猫の座り方に違和感が出る病気5選

猫の異変に飼い主が早めに気づくことで、病気の早期発見につながる可能性もあります。
ここでは、猫の座り方に違和感が出やすい代表的な病気を見ていきましょう。発症しやすいタイプもあるため、該当する場合は特に注意してください。
1.変形性関節症
変形性関節症は、関節の軟骨がすり減って骨が変形し、炎症を起こす病気です。加齢だけではなく、過去のケガや太りすぎによる関節への負担なども原因となり得ます。
関節の痛みや動きにくさがあるため、猫は座るときに、できるだけ関節を曲げないように後ろ足を横に投げ出したり、片側に体重をかけたりする不自然な座り方をします。股関節や膝関節、肘関節に症状が出やすく、横座りするような姿勢が見られるようになります。
高齢猫や太った猫、過去に関節をケガした猫だけでなく、大型の品種や運動量の多い猫も関節への負担が大きいため発症しやすい傾向があります。
2.股関節形成不全
股関節の骨の組み合わせがうまく合わず、関節が不安定になる遺伝性の病気です。
股関節形成不全の猫は、股関節を曲げる動作で痛みが強くなる傾向があるため、普段から後ろ足のふらつき、ジャンプや階段の上り下りが苦手、腰を左右に振って歩くなどが見られますが、お迎えしたときからこの状態だと飼い主が気づかないこともあります。
ただし、段差の前でためらう、勢いをつけてから跳ぶ、走ると後肢が流れるといった行動は、体の使い方の癖や筋力不足などでも起こります。もし、年齢とともに明らかに不自然になる場合は、整形外科的な問題が考えられます。
メインクーン、ペルシャ、ヒマラヤンなどの大型・中型の品種に多く、遺伝が大きく関わっています。また、成長期の栄養の与えすぎや急激な体重増加も発症につながります。
3.椎間板ヘルニア
背骨の間でクッションの役割をする椎間板が変形して元ある場所から飛び出し、神経を圧迫する病気です。老化による椎間板の劣化、ケガ、肥満による背骨への負担が主な原因となります。
症状は圧迫される場所により異なりますが、後ろ足の痛みや麻痺、ふらつき、排泄がうまくできない、背中を丸める、触られるのを嫌がるなどが見られます。
麻痺により後ろ足などが上手く使えず、座り方に変化を感じる場合があります。また、座る動作自体が痛いと伏せや横向きで過ごす時間が増え、立ち上がりにくくふらつくこともあります。
背中から腰にかけてのヘルニアは後ろ足の座り方に影響が出やすく、中高齢の猫や太った猫に多く見られます。
4.猫カリシウイルス感染症
「猫風邪」とよばれる感染症のひとつ、猫カリシウイルスによる感染症では、主に鼻水やくしゃみ、口内炎、発熱などの症状が見られますが、関節炎を引き起こすケースもあり、複数の関節に痛みや腫れが生じることがあります。
もし、呼吸器症状とともに、体重のかけ方が不自然になって座る姿勢に違和感が出たり、痛みの少ない姿勢を探して頻繁に座り方を変えたりしていたら、カリシウイルスによる関節炎の可能性があります。
カリシウイルスは非常に感染力が強く、年齢に関わらず感染します。関節炎を引き起こすことは稀ですが、起こる場合は比較的若い猫に多く見られます。ワクチン接種で予防することが大切です。
5.骨軟骨異形成症
軟骨や骨が正常に育たず、骨格に異常が起こる遺伝性の病気です。成長過程で関節の変形や骨の変形が生じ、痛みを伴う関節炎が進行していきます。足や関節の変形やしっぽが固まって動かないといった症状が出るため、歩きにくさ、ジャンプを避けるなどの行動が見られます。
骨軟骨異形成症の猫は、正常に動くための関節の可動域が狭くなるため、前足を内側に向ける香箱座りが難しくなります。また、後ろ足を前に投げ出した座り方(スコ座り)を好むなど、痛みや不快感を避けるための姿勢を取ろうとします。
この病気は、スコティッシュフォールド、マンチカン、アメリカンカールなど、折れ耳や短い足といった品種改良による特徴を持つ猫に発症しやすく、発症は年齢問わず、若いうちから現れます。
猫の座り方がおかしいときの対処法

座り方に違和感があるときには、猫はすでに痛みを感じているかもしれません。
いつ頃からおかしな座り方に気づいたか、どんな座り方をしているか、歩き方や上下運動、食事の姿勢などほかに気になる症状はないかなどを確認し、獣医師に相談するようにしましょう。スマホで座っている様子を動画撮影しておくと、獣医師も様子が見られるので診察に役立ちます。
病院で病気が判明したときには、痛み止めや関節のサプリメントを処方されることもあります。獣医師の指示に従って、適切に投薬しましょう。慢性疾患の場合は、定期的な通院が必要になりますので、猫のストレスを減らすため、帰宅後はいつも通りの生活リズムを保つようにしましょう。
また、自宅でできる対策としては、環境整備や猫の体重管理も大切です。ベッドなどに上るための階段やスロープの設置や床で滑らないようマットを敷くことで、関節への負担を軽減できます。そして、関節への負担を増やさないためにも、太らせないよう適正体重を維持しましょう。
まとめ

日頃見ている愛猫の座り方ひとつとっても、飼い主が感じる違和感は病気や異常の早期発見のきっかけになることがあります。
猫がおかしな座り方をしていた場合、骨や関節の異常だけでなく、思いもよらない「猫風邪」が原因なこともあるのです。発症は稀だとしても防げる方法としてワクチンがありますので、予防接種に努めましょう。
また、座り方をはじめとした猫の行動に違和感を覚えたら、動画などで記録してすみやかに動物病院を受診してください。適切な治療や日常のケアで、愛猫の快適な生活をサポートしてあげましょう。