猫の『寝相』が普段と違うときの原因4選 心身に異常がある可能性も?

猫の『寝相』が普段と違うときの原因4選 心身に異常がある可能性も?

猫は気分屋の動物ですが、寝る場所や寝相には、身体的、肉体的な要因が複数絡んでいると言われています。この記事では猫の寝相がいつもと違う時の考えられる原因を4つご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

︎1.室温の変化

丸まって寝る猫

いつもの寝ている場所ではないところで、いつもと違う格好をして寝ている場合、もしかしたら室温が関係しているかもしれません。

暑い時には、お腹を出して仰向けで寝たり、手足を伸ばしてなるべく体の表面積を大きくするような形で寝たりします。逆に寒い時には、お腹を丸めた状態で寝たり、手足や顔を丸まった体に隠してなるべく自分の体温を逃さないような形で寝たりします。

猫は自分で快適な温度の場所に移動しながら寝る場所を変える動物です。日の当たる場所・当たらない場所、エアコンの当たる場所・当たらない場所、風通りの良い場所・悪い場所など、ベッドを複数個用意してあげると猫も快適に過ごす事ができます。

︎2.体調の変化

病気の猫

もしも、いつもはリラックスした体勢で寝ている猫が、どこかをかばうような体勢で寝ていたり、寝る体勢に慣れていなかったりする場合、それは体調不良のサインかもしれません。

例えば、腹痛のある猫は背中を丸めてお腹を庇うような体勢で寝ます。

呼吸が苦しい場合や、どこかに痛みや痒みがあり眠れない場合には、座った体勢や立ち上がった体勢で寝てしまうこともあります。

寝る事自体ができないほどの体調不良がある場合には、落ち着かずに部屋をずっとウロウロして歩いていたり、絶え間なく鳴き続けたりします。これは高齢猫の認知症でも良く見られる症状ですが、病気による体調不良との見分けがつきにくいため、猫が寝られていない場合には動物病院を受診して検査を受けましょう。

︎3.体の痛み

床に置いたベッド

腰痛や関節痛などがある場合は、何度も寝る体勢を変えたり、いつもとは違う体勢で寝ることがあります。

また、いつもはキャットタワーの上で寝ていた猫が、いきなり床にあるベッドで寝ているなど、今までよりも低い場所で寝ている場合には、体に痛みがあるサインかもしれません。

高齢で動きが遅くなってきた場合や、段差を登るのが難しくなってきた場合には、まずは動物病院で関節炎などの治療を始め、それと同時に猫が段差などを使わなくても安心して寝ることのできる場所を確保しておいてあげましょう。

︎4.心理的な変化

警戒している猫

猫が安心して寝ている場合には、お腹を出して仰向けや横向きで寝たり、首を伸ばした状態で寝たりします。

もしも、いつもはリラックスした体勢で寝ている猫が、顔を伏せて寝ていたりする場合には、何か警戒心が高まっているサインかもしれません。

猫は環境の変化にとても敏感な動物で、部屋の中の段ボール1つを違う場所に移動しただけでストレスになると言われています。部屋の模様替えやベッドの交換をする際には一気に全部をやるのではなく、猫のストレスをなるべく最小限にするために少しずつ行うようにしましょう。

逆に猫が飼い主さんの近くで寝ていたり同じベッドで寝ていたりする場合には、飼い主さんを信頼しリラックスしているサインです。猫の寝る場所が飼い主さんの顔に近ければ近いほど信頼度は高いと言われています。飼い始めたばかりの猫が、だんだんと顔に近いところで眠るようになった場合には嬉しいサインとして受け取りましょう。

︎まとめ

日向で寝る猫

猫の心理的、肉体的な変化にいち早く気がつくためにも寝る場所を複数準備してあげることは大切です。日当たり、風通り、高さ、素材など条件を変えた寝床を、1頭飼いであっても複数個準備してあげましょう。多頭飼いの場合は「猫の数+1」の数のベッドが最低でも必要だと言われています。

猫は気分屋な性格なので、複数の場所や様々な体勢で寝るからといって、必ずしも何か異常があるとは限りません。

しかし、いつもはリラックスして寝ていた猫が、明らかに警戒した体勢や寝にくそうな体勢で寝ている場合には、何かしら心身に変化があったと考えられます。

少しの変化ですが、飼い主さんにしか気づくことのできない異変でもあるため、他にも体調や行動に異常がないかを確認した上で、獣医師など専門家に相談すると良いでしょう。

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