猫に見られる『フライングキャットシンドローム』って何?命に関わる危険性や対処法を解説

猫に見られる『フライングキャットシンドローム』って何?命に関わる危険性や対処法を解説

猫が高いところからジャンプする姿はよく見かける光景。しかし、中には「フライングキャットシンドローム」と呼ばれる、注意が必要なケースもあります。今回はフライングキャットシンドロームについて解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

フライングキャットシンドロームとは

ジャンプする猫

フライングキャットシンドロームとは、猫がベランダや窓、背の高い家具など高い位置から、危険にもかかわらず自ら飛び降りてしまう行動のことです。別名「猫高所落下症候群」「ハイライズシンドローム」とも呼ばれます。

一見すると、猫がジャンプしているだけのように見えますが、実際には着地点や距離を正しく判断できていないケースが多く、結果として落下事故につながりやすいのが特徴です。また、一度経験した猫でも同じ行動を繰り返す可能性があることも、フライングキャットシンドロームの怖さといえます。

特に2階、3階建てのアパートやマンションなど集合住宅で発生しやすいので注意が必要です。

フライングキャットシンドロームの危険性

飛び降りる猫

当たり前ですが、高所からの落下は、猫にとって命に直結する重大な事故。下顎や四肢の骨折、骨盤の損傷、胸部や内臓へのダメージなど、重い外傷を負うリスクがあります。「猫は高いところから落ちても平気」というイメージを持つ人も少なくありませんが、実際には2階程度の高さでも死亡例は存在します。

さらに厄介なのは、一度無事に生還した猫が、その経験を「成功」と誤って認識してしまうこと。その結果、同じ場所から再び飛び降りようとし、次は取り返しのつかない事故につながるリスクもあります。

つまり、高いところから無謀に飛び降りるフライングキャットシンドロームは軽視できる行動ではなく、明確な危険行動なのです。

フライングキャットシンドロームの原因

ジャンプする猫

フライングキャットシンドロームには、はっきりとした医学的な原因があるわけではなく、いくつもの要素が重なって起こると考えられています。特に多いのが、1歳未満の若い猫に見られるケース。身体能力が伸び盛りで、限界を試すような行動が増える時期です。

また、猫の強い好奇心も大きな要因。窓の外を飛ぶ鳥や動く車、風に揺れる植物などに意識を奪われ、距離感を誤ったまま飛び出してしまうことがあります。運動能力の高さゆえに、「これくらいなら飛べる」と自分の力を過信してしまうのかもしれません。

さらに、猫は遠くのものをはっきりと捉えるのが得意ではないとされ、高所では奥行きの判断を誤りやすいとも言われています。加えて、室内飼育で運動量が少ない猫や肥満気味の猫では、瞬時に体勢を立て直す力が不足し、比較的低い場所からでも落下事故につながることがあります。

フライングキャットシンドロームの対処法

ジャンプする猫

フライングキャットシンドローム対策として最も重要なのは、「猫が飛び降りにくい環境」を作ることです。

ベランダや窓には、網戸の補強や転落防止ネット、猫が通れない格子などを設置し、開放していても猫が外に出られない構造にしておきましょう。網戸だけに頼るのは非常に危険です。

室内でも、キャットタワーや棚の配置を見直し、落ちても致命傷になりにくい高さに抑えることが大切。下にクッション性のあるマットやラグを敷くなど、万一に備えた工夫も効果的です。制御が難しい場合は高さのあるおもちゃの撤去なども考慮すべきです。

特に元気盛りな子猫、もしくは好奇心旺盛な猫がいる場合、窓を開けるときは必ず様子を確認し、目を離さないことを意識しましょう。すでに一度でも高所から飛び降りた経験のある猫は再発リスクが高いため、ベランダへの立ち入り自体を完全に制限する、専用の囲いを設けるなど、より厳重な対策が求められます。

万が一、猫がフライングキャットシンドロームで落下してしまった場合、見た目に異常がなくても安心はできません。内出血や胸部損傷など、外から分からないダメージが隠れていることがあるため、できるだけ早く動物病院で検査を受けましょう。

まとめ

ジャンプする猫

フライングキャットシンドロームは、猫が高所から突発的に飛び降りてしまう危険な行動。場合によっては、大きなケガや死亡につながる可能性があります。

フライングキャットシンドロームは「治す」よりも、落下しない環境を整えることが大切です。「猫は落ちても大丈夫」という思い込みを捨て、窓やベランダ、高所の安全対策を徹底し、万一の際には迅速に受診しましょう。

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