catwalk大宮の閉店
突然の閉店発表
2018年9月14日、それは突然の発表でした。
その内容は9月末で閉店するというものでした。はっきりとした理由は分かりませんでしたが、「猫達の幸せを考えると、これ以上続けるのは難しい」とHP(現在は閉鎖)に記載してありました。
常に猫たちの幸せを一番に考えていた店長さんを知る者としては寂しさは感じつつも理解出来る決断でした。
閉店後の猫たちの居場所
閉店すると聞き心配になったのが猫たちの今後の行方でした。
17匹とたくさんの猫スタッフが居たので、それぞれ別の場所で暮らすのかと思っていました。 しかし店長さんは「猫達は我が子」と言い、皆店長さんのお宅で暮らすことになりました。
この店長さんの決断を聞き、嬉しかったことを覚えています。そして同時に猫カフェの営業は単なる経営ではなく、生命と向き合い責任を持つ覚悟がなければならないのだと痛感しました。
最終営業日
最終日が誕生日
catwalk大宮の人気スタッフだったシラタマ(オスのペルシャ)。
最終日の9月30日は5歳の誕生日で、バースデーセレモニーも企画されていました。
お店を愛したお客様の代わりの涙か。台風24号の縦断
最終日は台風の予報があり、まさかと思いましたが本当に台風が縦断しました。まるでお店を愛したお客様の代わりに号泣しているかの如く、この日の大宮は大荒れの天気でした。
大幅に変更になった閉店時間
本来なら20時まで営業し、17時からはシラタマのバースデーセレモニーが行われるはずでした。
しかし、台風の影響で急遽18時に全ての電車がストップすることが決まり、最後のお祝いとご飯タイムを見ることができませんでした。
最悪の天候の中、店内はたくさんの人で溢れていた
台風の中、店内は老若男女問わず多くの人で溢れていました。そして店内に入りきれず、待ち時間が発生するほどでした。
ただ猫が可愛いだけでは悪天候の中、これほどまで多くの人が集まることはなかったことでしょう。お客様一人一人を大切にし、猫と人が楽しめる空間を築き上げた店長さんと店員の皆さんの人柄が自然と人を集め、惜しまれたのだと感じました。
catwalk大宮の猫スタッフたち
おやつ大好きシラタマ
最終日に5歳の誕生日を迎えたペルシャ猫のシラタマ。タマと呼ばれ親しまれていました。おやつが大好きで、食べさせても大丈夫な時間帯に行くといつも美味しそうに食べていました。
お返事上手のあんず
あんず(メスのMIX)は、呼ぶと返事をしてくれる猫でした。呼び方のコツは「あんニャン」と少し高めに呼ぶことでした。
catwalk大宮初期メンバーの一匹パルフェ
パルフェ(メスのスコティッシュフォールド)は、初期メンバーの一匹だったそうです。
パルフェはお腹が弱い体質で療養食を必要としていましたが、なかなか好んで食べてくれる療養食が見つからず大変だったそうです。「初めて普通の便が出たときは涙が出るほど嬉しかった」と店長さんが語ってくれました。
現在も薬を服用しているそうですが、お店側の配慮と来店するお客様の理解によって元気に過ごしていました。
catwalk大宮の魅力
とにかく猫ファースト!!
閉店理由もそうですが、猫に負担がかからない営業を常に心がけていました。特に印象深かったのは19時から行われるご飯タイムでした。
ここでは、猫がご飯を食べている間は人間は従業員以外の人間は動いてはいけないというルールがありました。理由は猫が安全に安心してご飯に集中できるようにするためです。
撮影は可能ですが、あくまで動かずその場でということを徹底していました。因みにご飯タイムでは「キューピー3分クッキングのテーマ」が流れており、食事に時間のかかる猫に合わせた時間設定がなされていました。
また食事場所も猫によって好みがあるため、猫たちに何かしらのルールを課すということはしていませんでした。
まとめ
猫カフェは人を癒してくれる空間です。しかしその癒しには少なからず猫たちへの負担が強いられていることも事実です。一歩道を間違えることで大切な命を危険に晒してしまうこともあるでしょう。
猫カフェというビジネスに利益を求めることはとても難しいことなのかもしれないとcatwalk大宮の閉店を通して学びました。そして数多く存在する猫カフェの中にも猫を大切に、常に猫を最優先に考えていた場所が存在していたことを知ってもらいたいという思いが強くなりました。
店長さんの元で猫たちが幸せな日々を送っていることを願いたいと思います。