1.健康を損なうことがあるから

愛猫に可愛く「ニャー」とおねだりされると、ついついおやつをあげてしまう方は少なくないのではないでしょうか。しかし、猫のわがままを聞いてばかりいると偏食や肥満のリスクが高まります。猫の食生活は、飼い主さんがしっかり管理をしてあげなくてはなりません。
偏食が癖になると、栄養バランスが偏って健康を損なうことは想像できるでしょう。それだけではなく、療法食が必要になったときに猫自身に負担がかかる可能性があります。太り過ぎてしまった場合、糖尿病や関節炎につながることもあるのです。
また、要求を聞きすぎることで本来の狩猟本能が希薄になってしまうケースもあります。狩猟本能の低下は運動不足につながり、さまざまな病気のリスクを高めたり、ストレス発散できなくなったりする可能性があります。
2.分離不安症になることがあるから

猫とのコミュニケーションは、猫との暮らしを営む上で最も大切なことです。しかし、過剰なスキンシップは「分離不安症」を引き起こす可能性があります。
分離不安症とは、飼い主さんが近くにいないことに強い不安を覚える状態のこと。留守中に大声で鳴いたり、トイレ以外の場所で排泄をしたりといった異常行動として現れます。中には、飼い主さんがお風呂に入っているだけで不安になってしまう猫もいるようです。
精神的に不安定な状態が続くため、猫にとって大変なストレスとなりかねません。また、大きな鳴き声が近所トラブルにつながることもあるでしょう。
このような精神状態は、飼い主さんが猫と密着しすぎることが主な原因といわれています。過度な依存心を育まないために、普段から一人の時間に慣れさせることが重要です。
3.問題行動につながることがあるから

子猫のうちは、甘噛みやネコパンチで攻撃する姿も微笑ましく可愛いもの。しかし、これらの攻撃行動を許容し続けると、重大な問題行動につながることがあります。
「人間は攻撃しても構わないんだ」と誤解されると、飼い主さんを本気で噛んだり、爪を立てることを躊躇しなくなるかもしれません。来客や小さな子供に攻撃するようになってしまったら、大きな問題となります。
これらの問題行動を防ぐためには、子猫のうちから「やってはいけないこと」を一貫して教えなくてはなりません。過剰な攻撃や威嚇は相手にしないという意思表示をしましょう。その代わり、おもちゃを投げたり紐を追いかけたりといった、お互いに安全な遊びを習慣化するようにしてください。
4.極端に怖がりな性格になるから

人間の子供と同じように、猫も色々な経験を経て成猫になっていきます。飼い主さん以外の人間や、他の動物、大きな物音など、暮らしの中にはたくさんのものが存在することを教えてあげましょう。「新しいもの」から守ってばかりでは、極端に怖がりな性格になってしまいます。
過保護に育った猫は、ちょっとした日常の変化でストレスを感じるようになります。中には、パニックを起こしたり体調不良になったりする猫もいるようです。このような状態では、万が一のときに動物病院に連れていったり、体のケアをすることもままなりません。
子猫には「社会化期」というものがあるため、この時期から色々な経験をさせることが重要になります。なるべくたくさんの刺激に慣れさせ、いつでも穏やかな気持ちで暮らせるようにサポートしてあげましょう。
まとめ

可愛い愛猫のやることは、すべて許してあげたくなるものです。しかし、度を超えた愛情は、猫や人間の負担となる場合があります。最悪の場合、一緒に暮らすことが難しくなってしまうケースも…。
種が違うからこそ、猫の特性や本能に寄り添うことが大切。適度な距離感と一貫した姿勢が、猫の精神的安定につながります。