猫から異臭がするときに考えられる主な原因

猫の異臭は、発生している部分によって原因をある程度絞り込めます。
ニオイの種類や強さ、同時に見られる行動の変化を把握できれば、病気の早期発見にもつながります。以下では、特に多い原因を解説します。
1.口臭は歯肉炎や歯周病の可能性大
猫が口を開けた時に、ムワッと生臭いニオイがしたら、歯周病や歯肉炎の可能性があります。
食べかすや歯垢が歯に残ると細菌が増殖し、歯茎に炎症が起こり、腐敗したようなニオイが発生します。炎症が進むと歯肉の組織が傷み、血液や膿が混ざることで強いニオイが発生します。
猫は唾液による自浄作用が弱いため、しっかりと歯磨きをする習慣ができていないと、汚れが蓄積しやすい傾向があるのです。
さらに、猫の口の中は弱アルカリ性で、汚れが歯石になりやすい性質があります。歯垢はわずか1週間ほどで歯石になります。歯石になってしまうと家庭では除去が難しいため、歯石になる前から日常的な歯磨きが必要です。
2.耳からの異臭は主に外耳炎
猫の耳に強い異臭がある場合は、耳ダニ(ミミヒゼンダニ)や細菌・真菌による外耳炎の可能性があります。
猫の耳の中は人の耳と違い、L字型にカーブしていることで湿度がこもりやすく、常在菌も増殖しやすい環境です。そこに、過度な皮脂分泌やアレルギー免疫力の低下など様々な要因があると菌のバランスが崩れ、炎症と悪臭を伴う外耳炎を起こすのです。 さらに、寄生虫の感染では強い外耳炎を引き起こします。
例えばマラセチア性外耳炎では、古いチーズや納豆のような独特の発酵臭がし、細菌性外耳炎では、腐敗臭や生ゴミのような強い悪臭が目立ちます。
3.消化器トラブルでおしり周りに異臭
おしり周りの異臭は、多くの場合、消化器トラブルが関係しています。
下痢や軟便が続くと、どうしても便がお尻の毛に付きやすくなってしまいます。特に長毛種では、後ろ足の被毛が長いため、汚れやすい傾向があります。
さらに、便がゆるくなると、通常なら便の圧力によって自然に排出されるはずの肛門腺の内容物が十分に押し出されなくなり、中に溜まった内容物によってお尻周りが臭くなることもあります。
肛門腺に炎症が起きていない場合には、見た目ではわからないことがほとんどです。頻繁に舐める、お尻歩きをするといった行動が見られたら要注意です。
4.皮脂の過剰分泌は体臭の悪化
猫の皮脂は主に背中や顎の下、しっぽの付け根で多く分泌されていて、皮脂の分泌が過剰になると本来は無臭なはずの猫に特有の体臭がするようになります。
皮脂が過剰に出るのは、肥満や運動不足でグルーミングが不十分になること、脂質過多の食事、ホルモンバランスの変化などが要因です。また、シャンプーのしすぎで皮脂を落としすぎることで、反動から過剰分泌されることもあります。
皮脂が多いと酸化した油のようなニオイや、被毛のべたつきが見られます。
異臭に気づいたときの対処法

猫の異臭に気づいた場合は、まず「どこからのニオイか」を確認してみましょう。
口や耳が原因の場合は、直接目視で炎症や耳垢などが見られることがあります。これらは放っておいても改善しないので、なるべく早めに動物病院へ行きましょう。
お尻のニオイを確認するのはちょっと嫌ですが、汚れが付いていないかを見て、汚れていればペット用ウェットシートで拭き取ります。強い魚臭のようなニオイが続く場合は、肛門腺に分泌物が溜まっている可能性もあるので動物病院でみてもらいます。
皮膚のベタつき具合は、被毛をブラシなどでかき分けて見てみましょう。特にしっぽの付け根のベタつきは猫にはよくあるので、軽度であれば蒸しタオルなど温めたもので拭き取りましょう。
ここで無理にシャンプーをしたり、綿棒で耳垢を取ったりといった自己判断の処置は行わないようにしましょう。また、症状を悪化させないためにも、できるだけ早めに獣医師へ相談することが重要です。
まとめ

猫は本来、体臭がほとんどない動物です。そのため、異臭に気づいたときは、体のどこかにトラブルが起きているサインかもしれません。
異臭は不快に感じますが、あらかじめ原因となる部位やニオイの特徴を知っておくことで、日々の健康管理にも役立ちます。また、口や耳、お尻などの状態を普段から観察していると「アレ、いつもと違う」と感じたときに異変に気づきやすくなり、病気の早期発見にもつながります。
汚れなどによる一時的な異臭であれば、1〜2日で解消することもありますが、疾患が原因の場合は放置せず、気づいた段階で早めに対応することが重要です。自己判断で様子を見続けるのではなく、動物病院での診察を優先するようにしましょう。