愛猫の『トイレがクサい』ときに考えられる原因5つ 気になるニオイへの対処法まで解説

愛猫の『トイレがクサい』ときに考えられる原因5つ 気になるニオイへの対処法まで解説

猫のトイレを毎日掃除しているのに、なぜか部屋にニオイが残る――。そんな悩みを抱えている飼い主さんは少なくありません。猫の排泄物のニオイには、生活環境や食事、健康状態などさまざまな要因が関係しています。ときには体の不調が隠れていることもあるため、原因を見極めて正しく対処することが大切です。この記事では、猫のトイレがクサくなる主な原因と、今日からできるニオイ対策を解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

トイレがクサいときに考えられる原因5つ

猫トイレ掃除1

猫のトイレが強く臭うときは、掃除不足だけでなく、環境・体質・病気など、いくつかの要因が関係していることがあります。以下の5つをチェックしてみましょう。

1.トイレ砂や容器の汚れが原因

古い砂が残っている、汚れた砂を完全に取りきれていない、またはトイレ本体やスコップに尿や便が染みついていると、雑菌が繁殖してアンモニア臭が強くなります。

砂の全入れ替えとトイレ容器の洗浄は週1回程度が理想です。

2.砂や設置場所が猫に合っていない

消臭力の弱い砂を使っている、または湿気が多く風通しの悪い場所に置いていると、ニオイ菌が増えやすくなります。

トイレは換気のよい場所に設置し、季節によって砂の種類(紙・鉱物系など)を変えるのもおすすめです。

3.猫の尿そのものが強く臭う体質

猫はもともと濃い尿を出す体質をしており、尿中の成分が空気に触れることでアンモニアやチオールといった物質に変化し、独特の強いニオイを放ちます。

とくにオス猫はマーキング傾向があるため、ニオイがより強く感じられることもあります。

4.水分不足による尿の濃縮

水をあまり飲まないと、尿の濃度がさらに上がり、ツンとした強いニオイになります。

部屋の複数箇所に水を置く、ウェットフードを混ぜるなど、自然に水分を取らせる工夫が効果的です。

5.病気が隠れている可能性も

「急にトイレがクサくなった」「ニオイの質が変わった」ときは、体調の変化が関係していることがあります。

  • 膀胱炎、尿路感染症:頻尿、血尿、排尿時に鳴くなど。炎症や細菌で尿のニオイが強くなる
  • 下痢、消化不良:便がゆるく未消化物が混じると、便臭が強烈になりやすい

これらの症状が見られたら、早めに動物病院で検査を受けましょう。

トイレのニオイを抑えるための対処法

猫トイレ掃除2

猫のトイレのニオイを完全にゼロにするのは難しいですが、日々の工夫次第でかなり軽減することが可能です。ここではすぐに実践できる対処法を紹介します。

毎日の掃除+週1のリセット洗浄

尿や便を放置すると雑菌が繁殖し、時間が経つほどニオイが強まります。1日1〜2回はスコップで排泄物を取り除き、可能であれば週に1度はトイレ砂をすべて入れ替えて容器を丸洗いしましょう。

中性洗剤で洗い、しっかり乾かしてから新しい砂を入れるのがポイントです。

消臭力・吸収力の高い砂を選ぶ

鉱物系や紙タイプなど、猫砂にはさまざまな種類があります。アンモニア臭を吸着する「活性炭入り」や「抗菌タイプ」を選ぶと効果的です。

また、猫が気に入らない砂だとトイレを我慢する原因にもなるため、猫が安心して使える砂+ニオイ対策を両立させましょう。

トイレの設置場所と換気を見直す

湿気や空気のこもりやすい場所にトイレを置くと、ニオイが部屋中に広がりやすくなります。窓の近くや換気扇の近くなど、風通しのよい位置に設置しましょう。

また、フードカバー付きトイレを使用している場合は、こまめに開けて空気を入れ替えるのも有効です。

消臭グッズ・空気清浄機を併用する

ペット用の消臭スプレーを使用したり、脱臭ビーズをトイレ周りに設置すると、アンモニア臭を吸着してくれます。

また、空気清浄機を併用すれば、空気中の臭い成分を効率的に除去できます。

まとめ

トイレに入る猫

猫のトイレがクサいと感じるとき、その原因は単なる汚れだけではありません。トイレ環境・食事・水分摂取量、そして体調の変化など、いくつもの要素が重なってニオイが強くなることがあります。

掃除や砂の見直しといった日常ケアはもちろん、「急に臭くなった」「いつもと違うニオイがする」と感じたときは、体の不調を知らせるサインとして注意が必要です。

トイレのニオイ対策は、単なる生活の工夫ではなく、愛猫の健康を守るための大切なチェックポイントでもあります。毎日の観察とお手入れで、猫にとっても飼い主にとっても快適な空間を保ちましょう。

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