫に合ったご飯を与えることが大切です。ドライフードが固くて食べられないようでしたら、ウェットフードに切り替える、お湯やスープなどでふやかすなどして、柔らかくしてあげるのも方法の1つです。

また、運動もだんだんとしなくなってくるので、飼い主さんが意識的におもちゃで遊ぶなどして運動させてあげましょう。ここでの注意点として無理に動かす必要はなく、猫の負担にならない程度の運動を、させてあげてください。ただ、老化現象ではなく何か病気が原因で食べられない、運動ができないという場合には、治療をしてあげた方が良い場合もあるので痩せてくるようであれば一度、かかりつけの先生に相談しましょう。

6.お腹がたるむ

お腹を出して寝る猫

お腹がたるんでくるのも、老猫になったサインです。前述したように、体表の筋肉が衰えてきますので、それと同時にお腹がたるんでくるのです。これは人も同じですね。

ちなみに、若い猫でもお腹の皮膚がたるんでいることがあります。これは老化でも肥満でもなく、ルーズスキンと言われるものですので、問題ありません。

行動編

こちらを見る猫

猫が老化してくると、行動にも変化が現れます。

7.寝る時間が増える

寝る猫

普通でも猫はいつでも寝ているイメージですが、老猫になると更に、寝る時間が増えてきます。ですので快適に過ごせるベッドを用意してあげましょう。柔らかすぎると立つ時に負担がかかりますので、適度な硬さのあるベッドの方が良いでしょう。

8.反応が鈍くなる

目を閉じる猫

音や動きに対する反応が、鈍くなってきます。以前はおもちゃを出すとすぐに飛びついて来た猫が、あまり良く反応しなくなるかもしれません。

また、走るより歩くことが多くなった、以前なら飼い主さんが帰宅すると出迎えてくれていたのに来なくなったなどの変化が現れる場合もあります。

9.運動量が減る

ぐったりした様子の猫

老化が進むと段々と運動しなくなっていくのですが、これが筋肉の減少をより早めてしまいます。できるだけ猫に運動させることで筋肉の減少を遅らせることができますので、飼い主さんが心がけてあげましょう。

猫に運動させるには、おもちゃで遊ぶのはもちろん、ご飯を少し高い場所に置く、1日分のご飯を小分けにして、家の中の様々な場所に置くなどすると自然と運動量が増えることになります。どうやったら猫を動かすことができるか、考えてみるのも楽しそうです!一方で関節痛などの痛みが原因であまり動けない猫に、この方法を行うと返って悪化させてしまうので、歩き方が変・足にあまり体重をかけられていないなどのことがあるようであれば、かかりつけの先生に相談しましょう。

10.今までのようにご飯が食べられなくなる

餌を食べる猫

老猫は前述したように、運動量が減る傾向にありますので必要とするカロリーも減ってきます。また、食べる時に使う筋力の低下や歯周病が進行して痛みで食べにくいといったことも出てきます。最近では年齢別の様々なタイプのキャットフードが市販されているので食べやすいものを選んであげるも良いかもしれませんね。ですが、猫がフードに指定されている年になったからといって、急激に切り替える必要はありません。それぞれの状態を見てそれぞれに合うフードを、選んであげてください。

11.夜中に鳴く

夜中に鳴く猫

夜中に突然、大きな声で鳴くようになる場合も。原因は病気や痛み、認知症、不安などが考えられます。一度、獣医師に相談しましょう。

また、猫が夜鳴きを始めると飼い主さんも睡眠不足になり大変ですが、優しく接することで猫が安心し、鳴き止む場合もあります。なるべく、猫と優しく接するようにしてあげましょう。

12.粗相する

トイレ横の猫

トイレに間に合わず粗相する、認知症による粗相なども老化のサインです。猫がいつも寝ている場所の近くに、トイレを置いてあげると良いでしょう。

まとめ

シニアに抱かれる猫

猫は7歳からシニア期と言いますが、実際に老化のサインが顕著に現れてくるのは10歳頃からです。ただこれには個体差があり、10歳を超えてもあまり変わらない猫もいます。

年齢の数字にこだわるのではなく愛猫の状態・様子を見て、老化を見極めていくことが大切です。

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