猫が『スプレー行為』をしてしまう理由3つ

1.発情期だから
猫のスプレー行為の理由で多いのは、発情期によるものです。未去勢のオス猫は、特にこの理由でスプレーをしやすい傾向にあります。
自分の存在を異性にアピールし、交配の相手を引き寄せたり、他のオス猫に対して自分のテリトリーを主張する意味をもつのです。
また未避妊のメス猫も、発情期にスプレー行為をしますが、メス猫の場合は、オス猫を引き寄せるためのシグナルとしてこの行動を行います。
ほかにも発情期を迎えた猫たちは、鳴き声が大きくなったり、体をこすりつけたりする行動も見せます。
そのため、そういった行動とともにスプレー尿が見られたら発情期の可能性が非常に高いでしょう。
2.縄張りを主張したいから
猫のスプレー行為の理由の2つ目が、「縄張りの主張」です。
猫は非常にテリトリー意識の強い動物なので、自分の縄張りを明確にしています。
そのため他の猫に対し「ここは私の場所だ」と主張するために、スプレー行為を行うのです。
これは野生時代からの本能的な行動で、しつけでどうこうなるものではありません。
とくに多頭飼いでは、この理由によるスプレー行為が特に多く見られます。
複数の猫が同じ空間で生活していると、それぞれが自分のテリトリーを確保しようとするため、競争が生じやすくなるためです。
新しい猫が家に加わったときや、猫同士の関係に変化がおきたときに、スプレー行為が始まることもしばしば。
ほかにも窓の外に野良猫や他の家の猫が見える環境も、テリトリー意識を刺激する要因となります。
外猫の姿や鳴き声、臭いを感知すると、家の中にいる猫は自分のテリトリーが脅かされていると感じ、その反応としてスプレー行為を行うんですね。
3.ストレスや不安
猫がスプレー行為を行う3つ目の理由が、「ストレスや不安」によるものです。
猫は環境の変化やストレスに非常に敏感な動物。心理的な不安やストレスを感じると、スプレー行為を行うケースも珍しくありません。
これは自分の臭いで空間を満たすことで、安心感を得ようとする意味があると考えられます。
ストレスの原因は様々です。たとえば家族構成の変化、日常のルーティンの変化、騒音や工事など。
また他のペットとの不仲や、飼い主からの十分な愛情が得られないことも、ストレス要因となります。
人間には些細なことでも、猫にとっては大きなストレスとなっている場合は少なくないのです。
猫のスプレー行動の対処法

去勢・避妊手術を行う
発情期に伴うスプレー行為には、去勢・避妊手術が効果的な対策といえます。
というのも性ホルモンの影響がなくなり、スプレー行動を始めとする生殖活動が抑制されるからです。
とくに性成熟前の生後5〜6ヶ月頃には手術を行うのが理想的で、少なくともスプレー行為が習慣化する前に手術を行うとよいとされます。
もちろんすでに成猫になっている場合でも、手術による効果は期待できます。
ただし去勢・避妊手術を受けた後でも、手術前にすでにスプレー行為が習慣化していた場合は、行動が継続することがあるので注意が必要です。
トイレ環境の改善
トイレ環境を整えるのは、スプレー行為の予防と改善に効果があります。
そのため、まずはトイレの数(頭数+1個)、トイレ環境(猫砂の種類、清潔さ)、トイレの設置場所(人の動線、騒音がある場所を避ける)など、見直してみましょう。
思いつく、気になる点があれば改善してみてください。案外、すんなりとスプレー行動が改善されるかもしれません。
ストレスフリーな生活を心がける
スプレー行為がストレスに起因している場合、その原因を特定し、可能な限り取り除くことが重要です。
引っ越し、家族構成の変化、新しいペット、工事の騒音など、考えられる要因をリストアップして、原因を考えましょう。
多頭飼いの場合は、猫同士の関係性も考慮してください。窓の外に野良猫が見える場合は、カーテンやブラインドで視界を遮ることも効果的です。
まとめ

猫のスプレー行為は本能に根ざした行動であり、完全に止めさせるのは難しい場合もあります。
しかし原因を理解し、適切な対策を取れれば、大幅に軽減することは可能です。
注意すべきは、猫を叱ったり罰したりしないこと。逆効果になるばかりか、猫との信頼関係を損なう可能性があります。
猫との暮らしには様々な困難がつきもの。しかし正しい知識を持ち、根気よく対処すればより良い猫ライフを送れるでしょう。