1.犬は飼い慣らせるが猫は飼い慣らせない
犬は元々群れで暮らす習性があり、序列があります。よって犬は適切にしつけをすることで、飼い主を従うべき相手だと認識し言いつけを守れるようになります。
一方猫は基本的には単独行動をする動物です。子猫にとって母猫の言うことは絶対的で守らなければ命に危険が及ぶため、母猫には従います。しかし猫は母猫以外の相手に対する服従意識は薄いと考えられています。つまり、猫は飼い慣らすというより、人間が猫の習性を理解し共存する方法を模索する必要があるのです。
2.猫のヒゲは切っちゃダメ!
犬はトリミングの際にヒゲを切ることがあります。今まで犬と暮らしてきた飼い主さんの中には容姿を整えるために猫のヒゲも切ったほうが良いと思う方もいるかもしれません。 しかし、猫のヒゲは絶対に切ってはいけません。なぜなら猫にとってヒゲはなくてはならない重要な器官だからです。 猫のヒゲの役割は以下のようなものが挙げられます。
- 平衡感覚を維持する
- 幅を理解する
- 空気を感じ取り暗闇を歩く
猫のヒゲを切る行為は以上のような機能を奪うことになるため、命に関わるほど危険な行為なのです。 また、神経近くを通っているため故意に抜こうとすることも痛みが伴い危険です。ただし、伸びたヒゲが自然と抜け生え変わることは問題ありません。
3.猫は完全室内飼い!
猫は自由気ままな動物なので外出させたほうがストレスが溜まらないイメージがあります。 しかし猫を外出させることは思わぬ事故や怪我に繋がるため、室内飼いを徹底することは重要です。 運動好きな猫は思う存分室内を駆け回ったり、キャットタワーに登ったりすることでストレスを発散することができます。
4.猫のトイレはこまめに掃除する
犬の場合はトイレのしつけをする際に匂いを残しておくと覚えるようになります。 しかし、猫の場合は少々事情が異なります。猫は綺麗好きで繊細な動物です。トイレが汚れたままでは不快になり、粗相の原因やトイレを我慢することで病気になることもあります。逆に綺麗好きであるがゆえに、トイレを清潔にしておくことで猫はきちんとトイレを覚えることができます。 猫が幼い場合や、トイレに不慣れな保護猫の場合は猫を注意深く観察し、何となく落ち着きがなくトイレを探すような仕草が見られたときにトイレへ誘導するとトイレを覚えるようになります。
5.猫にとって危険な物は必ず戸棚に収納する
犬は猫のように高いところへジャンプして登ることはありません。よって犬のみ飼育している家庭では、危険物は手の届かない所に置いておけばイタズラされる心配はありません。 一方猫の場合はある程度高いところへ登ることが出来てしまいます。よって危険物は必ず戸棚に収納する必要があります。
6.猫の脱走防止!窓の開けっ放しやブラインドの紐に気をつける
換気のために窓を開け、空気を入れ替えることは大切なことです。しかし、閉め忘れてしまうと猫が脱走してしまう危険があります。たとえ網戸があったとしてもよじ登ったり、穴を開けて出て行ってしまうことがあるので要注意です。
そして更に気をつけなければならないことがあります。それはブラインドの紐です。猫にとってブラインドの紐は魅力的な玩具です。窓枠に登り夢中になって紐で遊んでいるうちに、誤って紐が首に巻きついてしまうと首が絞まってしまいます。
発見が遅ければ命を落としてしまうため、紐は結んでおき、画鋲で固定することをおすすめします。
猫に対する誤解
1.猫は懐かない!?
先ほど猫は飼い慣らせないと紹介しました。確かに猫は犬のようなしつけは困難です。しかし、だからといって人に懐かないというわけではありません。猫と初めて暮らすと驚くことは、猫は意外にも甘えっ子でスキンシップを求めてきます。
ここで大切なことは、常に視点を人間の側に置くか猫の側に置くかということです。犬は人間が甘えたいと思ったときや遊びたいと思ったときに応えてくれる動物です。
つまり、人間の側の視点に犬が合せてくれます。逆に猫は、あくまでも猫が人間に対して甘えを求めているときや遊んでほしいときのみ寄ってきます。つまり、人間が猫の側に視点を合わせなければなりません。
猫との暮らしの中で、猫が何を求めているかが理解できるようになると猫は懐かないという誤解が解けるようになります。
2.猫は人間の赤ちゃんを攻撃する!?
人間の赤ちゃんは、ミルクの匂いがするため猫が赤ちゃんを攻撃してしまうと聞いたことのある人もいると思います。また、不規則な動きをする赤ちゃんに戯れつきそうなイメージがありますよね。
そのような負のイメージがつきまとう猫と人間の赤ちゃんの関係ですが、意外にも猫は人間の赤ちゃんを攻撃対象として見てはいません。猫は、小さくて柔らかい人間の赤ちゃんを守るべき存在と認識しているようです。
好奇心旺盛な猫が眠っている赤ちゃんに近づいたときは心配になりますが、頭ごなしに猫を叱ることは避けたほうが良いかもしれません。とはいえ注意は必要です。
例えば赤ちゃんの哺乳瓶から目を離した隙に猫が舐めてしまい、その哺乳瓶を赤ちゃんが使用してしまうと赤ちゃんに危険が及びます。また、一緒に遊べるような年齢になっても必ず傍で見守るようにしましょう。
犬も猫も大人が責任を持って見守るように心がければ人間の赤ちゃんとの共存も可能です。
まとめ
犬と猫は習性も人間に対する認識も異なる動物です。飼い主さんが良かれと思ってとった行動が猫にとっては命の危険に繋がりかねないこともあります。 また、犬との暮らしになれていると猫の行動は一見無愛想で素っ気ないものと感じていまうかもしれません。
猫には猫なりの愛情表現があることを理解することが猫と楽しく暮らしていくためには重要です。 犬好きさんが初めて猫との生活をスタートするときに少しでもこの記事が参考になれば幸いです。