1.食物アレルギー

猫を飼っている多くの家庭で、キャットフードを与えていることでしょう。猫に必要な栄養素は人間とも犬とも異なるため、猫専用フードを与えることは必須です。しかし、アレルギー体質の猫に対しては、食事に含まれる成分に注意が必要でもあります。
猫の食物アレルギーは、原材料に含まれる鶏肉、魚、牛肉、乳製品、卵、穀物などアレルゲンとなる食材に含まれるタンパク質に対して免疫反応が起きます。
皮膚症状から消化器症状に至るまでさまざまな症状が現れ、慢性化しやすい傾向があります。
主な症状
- 痒み
- 皮膚の赤み、炎症
- 発疹、湿疹
- 脱毛
- 嘔吐や下痢、軟便
- 食欲不振
- 耳の炎症
- 過剰な毛づくろいによる皮膚トラブル
対処法
症状が慢性的に続いた場合、動物病院では寄生虫や感染症、内分泌疾患やその他の疾患など、他の原因を確認した上で、改善がみられない場合に食物アレルギーやアトピーの可能性を考えます。
低アレルゲンの療法食が指定されたら、フードを切り替えて様子を見てみましょう。これまで与えていたおやつは中止し、療法食以外については獣医師に確認してください。ほかの家族の協力も重要です。
また、アレルギーの原因食材を特定するため、除去食試験を4〜12週間行うこともあります。
2.花粉症

人間と同じように猫も花粉症になることがあります。スギ、ヒノキ、イネ科など様々な種類の花粉によって発症し、呼吸器症状や眼の症状、皮膚症状が現れる場合があります。
花粉の飛散によって症状が出るため、特定の季節になると悪化し、季節が変わると軽減するという特徴があります。
主な症状
- 皮膚のかゆみ
- 目の周りの赤み
- くしゃみ
- 鼻水
- 目やに
- 咳
対処法
猫の花粉症は、人間のスギ花粉症とは少し異なり、皮膚のかゆみも出ることがあるのが特徴です。
病院では他の疾患の可能性を加味しつつ、症状や季節性なども兼ねて総合的に診断されます。血液検査でアレルゲンの特定を推奨される場合もあります。
アレルギーに対しては症状に合わせてステロイド剤などが処方されます。
自宅では、空気清浄機を使用して、窓から入ってくる花粉を軽減するよう努めましょう。
体毛に花粉が付着しやすいため、ペット用のウェットシートなどで体を軽く拭くと、毛づくろいでなめたり吸い込んだりする花粉を軽減できます。
3.ノミアレルギー

ノミアレルギーは、ノミに刺された際に、体内にノミの唾液が入り、それがアレルゲン(抗原)となって発症します。
主に屋外で寄生されることが多いのですが、室内飼いの猫は安全だと思われがちですが、飼い主の衣類や靴にノミの成虫や卵が付着して家の中に持ち帰ることもあります。また、窓や網戸の隙間から入るケースもあります。
主な症状
- 激しいかゆみ
- 小さな発疹とかさぶた
- 皮膚の赤み
- 脱毛
- 慢性化による色素沈着
対処法
ノミアレルギーの場合、まずは徹底して室内のノミ駆除を行う必要があります。強いかゆみや炎症を抑えるために、ステロイド剤や抗ヒスタミン薬などが使用されます。掻き壊しによる二次感染がある場合は抗生剤も使用されます。また、身体についているノミを駆除するため、スポットタイプのノミ駆除薬を投与します。
さらに猫への投薬と並行して、室内のノミの卵や幼虫・成虫を駆除するため、念入りな掃除と駆除剤(猫に影響のないもの)の使用が求められます。
ノミの卵は小さく隙間に入りやすいこと、ノミ成虫は跳んだり隙間に隠れて見つけづらいことから、1度の掃除ではなく、治療中から治療後まで繰り返し掃除を行いましょう。ノミの卵には一般的な駆除剤が効かないこともあるので注意が必要です。
4.接触アレルギー

猫が発症する接触アレルギーは、直接接触している物であれば何でも原因になり得るため、原因の特定は困難です。 主にプラスチックや樹脂製の猫用食器、猫ベッドなどの布類や使用された洗剤や柔軟剤、カーペットや床材の化学物質、植物の花粉、金属製のブラシなど、アレルゲンは多岐にわたります。
接触アレルギーは、どの年齢でも発症する可能性はありますが、皮膚バリア機能の低下によって症状が出るようになることもあります。
主な症状
- 皮膚の赤み、発疹
- 痒み
- 脱毛
- 発疹
- 皮膚のただれ
- 色素沈着
- 腫れ
- 過剰グルーミング
対処法
動物病院では、症状を緩和するための抗ヒスタミン薬やステロイドなどの薬が処方されますので、自宅では指定されたとおりに投与しましょう。
原因となっていそうな製品を特定できた場合、それを生活環境から除去して改善するか様子を見ることが大切です。
まとめ

今回は、猫の危険なアレルギーについて解説しました。
アレルギーは、体が本来害のない物質にまで反応してしまう病気です。猫の場合も同様で、食材・花粉・ノミ・生活環境にある物質などに対して免疫が過剰に働き、かゆみや発疹、嘔吐や下痢といった消化器症状が起こります。
アレルギー反応の仕組み自体は人間と同じですが、猫は体調不良を言葉に現せないため、悪化すると危険な症状につながる可能性もあります。
特に、呼吸困難、よだれ、嘔吐、ぐったりする、意識の低下などの症状が見られた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。
愛猫に異常が見られた場合は、すみやかに動物病院を受診しましょう。