映画「ねことじいちゃん」の魅力
1.本当にほぼ全シーンに猫が登場する
猫を題材にしている映画は数多く存在しますが、ほぼ全シーンに猫が登場する映画はなかなかありません。今回監督を務めた岩合光昭さん(以下岩合さん)は、公開前に「全シーンに猫が登場します」と仰っていました。
実際に観てみると、本当にどのシーンにも猫が登場していました。人間にスポットが当たっているシーンでも、常にさり気なく猫が登場します。
2.生き生きとした猫たちの素晴らしい表情
岩合さんは、映画監督としては初作品になりますが、動物写真家としてこれまでにも多くの猫たちを撮影してきた方です。猫を撮影することに関しては、専門分野に当たる岩合さんだからこそ撮れる猫の姿が多く見受けられました。
生き生きとした自然な猫たちの動きや細かな表情は、とても素晴らしかったです。スクリーンで観る猫たちの姿は感動的です。
3.しっかりとしたストーリーのある作品
派手なストーリー展開はないものの、起承転結はしっかりとした作品です。猫たちの動きだけではなく、登場人物の心の動きにも注目していただきたい映画です。
登場人物に年齢が近い方は思わず、「うんうん」と頷いたり、クスッと笑ってしまったりする場面がたくさんあると思います。
登場人物よりも年齢が若い筆者は、便利な都会の生活とは違う島の暮らしの中には、現代人が忘れかけている人と人とが直接向き合うことや、助け合うことの大切さを感じることができました。そして、猫が人々の心をつなぐ架け橋として大切な役割を果たしていると感じました。
4.立川志の輔さんと猫のベーコンの息のあった演技
主演のじいちゃん(大吉)役の立川志の輔さんと、主役猫タマ役のベーコンは驚くほど息のあった演技をしています。報道番組の特集で、ベーコンの演技力の高さは監督の岩合さんも絶賛しており、共演した立川志の輔さんもとても驚いていました。
鑑賞した筆者もベーコンの演技力の高さには驚きました。立川志の輔さんを見つめる目線や、散歩シーンでの距離感がとても印象深かったです。1人と1匹のやりとりにも注目して楽しんでいただきたいです。
5.出演する役者猫たち全てが島によく馴染んでいる
この映画に登場する猫たちは主演のベーコンを含む皆が動物プロダクションに所属している猫たちです。撮影舞台となった愛知県の佐久島で生活している猫たちではありませんが、島の猫と錯覚してしまうほどよく馴染んでいました。
豊かな自然の風景に溶け込む猫たちの生き生きとした場面の数々は、この映画最大の魅力だと思います。日頃の疲れを癒してくれること間違いなしです。
映画「ねことじいちゃん」を観賞する際のちょっとしたアドバイス
1.ドライアイの人は点眼を忘れずに
この映画は終始猫が登場するため、猫好きさんにとっては幸せですが目を休める暇がありません。ドライアイが気になる方は、携帯電話の電源を切るついでに点眼することをおすすめします。
2.お昼時に観賞すると空腹感が増します
この映画では美味しそうな食べ物がたくさん登場します。思わず味を想像してしまうほど、調理シーンや食事のシーンがリアルです。お昼時に観賞すると空腹感が増してしまいます。
周りのお客さんに迷惑をかけないような軽食や、お菓子を食べながら観ると良いかもしれません。
まとめ
映画「ねことじいちゃん」は、ストーリーも魅力溢れる猫たちにも惹き込まれる作品です。猫好きさんが観たかった映画の理想を叶えてくれる作品だと思います。
老若男女問わずおすすめできる内容になっていますので、まだご覧になっていない方は劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。